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豆炭々炬燵
7249文字
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ダークギャザリング
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【あしゅやよ】一足お先に
VTネタであしゅやよのお話。当日前の準備話ともいう。
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出来上がったザッハトルテとトリュフチョコレートを各々箱に詰めた。艶めいたチョコレートを見るのはもう渡した相手のみ。最後の最後で悲しい事にならないよう慎重に箱に詰め冷蔵庫に入れた。
存在感溢れるザッハトルテが入れられた箱の上段。友人たちに渡すカラフルで可愛らしい小箱たちに紛れシックな色味を放つ小箱を一層大事に冷蔵庫の腹の中へ夜宵が入れる。
詠子と夜宵が一緒に冷蔵庫の中に収められた状態を確認してからそっと扉を閉めるなり、キラリと目が輝いた。
「今からチョコレートフォンデュパーティを開催します!」
「ふーっ! 待ってたぜ!」
「ふーぅ?」
「皆々様ご覧ください! バナナ、イチゴ、マシュマロ、他にもチョコレートと一緒に食べたらおいしいのを各種ご用意いたしましたっ!!」
「早速全部持ってリビングにゴーゴー!!」
黒阿修羅が戸惑うほどテンションが高い詠子と夜宵。それでも、二人に促されよく分からない準備をしていた黒阿修羅の昏く黒い夜の川のような瞳が何をするのか理解した瞬間興奮に彩られた。
長い鉄製の串に一口サイズにカットされたバナナ刺して、とろりとしたチョコレートが並々入った鍋の中に突っ込んだ。忽ちチョコレートを纏うバナナをチョコレートが垂れぬよう頬張った。ねっとりしたバナナの柔らかな甘み、なめらかで深みのあるチョコのほろ苦い甘さが口の中いっぱいに広がる。
美味しい一口サイズはあっという間に消え、次は何を食べようかと胸を高鳴らせ選ぶ。イチゴにマシュマロ、プチシューやキウイと串に刺してチョコレートに潜らす手が止まらない。
口元に付いたチョコを夜宵に甲斐甲斐しく拭いてもらっている黒阿修羅の前にコトリと小皿が置かれた。
見上げれば詠子が得意顔で人差し指を口元に当て笑っている。
「甘い物ばっかだと飽きちゃうから味変」
長方形の白い皿の上にはクラッカーが規則正しく陳列して其々違う帽子を被っていた。
「甘いのとしょっぱいのを交互に食べる最強の布陣が完成してしまった」
黒阿修羅の口元を拭き終わった夜宵が早速自分用のクリームチーズとサーモンが乗せられたクラッカーをサクサク頬張り席に着く詠子に向かってサムズアップしていた。
真向いの席に座った詠子が卵とツナが乗せられたクラッカーを小気味よい音を立て齧るのを見て、黒阿修羅の手が生ハムとカマンベールチーズが乗せられたクラッカーを掴み半分近くまで食べた。
思っていた以上に甘ったるくなっていた口の中が一瞬でリセットされる塩味に残り半分を一気に食べ咀嚼する。
そして、再び美味しさが増した甘味に舌鼓する姿を間近で見遣る重瞳は優しく眇められ、その二人を眺めている詠子の瞳もまた眩しいものを見るように細められていたのだった。
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