【あしゅやよ】恐れ知らず幼女

王子様のキスでお姫様は目覚める(要約)なお話とおね(ロリ)が抱くクッションポジになりたいショタのお話二本立て。あしゅやよ編。螢詠要素含む。


僕じゃなきゃイヤ




いつだってそこは僕の特等席なのに、先週からお姉ちゃんは僕じゃなくてあいつのとこばっか行く。

「むーっ」

リビングにやって来たあいつは大きな体でお姉ちゃんを抱っこする姿に僕は頬を膨らませ抗議する。
でも、そんな僕にお姉ちゃんは手に持ったスマホに夢中で全然気付いてくれない。胸の奥がムカムカして、伸ばした手をグッと握りしめた。



大事に大切に小さな体に入ってる僕を抱っこしてくれるお姉ちゃん。後ろからぎゅって抱っこしてくれるのが嬉しい。だから、僕も小さな体から出てる時はお姉ちゃんを後ろからぎゅって抱っこするんだ。
抱っこしたらお姉ちゃんとの距離がうんと近くなって、僕の好きな匂いが濃くなって、あったかくてやわらかくて、ずーっと抱っこしていたくなるんだ。
座っている僕が両手を広げれば、お姉ちゃんは背中を僕に預け座ってくれる。それがすっごく嬉しくて嬉しくてたまらなかった。胸の奥がぽかぽかして顔がふにゃって笑って、お姉ちゃんを抱っこ出来るだけで幸せだった。
なのに、大きくて寄り掛かった相手に合わせ形を変えるあいつが僕からお姉ちゃんを奪った。あいつがいないリビング以外ならお姉ちゃんは僕のところに来てくれるけど、リビングに行った途端、僕がソファに座って手を伸ばしてもお姉ちゃんは僕の前を通り越してあいつに背中を預け寄り掛かる。
小さなお姉ちゃんの体を包み込むあいつ。仰向けに沈んでいるお姉ちゃんに近寄って見下ろしていたら、グッと僕の腕を引っ張ってあいつの上に僕もボスンっと乗っかっちゃった。
痛くないどころかふんわり受け止めるあいつの柔らかさ。別に悪くない。どちらかと言えば心地いいけど、けどっ。負けた気がして僕は頑なにあいつに凭れ掛り乗っかり体を沈める事はしなかった。
……お姉ちゃんが見ていない時に、こっそりあいつをソファ代わりにする事もあるけど、それ以外は絶対に近付かなかった。
だから気に喰わないあいつが僕からお姉ちゃんを奪ってる時はムカついて仕方なかった。



「お姉ちゃん、遊ぼ」
「この調べもの終わるまで待ってて」
このやり取りするのもうたくさんっ。僕は目をゆっくり閉じて、開けた次の時にはいっぱいの手でお姉ちゃんの体を持ち上げ、あいつの事を引っこ抜いた。あいつが居た場所に僕が代わりに収まってお姉ちゃんを後ろからぎゅーっと抱きしめる。引っこ抜かれたのを怒られたくなくてお姉ちゃんの肩に顔をぐりぐり押し付けた。
すると、身じろぐお姉ちゃんの気配に思わず僕の体がカチコチに固まる。行っちゃイヤだ。そんな気持ちでお姉ちゃんを抱きしめる力が強くなる。
でも、お姉ちゃんは首を逸らしながら僕の頭を撫でてくれた。僕、お姉ちゃんに頭撫でられるの好き。もっと撫でてほしくて、顔をぐりっと押し付けた。
そうしたら、お姉ちゃん頭撫でてくれて上の空で返さない「お待たせ。なにして遊ぶ」の声に僕の顔が笑顔になった。
次の日。僕はあいつに乗っかって両手を広げれば、お姉ちゃんが背中を預け座ってくれるようになった。はじめからこうしたら良かったなんて、呟いた僕はお姉ちゃんを後ろからぎゅって抱き締めて、まあまあ心地よいあいつに背中を沈める。
真っ黒でおっきいクッション あいつに包まれる僕に包まれるお姉ちゃん。後ろからぎゅっと抱っこしたお姉ちゃんごと後ろにぽすんと倒れ込む。僕の上に乗っかるお姉ちゃんの体、あったかくてやわらかい眠くなる重みに僕はお姉ちゃんをぎゅっとしたまま、うとうとしてそのまま寝ちゃった。
長くて短いお昼寝。ぱやぱやする目を擦って起きれば、前を向いていたお姉ちゃんの顔と体が僕の方に向いていた。僕とお姉ちゃんの胸が重なり合ってトクトク心臓の音が混ざりあう。耳をくすぐる小さな寝息。すんっと吸い込むお姉ちゃんの香り。解いていた腕と、今度は足も使って僕は僕の上で寝ているお姉ちゃんのことを抱き締めまた目を閉じた。