戌丸アット
2022-05-29 23:29:51
7078文字
Public 戦国basara
 

ハロウィンの夜に

三家(戦国basara)



全身包帯に巻かれた男に家康は最初、何を言われたのか理解できなかった
一つは、吸血鬼の力と言う事
しかしコレはなんとなく心当たりがあった
それは転入生の三成の行動だ
あの行動と感覚は確かに吸血鬼のようであった
二つ目に理解できなかったのは、狼と言う言葉であった
あの場に狼などと言った物騒な生き物など存在しない

「きゅ、吸血、鬼?それに狼なんて何処に居たんだ?」
………もしや何も知らぬのか?」
「何もって言われても何が何だか
「刑部、奴は目が覚めたか………聞くまでもなかったか」

家康の困惑した様子に包帯の男は見えている目を丸くして驚いている様子であった
すると丁度、私服姿で三成が入ってきた
これには家康も無意識に強ばっていた体から力を抜いた
どうやら知らない環境で強ばっていた体は、転入生でありながらも見知っている三成に会った事で緊張が解れたようであった
しかし困惑している家康は気付く事無く、すぐさま三成に反応する

「あ、石田!」
「三成で構わん」
「あ、ならワシの事もってそうじゃない!これはどういう事なんだ?」
「煩い!今から説明してやるから大人しく寝ていろ、まだ体に疲労感がある筈だ!」
「う分かった

すぐにでも状況を把握したい家康は三成にすがりつく様に問いただした
しかし三成は至って冷静なもので、首元を掴んでくる家康の手を払うと無理矢理に寝かしつける
三成の言葉に図星を突かれた家康は苦虫を噛み潰したような渋顔をしつつも大人しく、刑部が添えてくれた大きな枕に背を預けた
それを確認した刑部は気付いた事をすぐに三成に報告する

「三成よ、こやつは何も知らされておらぬようだ」
「やはりそうか分かったおい!貴様、吸血鬼やミイラ男は見た事があるか?」
「へ?い、いや、無いが吸血鬼とかミイラ男なんておとぎ話だろう?」

二人の会話を聞いていた家康は突然、話をふられ慌てながらも困惑した面持ちでしっかりと答える
そもそも家康でなくとも吸血鬼やミイラ男など誰も見た事などない
しかし三成は遠慮なく、自分たちの正体を明かしてみせた

「はぁ言っておくが私が吸血鬼、刑部が言うなればミイラ男だ」
………え、あそ、そうか」
「おい!貴様、今、コイツ本気か?と思っただろ!!!」
「うわっ!?刀を向けるなよ!し、仕方ないだろう?信じられる訳が無い!」

曖昧な家康の態度に苛つきを覚えたらしい三成は、瞬時に何処からともなく刀を出すと鞘に入った状態で家康の首筋に当てて怒り出した
いくら鞘に収まっていようと怖いものは怖い
家康は思わず体を逸らし、降参とばかりに両手をあげて素直に答えた
するとそんな二人の様子が可笑しいのか、引き攣った独特の笑い声をあげながら刑部がからかってくる

「ヒヒッなら三成にまた血でも抜いて貰うか?徳川」
「え、遠慮する!!!………ん?と言うか初対面なのに何故、ワシの名前を知っているんだ?」
「チッそれも説明してやる」
「ならば我は茶でも入れてこよう」
「頼む」

どうやらまだ説明されていない事があるらしく、家康が疑問を投げかけると三成は面倒臭そうに舌打ちをしたかと思えば刀を消し、腰を下ろして説明すると言い出した
刑部と言えば、呑気に三成の言葉を聞いてゆっくりと腰を上げて部屋を出て行ってしまった
そして二人きりとなってしまった状況に家康は内心、不安に思いながらも耳を傾ける事にした

「まず………元々、貴様の一族は純血の狼の一族だ」
「お、狼!?え、えっとつまり
「狼男だな」
「信じられんつまりワシも狼男なのか?」
「そうだ、そして徳川家は秀吉様に助けを求めたのが事の始まりだ」
「秀吉殿だって!?」

三成から秀吉の名を聞いた家康は驚いた
秀吉と言う人物は、幼い頃から家康もとい徳川家自体が世話になっている豊臣家の当主であり、世界的規模の会社をまとめ上げている敏腕の社長であった
それを何故、三成が様付けで呼んでいるのか、家康は分からず困惑していた
しかしそんな家康を気にするでもなく三成は話を続ける

「なんだ、秀吉様は存じ上げていたか
「あ、あぁ小さい頃はよく遊んで貰ったでも何故、助けを?」
「かなり話が長くなるが貴様の一族は純血でありながら人間の味方を選んだが為に人間を喰らう者どもと対立関係となった」
「人を、食べる
「しかし純血であり力があるとはいえ一族のみでは無理があると考えた前当主は一族や貴様を引き換えに秀吉様に協力を申し込んだのだ」
「なっ!?父さんが!?」

三成の話した内容に家康は目を見開いて驚くしかなかった
何一つとして知らぬ事であったからだ
家の者は誰一人としてそんなおとぎ話のような話はしてくれなかった
夢だと思いたいと思った
しかし撃たれ、そして何故か早くも再生しつつある左肩の痛みが全て現実だと訴え続ける
三成は家康の様子などお構いなしに続ける

「一族が組織へと加わる代わりに徳川家の使命に協力して欲しいと言う約束を秀吉様は承諾した」
………
「しかし話によれば貴様ら一族は代々、力が目覚めるのは15歳程からであり、しかも力が暴走して死ぬ場合まであると言い出した」
「それが今日の出来事、か」
「そうだ、そして一番狼男へ耐性があるのが吸血鬼である為、私が選ばれ刑部が補佐として選ばれた」
「そんな

呆然とするしかなかった
美しく凛々しい転入生は自分のお目付け役であり、狙われたのは化物でありながら人の味方をしたからなどと言う漫画のような理由だ
もはや現実逃避すら出来ない
そんな家康の考えを察したのか、三成がしっかりと念を押してくる

「信じられなくとも全て真実だ」
「っ!何故!父さんはこんな大切な事を勝手に決めたんだそもそも父さんは不慮の事故で死んだとっ!」
「それは嘘だ、貴様の父は討伐任務で死んでいる」
「なっ!?そ、んな

三成から知らされた事実に目の前が真っ白になるのを家康は感じた
家康の父は、家康が小学校へ上がる前に母から事故で死んだと聞かされていた
遺体はなかった
海外の仕事からの帰りの船での事故なので遺体は見つからなかったのだと、母は涙ながらに言っていたからだ
それが本当は、化物に殺されたなど信じられなかった
三成も、そんな呆然とする家康に流石に言い過ぎたと感じたのか三成は家康の肩を押して、言葉をかけながらベッドへと再び寝かしつけてくる

ともかく今日は休め、全てが決まり次第、貴様が能力を扱えるようになる為の訓練が始まる」
いつになるんだ?」
「まだ分からん、だが安心しろ」
「え?」
「訓練には吸血鬼である私が補佐に着く私が………私が貴様を守ってやる」
石田」
「家康、三成と呼べと言った筈だが?」
「っ!……………ふふ、ありがとう!三成」
ふん貴様はそれで良い」

家康は三成が不器用にも元気付けてくれているのだと気付き、ポロリと一粒涙を零したが三成に力強く微笑んだ
その微笑みに三成は一瞬、目を丸くして驚いたが満足そうに小さく微笑んだ



END





ーーあとがきーー
長くなるので此処で終了!刑部さんこんな部屋、入りたくないだろうなぁ←
余談ですが白猫は三成で、家康がピンチだった時は、お着替えしてました( ˘ω˘ )
てか三家要素、ちょっとし
かなくねっ!!?大丈夫!?_:(;'Θ' ;;」 ∠):_