交代時間になったので副長に申し送りをしてからブリッジを出る。着任からひと月、副長も一通りの仕事ができるようになって来て一安心だ。
無重力の通路を進みながらポケットから端末を取り出し、私用アカウントの通知を確認する。
待ち受け画面には妻子の笑顔の写真を設定してあるので和むし、画面の右下に表示してあるオーブ時間の時計を見ると現地は十七時を少し回ったところ。部屋に戻ってすぐに通話をしたら三十分くらいは話せるかもしれない。
ハロアプリの通知とチャンドラからのメールが届いていないかも見ると、珍しくノイマンからメールが届いていた。彼からの連絡は百パーセントチャンドラ案件なので優先的に確認する。
「ん?」
内容をざっと読み、驚いて声が出た。
無重力の通路を進むためのベルトから手が離れて慣性に従ってゆっくり進みながら両手で端末を握りしめてもう一度メールを最初から読み直す。
「…は?」
もう一回声が出た。丁度通路の曲がり角で、頭から壁にぶつかったのを下士官に見られた。
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