パートナー

ほにゃっとわらって、三年後。番外編です。
メインシリーズはこちら⬇️
https://www.pixiv.net/novel/series/12007385

コノエは何でも受け入れて許すような穏やかな大人のような顔をして絶対何も譲らないし許さないタイプの男です。
チャ♀はすぐ怒るし拗ねるけど懐に入れた相手のことは全部受け入れるし許す甘々なタイプです。



♦︎

 翌日、パーティー会場でチャンドラの横に立ってにやけないように努力はしたが、結局笑顔になってしまっているコノエがいた。
 パーティーはあの時と同じくオロファトの迎賓館で行われた。技術大国であるオーブの重工業連合会主催の会だけあって規模が大きく豪華で、招待客は五百人を下らない。
 コノエはとりあえず適当なスリーピーススーツで参加しているが、チャンドラはコノエが準備した衣装一式を身に付けてくれている。
 タイトな黒い膝丈のワンピースは後ろに深めのスリットが入っており歩くと太ももの裏側がチラチラと見えてセクシーだ。ボディラインがあらわになるジャストサイズのワンピースなので下着のラインが透けないようにTバックを履かせたし、デコルテと袖が透け感のあるレースで程よく上品に肌を隠してくれている分、背中の露出でバランスを取っているのだがブラジャーが着けられない構造なので落ち着かないらしい。
 ぴったりコノエにくっついて離れないし、たわわな胸を腕に押し付けられてパートナーの役得である。
 髪はウェーブを活かし前髪をセットし後ろは頸で緩くシニヨンにまとめて黒いベルベットのリボンで飾ると、揺れるリボンが目を引いた。
 パーティー会場に着くや否や、チャンドラ目当ての他社のヘッドハンターが挨拶がてら寄って来るが、渡して来る名刺は全てコノエが受け取った。後で精査して適切に処理する。
 愛妻の細い腰に手をやり抱き寄せ、近づく輩に挨拶を返しながらビジネス以外の下心のある奴にはさり気なく睨みつけておくのも忘れない。
 チャンドラは笑顔で応対するし、仕事の話もしっかり出来ているが、知らない男に話しかけられるたびに小さく震えて一瞬表情が引き攣る姿を見るに、申し訳ないが優越感を覚え満たされる自分がいる。
 チャンドラに心からの信頼を向けられて愛されている。この世で自分が一番だと実感する。
 不安に揺れる上目遣いが愛しくて、つい人目も憚らずキスしたくなって我慢するのが大変だった。

 挨拶に訪れる者が途切れたので、壁際のカウチソファーで休憩するチャンドラに飲み物を渡す。
 冷えたシャンパンを受け取りグラスを煽ったチャンドラはコノエを見上げてホッと息を吐いた。
「アレクセイ」
 パーティー用のメイクをして、上目遣いで、うるうるのリップを塗った唇がコノエを呼ぶ。
「うん?」
「帰ってきてくれて良かったです。一人では絶対無理でした」
「役に立てて良かった」
「服も、ありがとうございました」
「似合ってる。着てくれて嬉しいよ」
 値段が高すぎるなどの文句は言われたが結局は快く受け取ってもらえて大満足だ。コノエも冷えたシャンパンを飲みながらチャンドラのドレス姿を堪能した。
「あーあ、パーティーが終わったらすぐに宇宙に戻っちゃうんですねぇ」
「次の休みは三週間後になったよ」
 パーティーのための休暇を捩じ込んだので、長期帰宅できる休みは少し延びてしまった。
 するとチャンドラがソファーをポンと叩いて隣に座って欲しいと伝えて来たので横に腰掛ける。
 目線が近くなったと思ったら、チャンドラが背筋を伸ばして耳元に顔を寄せ、手で口元を隠して小さな声で伝えてくる。
「残念。この服、ベッドの上で脱がせて欲しかったです」
「ッ!」
 耳にかかった吐息がこそばゆかったし、耳元で囁かれた甘い誘いはダイレクトに男の欲求を刺激してくる。コノエは持っていたシャンパングラスを落としそうになった。
「ダリダ!」
 こんな場所で煽ってくるなんて。思わず耳を押さえつつ、パーティーを早めに切り上げたら抱き合う時間がとれないか、宇宙へ上がるシャトルまでの時間を真剣に考えてしまう。

 いやダメだ時間がない。悔しい。