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澄ひろえ
2024-09-09 00:01:17
8758文字
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をかしき影を追う先へ
ククゼシ2人旅ツイート小説「光のレティシア編」を加筆・修正したものです。久方ぶりですがよろしければ御覧ください。最終ページは後書きです。
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中は外から見た入口とうって変わって真っ白な空間が広がっていた。ぐるりと見渡しても何も見当たらない。
とりあえず、まっすぐ足を進める。
・・・本当にまっすぐなのか?・・・進んでいるのか?
歩いても歩いても景色は変わることがなく。
本当にこれ・・・空間を抜けられるのか・・・?
しばらく歩いていると、今度目の前に広がるのは真っ暗な闇の空間。ここまで来たらもう引き返せない。俺達は闇の空間へ足を踏み入れた。
何も見えない。それが漠然とした不安となって押し寄せてくる。が、俺のマントと服を引っ張る感覚・・・それが不思議と俺が前へと進む力になってくれていた。
どれくらいの時間歩き続けたのか。10分?1時間?もっと長い時間?
・・・いや、ここには時間の概念はないのかもしれない。
とにかく、それはいきなりだった。
今まで歩いていた真っ暗な空間が消えたかと思うと、辺りには別の世界が広がっていた。
いや、別の世界と言うよりこれは・・・。
「ここ、は・・・さっきまで私達がいた所?」
ゼシカの指摘は半分正しい。風景はさっきまで俺達がいた所と寸分違わない。ただし、色彩が・・・色の抜け落ちたモノトーンの世界。
・・・これが異世界・・・。
辺りを見回すと、異世界への破れ目はこちら側にもあった。これを通れば戻れるのか。
とりあえず、はぐれた仲間はいないみたいだ。それぞれ俺の服とマントから手を口を離す。
皆で車座になって、これからの方針を考えた。
「しかし、異世界ってのが、こんな所だったとはね」
「まったく、色が抜け落ちているだけで儂らの住む世界と全く同じとはのぅ」
俺の言葉にトロデ王が続く。
「・・・という事は、こっちの世界にもレティシアの村って存在するのかしら?」
馬姫様のたてがみを撫でながらゼシカが言う。
「まぁ、可能性は高いだろうな」
「なら、そこを目指さない?レティスの事について新しい情報が聞けるかもしれないわ」
・・・どうやらそれが最善の策、かねぇ・・・。
「そうだな。まずは、こっちの世界のレティシアの村を探してみるか」
俺の言葉に皆が頷く。
とはいえ、今日は一日レティスの影を追いかけたせいで体はすでに疲労困憊だった。この灰色の世界ではよく分からないが、俺達がいた世界ではもう夕方だろう。ここでしばらく休んで出発する事にした。
「ここの空ってずっとこんな感じなのかしら」
十分な休みを取ってレティシアの村を目指して進んでいる途中、灰色の空を見上げながらゼシカが言った。
「太陽も月も星もない・・・似てるけど、やっぱり違うのね」
「ああ、それに、魔物達もな」
ここにいる魔物達はみな影のように黒い色をしていた。俺達の姿が目立つのか、魔物達からの襲撃を何度も受けた。しかも、想像以上に手強い。
なんとか退けながら、向こうの世界でレティシアの村があった辺りへ向かう。唯一の良い点は直射日光が無いから歩いても俺の体調が崩れないって所くらいか。
・・・どれくらい歩いたか、やがて村が見えてくる。
場所もあちらの世界と一緒。本当にそっくりなんだな。
ただ、少し様子がおかしいような・・・。
「ククール見て。村の家が破壊されてるわ」
ゼシカの指差す方を見ると、確かに村の建物の屋根がいくつか破壊されていた。
魔物の襲撃を受けてるのか?俺達は警戒しながら村の中へと入っていった。
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