Privatter+
Font
Serif
Sans Serif
Color
Light
Dark
auto
Font size
Large
Medium
Small
Language
Japanese
English
Sign in with Google
Sign in with ID and password
Account ID
Password
Sign in
Forgot password?
Create account
河童の皿箱
2024-07-13 10:15:40
4000文字
Public
遊戯王:短め(2024年度)
Clear cache
Export ePub
輪廻
ライズハートがP.U.N.K.を戦力として攫ってくるだけ。
1
2
3
4
その男は、己が内にて煮えたぎる、業火の如き憤怒に身を任せていた。世界へ産まれおちたその瞬間から、『自らこそは偽物である』という自意識が常に付きまとっていた。故に、男は怒った。自らこそは本物であるはずだ、その証明をしなくてはならない、と。
男はその手でいくつもの機械兵を、侵略のための道具を作り出した。尖兵たる大狼、右腕たる駿馬、猛々しき鬼人を。けれど、それだけでは戦力は足りない。その時のために、そうだ、その時のために、もっと備えなくてはならない。男は駿馬に命じた。戦力となるものをここへ連れてこい、と。
駿馬は従順であった。尖兵を引きつれた駿馬は世界を飛び越えて、とある5人を連れてきた。5人は何の抵抗もせず、自らの所持品を差し出し、男が檻まで連れていけば、自ら檻に入っていった。
……
随分と物分かりが良いじゃないか。男が囚人に問いかければ、そりゃあそうだろ、なあ。と、互いに顔を見合わせて笑うばかり。どうにも不気味な連中だ。男は駿馬に問いかけた。本当にこいつらは役に立つのか、と。駿馬は答えた。はい、必ず。その答えに食い掛った囚人は、また笑った。俺たちは集団で戦うのも強いけど、もっと役に立つほうほうだってあるんだぜ、将軍サマ。でもそのためにはまず、一旦俺たちの商売道具を返してほしいんだが
……
どうかな。男はしばらく考え込んだ後、檻の中へと道具を投げ返した。
すると、囚人たちは各々の道具を手に取った。もっとも体格の良い囚人は、浮世絵師は筆を執り、空間にいくつもの建造物を描き始めた。次に、隅で様子を窺っていた黒服の囚人が、人形師が、浮世絵師から筆を受け取ってはその建造物の設計図を描き始める。その後ろで背の高い囚人が、雅楽師が楽器を愉快に掻き鳴らし、小さな囚人たちが、ふたりの能楽師が、ひらぁりひらりと舞い踊る。
檻の中に作り出された世界は、男が作り上げた世界とよく似ていた。けれど、男にとっては知らない、たくさんの開発物に満たされていた。男はすぐに指示を出し、尖兵や駿馬たちはそれらの設計図を写し続ける。完成した設計図に男が目を通せば、どれも理論が成立している。しかも、自分たちの技術でも実現可能で、そしてなにより、有用だ。
な、言っただろ? 俺たちは芸術家だってな。檻の中の浮世絵師は笑う。そして、続けた。いつか来るその時には、俺たちはアンタの隣に立って、戦うからな。
1
2
3
4
Reaction
If you make a mistake, you can cancel it by pressing the reaction.
Custom color
Reset color
広告非表示プランのご案内