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無窓居室
2024-04-15 03:25:05
3594文字
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お花見短文
春の短いお話四つ。同じ家に帰ったり一緒にお風呂入ったりしてるので多分付き合ってる😈👹
相変わらずフィーリングしかありません。
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夜桜Festa
春の陽は桜の花の蕊のような薄桃色に暮れていく。それが淡い藍に溶ければ桜並木はライトアップに映えた。咲き誇る花が夕日に輝くところからイルミネーションにきらめく姿まで、すっかり動画に収めたブラックとアカネは宵のうちが終わる頃に家に戻った。
「人間界のお花見、なかなか興味深い風習でしたね。絵的にもいいものが撮れました」
「楽しかったな!すっごく綺麗だったし食べ物は美味しかったし」
満足げなブラックと興奮の冷めやらないアカネが玄関に着くと、中にいた助手達が迎えに出てきた。留守番とチャンネル管理の作業をしていてくれたカメラちゃんと青鬼ちゃんに礼を言いながら、アカネはお土産の道明寺の包みを開ける。ブラックはさっそく撮れた素材のチェックだ。
助手達がお土産を食べ終えて寝てしまうのと入れ違いにブラックがリビングに戻ったので、洗い物を終えたアカネは沸かしておいた風呂を勧めた。
「早く入っちゃいなよ。まだどこかにくっつけてるかもしれないだろ」
珍しく、アカネの方が意地悪くからかうような表情を向けて言う。桜の樹上を飛び回っていたブラックが降りて来たときの様子を思い出して軽く吹き出した。花の嵐に揉まれたブラックは体中が花びらだらけになっていたから。薄く柔らかな花弁は癖のある髪に絡み、あるいは服に貼りつき、全体的に黒い悪魔の姿にひどく目立った。
ブラックはすぐに全ての花びらを払い落として澄まして見せたけれど、それだけにギャップがおかしくアカネは長いこと笑い続けていた。いつも遊ばれっぱなしのアカネからすればやっと鼻を明かすことができた気分だ。
ニヤニヤと含み笑いを続けるアカネに、ブラックはいやに優しげな仕草で手を伸ばし耳の後ろ辺りに触れた。
「アカネさんも」
悪魔の黒い革手袋の先が掬い取ったのは、やはり一片の桜の花びら。アカネの髪にもついてきたらしい。
「えっ嘘!?どこに!」
慌てて服や髪を叩くアカネをブラックは悠々と見つめる。
結局、二人は一緒にバスルームへ向かったが、湯船でもアカネの髪からは数枚の花びらがこぼれて浮かんだ。
2024/04/15
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