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戌丸アット
2022-05-29 23:18:02
5716文字
Public
戦国basara
ホオズキの煩い
三家(戦国basara)
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3
あちらこちらで黒や白い狼煙が上がっている
白い狼煙は知らせの為に焚かれた煙だ
しかし黒い煙は違う
火薬が爆発した煙、木々や人が焼けた為に発生した煙なのだ
火薬の臭いも、血の臭いも、家康は嫌いであった
黒々と蜷局を巻きながら空へ消える煙は、まるで戦の最中に無くなって行った兵たちの想いのようで目に入る度に家康の心は、枯れ果てた
小さな頃から幾度となく戦を駆け抜ける家康にとって黒い煙は、もはや死の象徴のようになっていた
あの煙を見ると、己の薬と傷だらけの拳から血の影と臭いが浮かんで来る錯覚を覚える
しかし皆に弱気な所は見せられない
余計な心配など与えてはいけない
この拳から浮かび上がってくる血と臭いから目を逸らしてはいけない
守られるだけの自分は、死んでいた者と共に葬った
涙よりも笑顔を
でもほんの少し
ほんの一瞬、気を抜くと家康は背負っているモノの重さに耐えられずに崩れ落ちそうになる
その原因は、石田三成と言う男である
あの男の隣に居ると家康は、忘れてしまいそうになるのだ
三成からのぶっきらぼうだが確かな信頼を感じると幸福に己の目標が霞んでしまう
勘違いをしてしまいそうになる
だからこそ戦の直後は、彼と距離を置く事に決めていた
嫌いで嫌いで堪らない戦後を見た後で会えば、きっと甘えてしまう
三成に背中を押して欲しいと願ってしまうと確信していたからだ
「すまない、忠勝
…
戻る前に少しこの奥の川で手を綺麗にして来るよ」
「
……………
!!」
「あぁ、勿論すぐ戻る!もし誰か訪ねてきたら伝えておいてくれ」
戦が終わった直後と言う事もあってか、心配そうにしている忠勝の腕を安心させるように笑顔で叩くと、家康は大きめの布や包帯と薬を持って早々にその場を後にした
拳から出てくる血が辛いが、それ以上に纏っている血を見るのが辛い
何より皆が、手当てをしていない拳を見れば心配してしまう
忠勝にはいつも迷惑をかけて悪いと思っているが、放置する訳にはいかない
そして何より震える心を落ち着かせておかねば、三成と顔を合わせられそうになかった
程なくして、すぐに川につく
ただ川と言っても湧き水が近いのか、小川と言っても小さい位のもので家康にとっては都合が良い大きさであった
「っ!
…
はぁ、この前の戦の傷が開いてしまったか、道理で出血が多い筈だ
…
んー薬は足りるだろうか」
血や土埃を洗い流すと、パックリと割れている傷が姿を表す
仕方がないので薬を塗りつけ、布を切って抑え大量に血が出ないように少しキツめに縛る
自然と下を見る形となると、普通では気付かない下の方にある淡い黄色に目が止まった
「これは
……………
ホオズキか!ふむ、少し持って帰っておこう」
見覚えのある花を見て、暫し考えた後、ホオズキだと分かると
今、解熱の為に飲んでいる薬の残りを思い出しながらホオズキを抜く
ホオズキの全草は全草を干して煎じて飲むと咳や痰、解熱、冷え性などに効果がある
根など堕胎剤に使われる事もある為に併用を気をつけねばいけないが、家康は男であるし以前にも他と混ぜて使った事がある為に気にする必要はない
そう思ってホオズキを抜いていたのだが、声をかけられた
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