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無窓居室
2024-04-15 03:25:05
3594文字
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お花見短文
春の短いお話四つ。同じ家に帰ったり一緒にお風呂入ったりしてるので多分付き合ってる😈👹
相変わらずフィーリングしかありません。
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Catch Me If You Can
「すごい眺め!絶好の花見日和だな!!」
「キレイですね〜、撮れ高ありそうです」
「お団子におはぎに桜餅
……
美味しいものもいっぱい!」
「アカネさん、楽しそうですね〜」
麗らかな日差しが降り注ぐ昼下がり、ブラックとアカネは満開の桜を湛える花見の名所に来ていた。最初こそ頭上を埋め尽くす仄かに色づいた雲のような桜に目を奪われた二人だったが、片や一日中チョコレートを食べ続けても飽きない悪魔、片や夏祭りでは綿飴とりんご飴とを両手にご機嫌だった鬼のこと。一通りの景色を動画に収め終えると、夕方からの撮影に備えるためと屋台やキッチンカーを回っての買い食いにも余念がないのだった。
「この小倉アイス、桜の花の塩漬けが入ってる!」
「チョコ味の苺大福なんてあるんですね〜、オレちゃん気に入っちゃいました」
二人の興味が花より団子に移りかけた頃、急に強い風が吹いて地面から花びらを舞い上げた。ゆるやかに降り注いでいたそれとは逆に、足元から吹きつけるように花見客達の視界を塞ぐ。
あちこちでどよめきや歓声が上がり、ブラックとアカネも笑顔を見合わせた。悪魔の笑いにはいつもの貼り付けたような形にとどまらない生気があり、アカネの瞳の輝きには無数の白い花弁が映り込む。
はしゃいだアカネが子どもじみたことをした。飛んでいく花びらの一つを捕まえようと爪先立ちになって手を伸ばしたのだ。しかし花びらの不規則な動きは、力強く素早いはずの鬼の娘の指からもすり抜けて空へ逃れてしまう。
「あぁ
……
」
残念そうにため息を漏らしたアカネの目の前を影が横切った。隣にいたはずのブラックが、音もなく背中の翼を広げて宙に浮いている。黒くしなやかな手がアカネの追っていた一片を捕まえ、鬼の優れた動体視力がそれを捉えるのとほぼ同時に悪魔はその口角を更に吊り上げて手を開いて見せた。
「アカネさん、これを──欲しかったら、ここまでおいで、です!」
ほんの一瞬、甘い期待に染まった頬に別の赤味が加わる。高笑いしながら飛び去る背中を、アカネは腕を振り回して追いかけた。桜吹雪に夢中な人間達は二人の人外のやり取りなど気にも留めない。その人混みと花をはらむ風を掻き分けてアカネは走る。
「待てー!ブラック!この悪魔ーーっ!!」
「カカカッ!アカネさん、食べ物を持ちながら走るのはお行儀が悪いですよ!」
自分を、正確には自分が持つ春の欠片を追って叫んでいるアカネを振り返り、ブラックは彼女に劣らず浮きたった声で答えた。
2024/04/14
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