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河童の皿箱
2024-07-13 10:15:40
4000文字
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遊戯王:短め(2024年度)
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輪廻
ライズハートがP.U.N.K.を戦力として攫ってくるだけ。
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その男は、己が内にて渦巻く憤怒を琴の音に任せ、静かに月を眺めていた。しずしずと流れ落ちる清流のそばでは、琴の音に人魚たちが歌っている。今日の昼から、飽きもせず。よくやれたものだと、男は隣に座る絵師に言った。すると、絵師は笑った。色々作ったり、歌ったりって楽しいぜ? そうして徳利に注がれる酒を一口飲めば、気が向いたらな、と。
穏やかで、静かな宴の時。結局、男がどれほど策を練ろうと、どれほど戦力を強化しようとも、まるでそれが定めかであるかのように、自分の本物には勝てなかった。そして、本物は暴走して、心の内に居た歓喜の分身に鎮められ。さらさら流る風が、頭上にて咲き誇る桃色の花々を揺らし、その花弁が舞い落ちてくる。それを追いかけて、獣たちと能楽師たちは遊んでいた。そして、酒の上にもまたひとつ。
男はまた、酒に唇を濡らして。なあ、将軍サマ。もう気付いてるよな。絵師が問えば、男は頷く。絵師は言った。俺たちは、何度もアンタに会っている。俺たちは、何度もここに来ている。でも、会うたびにアンタは俺たちのことはすっかり忘れている。もっと早く思い出させられねぇかなって、やったつもりだったけど。なかなか上手くいかねぇな。そんなぼやきに、男は笑った。お前たちが前の俺から伝えてくれたことは、十分役に立った。褒めて遣わす。男にしては珍しい、率直な賞賛に絵師は目を丸くして、けれどまた、笑う。恐悦至極に存じます、と。
何もかもの均衡がとれた、安定した世界。けれど時は止まらない。その時が、来る。
突如、砕け落ちる空。吹き付ける熱風。人魚たちの悲鳴。獣たちの唸る声。男は駿馬に命じた。奴らを帰せ、と。駿馬は従順であった。駿馬はすぐに絵師を抱え、尖兵たちに雅楽師を、人形師を、能楽師を抱えさせた。絵師は初めて、抵抗する。おい、アンタの隣で戦うって言ったよな! けれど男は叫んだ。自惚れるな! 貴様らが到底かなう相手ではない! 行け!
駿馬はまだ青き空へと駆けあがっていく。絵師はその腕の中で叫んだ。待ってるからな! と。その声を背に、男は改良を重ねた鎧を身に纏う。赤と黒だけで構成されていたはずのそれは、いつの間にかより派手に、より華美になって。小手を覆う花々と、背に負った龍の鱗と、それを包み込む水の恵みと。砕けた空より舞い降りる神に、歌舞く将軍は吼えた。
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