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ドレロ|ケモノの王
2024.10.12~13 ドレロオンリー公開
とある目的のために無人の島を訪れたローが出会ったのは恐竜─の姿で過ごすドレークだった。二人は互いの目的の達成のために、数日のサバイバル生活を送ることになる。(執筆中)
1
2
3
一.劇的な邂逅
敵影なし、波は穏やか、空も晴天。潜水艦が海面へと浮上するにはもってこいの三拍子が揃った昼下がりだった。
せっかくの日和だからと誰かが言い出して、洗濯や掃除をし始めた。海賊船の日常として人々が想像もしないだろう、あまりにも呑気な光景が、ポーラータング号の甲板では繰り広げられていた。
そんな中、それは静かに近づいていた。その到来にいの一番に気がついたベポは、「何かが飛んで来ている」と船長へと報告する。
告げられたローは、空を見上げ、四方八方を見渡した。しかし、それらしき影はどこにも見えない。ベポが聞き間違える筈がない、と彼の察知力を信頼している。つまり、人間の目や耳では認識できないほど遠くから、しかし確かにこの船を狙って何かが接近している、ということだ。
警戒気味に顔を天に向けていると、不意に黒い点が白い雲にポツリと落ちたのが見えた。その輪郭が明確に、大きくなったとき、それが飛行する生命体であることがやっと分かる。
さらに近づいてくる。形がハッキリするにつれ、それが鳥類ではないことも分かった。羽の大きさに比較して、その体が小さすぎる。
では、あれは一体なんなのか。晴れた空の下でその姿を見ることは、あまりない。だからローはベポがその名を紡ぐまで、正体がなんなのか分からずにいた。
「
……
コウモリだ」
ポーラータング号に迫って来ていたのは、一匹のコウモリだった。
羽音が聞こえるほどにまで近づいた時、ローは手を伸ばす。そこに降り立ったコウモリは、足にくくりつけていた書簡を差し出した。ただのコウモリではないことは薄々分かっていたが、書簡の封をするために使われていたスタンプの模様を見て、その正体を具に理解する。
書簡を手にすると、声を掛けるより先に、そのコウモリは飛び去ってしまった。黒点はあっという間に雲の影に紛れて、消えていった。
洗濯を干しながら一連の様子を伺っていたペンギンが「何事ですか」と訝しむように尋ねてくる。ローが「あれは伝書バットだ」と答えると、聞き耳を立てていたクルーたちに緊張が走った。それもそのはず、伝書バットは政府の機密文書を運ぶことを役目として飼われているコウモリだ。
「ついに『決まった』ってことですか」
「まぁ、ほとんど決まっていたようなものだったけれどな」
サングラスでも隠し切れぬほど強い高揚の眼差しを向けて来たシャチに、軽い口調で返しつつ、ローも少しばかり緊張していた。赤い蝋のスタンプをビッと剥がして、その内容を一から十まで確かめる。その間、デッキをブラシで擦る音も、シーツの皺を伸ばす音も、しない。紐に吊るされた洗濯物たちだけが、風で揺られてバタバタと暴れている。
全て読み終わったローが、顔を上げた。口角を上げ、ニヒルに笑う。その表情がもたらす意味を、クルーたちは察していたに違いない。それでもローは高らかに言ってやった。
「
……
『承認』だとよ。王下七武海入り決定だ」
その言葉に、船の上は大きく湧いた。
ハートの海賊団が新世界で成り上がるために選んだのは、四皇の一角を崩すという、大胆なものだった。
しかし、真っ向から立ち向かうわけではない。裏の世界のブローカーたちをかき乱すことで、その力の均衡を崩そうという目論んだのだ。
そのためのカギとなるのが、とある人物の捕縛だった。裏の世界で流通が進んでいる、人造悪魔の実の製造者。名前をシーザー・クラウン。表向きには生死不明となっているが、裏の世界ではまだ生きていることがとっくに知れている存在だ。彼を捕まえて、人造悪魔の実の流通を止めてしまえば、各所に大打撃を与えることができる。その流れで、実力者たちによる潰し合いが起きると踏んだのだ。
だが問題は、そのシーザーがどこにいるのか、だった。彼の所在は明らかになっていない。お尋ね者なのだから、表立って出てこようとするわけもなく、当然のことである。
いろいろと仮説を立てた結果、海軍が管轄している禁足の無人地が怪しいと踏んだ。もともとシーザーは政府に雇われていた身なので、その手の情報を持っていてもおかしくはない。一般人が立ち入ることはもちろん、海賊や悪党もわざわざ敵地に踏み込もうとは思うまい。そして、灯台下暗し。理由がなければ海兵たちとて踏み込まぬ地だ。彼らなら、海軍の逆手に取ることぐらいして見せるだろうと考えたのだ。
ならば、それを探りたい。そのための後ろ盾が、あるに越したことはない。
だからローは、未だ空席のある王下七武海に名乗りを上げることを選択した。偶然にもロッキーポートにて多くの海賊たちの心臓を奪取することに成功したので、それを手土産とすることで七武海入りを打診したのがつい先週のこと。
そして、検討会議なるものにかけられた結果が、今さっき届いたというわけだ。
「やったね、キャプテン」
浮かれた声を上げるベポに、「まだ始まったばかりだ」と厳しい言葉を返す。ローは、王下七武海の任命書と共に入っていた、二つの文書へと目をやった。
一つは誓約書。海軍に従属するにあたっての上納金などについの取り決めや、ロッキーポート事件の首謀者として世間へ公表する旨についてが書かれている。後者についてはすでにニュースでもそのように報じられているため、想定の範囲内だった。要するにスケープゴートにされるわけだ。汚名が増えることに対しての不満はさらさらない。
だが、もう一つの件は別である。それには、ローが打診の際に軍へと申し入れた内容についての回答が記されていた。一通り読み終え、つい舌を打つ。
「
……
チッ、予想はしてたがやっぱりな」
「おっとっと。ああ、『入島許可』の方ですか」
「そうだ。海軍の管理地だからな。一応下手に出てやったのに」
苛立ちのままにぽいと投げると、ペンギンがそれをキャッチした。そして、内容と船長の表情を伺い、苦笑う。「あれは下手に出てたって言えなかったですよ」客観的な指摘に、フンと鼻を鳴らして返した。
「とはいえ、おれたち海賊なんだから。やりたいことは好きにやるだけでしょ」
「面倒ごとがなく好きにできた方が、効率はいいだろうが」
「それで〜、まずはどの島に行くんですっけ?」
ローとペンギンの軽い言い合いに、シャチが首と言葉を突っ込む。二人の意識が逸れたのと同時に、答えたのはベポだった。
「バニッシュ島だよ。ずーっと昔、海軍が捕まえた海賊の流刑地としてたって言われてる島」
「今は未開の地特有の植生を保持するため、と銘打って禁足地にしているが、どこまで本当かはわかったもんじゃない」
「ハァ〜
…
、あんまりいいところじゃないのはよぉく分かりました」
ローの穿った説明が重なる。シャチはあからさまに嫌そうな表情をしてみせた。それをペンギンが笑う。
そして、ローの方へと向き直ると、確認するように問うてきた。
「それで
……
キャプテンがいつも通り『放浪』してるって体でいくんですか」
「そうだ。留守の間は、おれが不在だと悟られないように頼む」
「そこら辺は慣れてますよ。
……
誰か連れて行った方がいいんじゃないですか?」
「クルーとつるんで動けば、何か企んでるという疑いを周囲に与えかねない。特に裏のやつらに、そこらへんを悟られるのはマズい。
……
おれが一人で動いてるだけなら、ただの単騎行動で済むだろ」
既になされたやり取りのくり返しである。ローが毅然とした態度のまま改めて一蹴すると、ペンギンはついぞ諦めた。アイアイ、キャプテン。その返答を聞いたローは、高らかに総員への号令を掛ける。
「時期が来た。椅子を取るために動き出す。まずはバニッシュ島だ。配置につけ。ベポの指示に従って、進む」
そこからの動きは速かった。翌日の朝には目的のバニッシュ島の近くにある島に到着し、そこでクルーたちと別れたローは、借りた小舟で目的の島へと乗り込むことに成功したのである。
そこは人の手が加わっていない、未開の地。そのため、どこに視線を向けても緑、緑、緑──深く薄暗い森に覆われていた。
ローは荷物の入ったリュックと愛刀を一度砂浜に置き、ポケットから地図を取り出した。それによると、島は北東から南西にかけて長く伸び、端から端までがひどく遠い。また、山谷があるため、高低差もある。
「想定より時間がかかるかもしれないな」
今回、この島への滞在期限は四日とした。七武海に加入したばかりで船長が長らく船を空けることは、対外的なリスクを高めることになる。また、潮の満ち引きとの兼ね合いで、戻るならその日がいいだろうというのがベポによる推察だった。
言い換えれば、そこまでに探索を終えている必要があるということでもある。
能力を使って移動することも可能だが、体力を消耗するため、もしもの時に温存しておくべきだろう。そうなると、自らの足で歩き回る必要があった。労力がかかるとは想定の内でも、実際に目の当たりにすると現実味を帯びてくる。要はなかなか骨が折れそうだ、とまだ感じ得ぬ疲労を思ったわけである。
「
……
行くか」
想像で疲れていても仕方がないので、ローはリュックを背負い、刀を肩で担ぐと、島の中へと踏み込むことにした。キュッキュッと鳴く白砂の音が、パキとかカサとか葉や枝が壊れる音へと変わる。海の世界が、陸の孤島へ。獣道らしき、少しばかり木々が掻き分けられた箇所を見極めると、踏みなれない腐葉土の柔らかさを感じながら、まずは一番標高が高い位置を目指した。島を見渡したかったからだ。
歩き進む間、人の気配や痕跡がないかに注視する。隠れて過ごしていたとしても、人間は全く外に出ずに過ごせるわけではない。彼の実験には物資が必要だろうし、それを手伝う人員も最低限はいなくては成り立たないだろう。もし誰かがいるならば、その痕跡が残るはずだ。それを探していく。
──だが感じるのは、自分の存在を窺う刺々しい気配ばかりだった。島に住む動物たちが、自分の一挙手一投足を睨んでいる
……
そのように感じられる。自分以外の生き物が確かにいて、なのに奴らは姿は現さない。
ローはクルーと共に様々な島を渡り歩いてきたが、ここまで人気が感じられない島はなかった。大なり小なり文明があり、人が住まっていた。
だがここは、自分という人間だけが、明らかな異物という世界。自分以外の存在が確かにあるのに、『一人』だけという未知の感覚に晒されて、居心地が悪い。
息を潜め、静かに、淡々と上を目指して進むしかなかった。
しばらく行くと、斜面の角度が緩やかになり、歩きやすくなった。また、木々の影が先ほどまでより少なく、開放的なエリアが広がっている。
鳥の鳴き声が聞こえてきた。フゥと息を吐く。見上げると、葉の隙間から空の青が差し込んでいた。
ほんの少しだが息をつくことができたローは、先を急ぐためにまた一歩踏み出す。ザリ
…
ザリ
…
、と土の上で落ち葉が擦れる音が、重なって響いた。
その違和感にハッと振り返る。交わったのは、視線。視界に入ってきたのは、あれだけいないと思っていた『人』の影だった。
あれは誰だ、と思ったのと同時に、あいつは知っている、と思い直す。
確か初めて出会ったときは、帽子を被っていたはずだ。しかし今はそれがないため、黄色みを帯びた赤褐色の髪が、鋭く逆立っているのがよく見える。また、黒いマスクで目元を隠してはいるが、表情が分かりやすい。見開かれた目には、ローと似た、驚きの色が隠しきれていなかった。
なぜ、あの男がここにいる? 一番にその疑問が湧いたが、理由を考えるより、まず撤退することを選んだ。ローがここにいることが第三者に知れるのは、せっかく得た立場やこの島での探索の続行を危ぶませる。そういう意味では、彼の存在は非常に危険だ。
あれは、X・ドレーク。ローと同じく超新星と呼ばれ、世間を賑わす海賊の一人。元は海兵という異色の経歴の持ち主で、能力者でもある。
地鳴りがした。ビキビキ、と肉骨が割れるような音がした。見なくても伝わってくる。ドレークが、その身に宿した悪魔の力で恐竜に成り変わったのが、感じられる。
ローもまた、自身の力を発揮しようと手のひらを翳した。
が、木の葉に隠れた細い根に足が引っかかり、バランスを崩す。つんのめってしまい、膝が折れた。マズい、と思えどもう遅い。
そこを獣の健脚で詰め寄られると、ローはもう逃げようがなかった。オペオペの能力を展開するよりも先に、その前脚が自身の身体をわし掴み、地面へと押し付けられる。落ちている葉や細い枝がクッションとなり、強打するには至らなかったが、爪が地に食い込んだために身動きが取れなくなった。もがいたところで力が緩まることもない。鬼哭も、掴まれた際にはずみで落としてしまった。
腕の自由が効かず、その巨躯で視界をも遮られている。能力で自分と対象の位置を入れ替えようにも、これでは座標が合わせられないため、発動は難しい。
「ッく、」
呻きながら相手を睨めば、眼前に迫り来るのは剥き出しの大きな歯牙。隙間から、温い吐息と唸り声が顔に降りかかってくる。そして、低い音が言葉を紡ぐ。
「この島へ、何をしに来た。トラファルガー」
なんとも理性的に恐竜は問うた。──どうやら、すぐに己のことを殺す気はないらしい。
そう判断したローは、脳みそをぐるぐると回転させる。ここで無駄に抵抗するより、問答でやり過ごす方が勝算があるとみた。瞬きの間の逡巡の後、唇を開く。曖昧な表現で事実を伝える方が、下手に誤魔化してボロが出るよりいいと考えた。
「
……
少しばかり探しものを、しに。まぁ、そもそ、この島にあるかは、分からな、がな」
胸を押さえ込まれているせいで肺に息がうまく取り込めず、声が潰れた。途切れ途切れの言葉、だが、間違いなく相手には届いている。
琥珀色の視線から猜疑の色が消えることはなかった。当然、拘束が緩む気配もない。
「ここは、海軍が管理する土地だ。それが分かっていないおまえではないだろう。それでもわざわざやって来た。何が狙いだ?」
「ハハッ、ずいぶんと、おれを買ってくれてるようで、ありがたいな。
……
だが、それは堕ちた将校さまにも当てはまることじゃあ、ないのか」
既に海軍を辞した男が、何を宣うのだ。ローが片眉を上げて返しやれば、気に障ったのか、前脚がぐっと押し込まれた。このまま全体重をすべて乗せられれば、圧死するだろう。
これ以上は耐えられない。脱するためにローは無理矢理にでも能力を展開しようと、掠れた声で呪文を唱えた。青い半透明のドームが、男と恐竜を包むように大きく広がろうとする。
そのときだった。
二人以外の何かが動く、音が響いたのだ。ガサ、ガサ
……
木々を掻き分ける音がだんだんと大きくなる。二人の方へと、じわじわ迫って来ている。
ローは、能力を出したまま、音の鳴った方を見やった。そして、問い掛ける。
「おい、今の音は」
「シッ、静かに
……
。やはりバレていたか」
ドレークは徐に前脚を退かすと、同じようにその音が聞こえる方向へ顔を向けた。ローは起き上がり、落ちた鬼哭を回収しながらそちらを窺う。確かに、何かが、二人へと近づいていた。
「そもそもここは『奴』のテリトリーなんだ。おまえが不用意に踏み込むから
……
様子を見に起き出してきた」
何が、と尋ね返すよりも先に、それは姿を現した。地を強く蹴り、まずはローへと飛びかかってくる。抜刀し、空を切るように刃を振った。例え相手のテリトリーであろうと、ローが生み出した空間の中に入り込んでしまえば、全ては医師のあるがまま。
おそらく、首が落ちた。だが、それでも身体はローを狙って動き続ける。首から上が吠えた。その咆哮で、森は大きく震えた。
「なんだ、こいつは
…
ッ!」
一見すると、ライオンのように思われる、たてがみの生えた生き物だった。ただしライオンと呼ぶにはその体躯はあまりにも大きく、そして、二足歩行という異様な出で立ちをしていた。
能力者? それとも、あの『ミンク族』?
奇妙な様相に疑問と困惑を抱きながらも、ローがその身体の方をどうにか薙ぎ払うと、それをドレークの前脚が抑え込んだ。しばらく暴れ藻掻き、吠え続けていたが、恐竜が牙を剥いて威嚇し返せば、その迫力に恐れをなしたのか、媚びるように鳴き始める。
「
……
首がなくとも動くのは本当だったか。かなり気味が悪いな」
その様を見た男はそう呟いた。
そして、ローの方を見やって、首を返してやれと言う。
「おれに命令するな。それに、返すメリットがない」
「もうこいつは『屈服』を示している。おれらを攻撃することはない。無駄に痛めつけたところでメリットはないぞ。
……
頼むから、つけてやってくれ」
最後には下手に出てまで言われてしまえば、狭量と思われたくはないローは従わざるを得ない。渋々首を持ち、ドレークに近づく。首は悲痛そうに鳴くが、男の言うように噛みつくことはなかった。
ローが首を付け合わせると、ドレークは前脚を退ける。ライオンもどきはジリジリと這いつくばって二人から距離を置くと、そのまま茂みの影へと姿を消した。
いつのまにか、ずっと感じていた獣たちの視線も消えている。いるのはローとドレークの二人だけになっていた。
一度は解いてしまった戦闘の姿勢を再度取ろうとなると、実に間抜けな流れになると互いに分かっていた。だからドレークはローに対して威嚇はしないし、ローも腕を下げて無抵抗を示す。
先に言葉を発したのは、ドレークの方だった。依然として獣型の姿を保ったまま、大きな歯の隙間から言葉を発する。
「
……
今に日が暮れる。この島は少し日が傾いただけで、森に遮られて急激に暗くなる。夜が更ければ、獣たちの動きはもっと活発だ。どうせ、この島から出るつもりはないのだろう。野営の支度は早めに済ませたほうが、身のためだぞ」
身を翻すと、長く太い尻尾がこちらを向く。それ以上は言わず、ここを後にしようとしていた。
ローは「ご忠告どうも」と慇懃に返しつつ、一拍悩んで、その背中を追った。もちろん、それに気づいたドレークが「着いてくるな」と突き放す。
「おまえのその話しぶりから察するに、この島のこと、相当詳しいんだろう。当然、ベース基地も獣たちを刺激しない、うまいところに構えてるはずだ。
……
となれば、おまえに着いてった方がおれの『身のため』になると思わないか?」
にんまりと、わざとらしく憎たらしい笑みを浮かべてやれば、恐竜は唸ったが、最早止められやしなかった。ローは、揺れる尻尾を追いかけて、上を目指す。
ドレークの言葉通り、あっという間に辺りは暗くなった。息を潜めていた獣の息遣いが、緩やかに増えていくのが聞こえてきた。
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