紺色歯車
2024-04-19 12:35:33
2796文字
Public
 

ロボットの感情発展に係る特殊事例報告書

――教授が「幾つか抜粋した上でざっくり要約したのを配るから、これ読んでどれでもええから一件以上に触れてレポート書いて提出してや」って言って渡してきたやつ。
触れた上で何について論じればいいとか一切教えてくれなかったから正直今詰んでいる。
……くそっ、単位取るのにテストじゃなくてレポートでいいからって安直にコマ取るんじゃなかった。

――・――・――

※っぽいの
今後増えていく(はず)



・事例2

【事案】
 レーサー機体によるサーキット音響設備への無断アクセス並びに使用

【該当機体】
・機種名:ラーレン(MeLerueque)
・機体識別用登録個体名称:ラーレン
・登録所有者:MeLerueque Racing

【発覚した経緯】
 該当機体がレース終了後、観衆の面前でプロポーズ行為を行ったことにより発覚

【概要】
 本事案は、レース終了後のインタビュータイムに於いて、メイレルーク・レーシング(以下:メイレルーク)のラーレンが会場内の音響回線をジャックし、ロカ(Ceyvolly)へ対し長々と口説き文句を述べて己と付き合うことを求めたもので、一部ファンの間では「公衆面前大告白」として広く周知されている事案でもある。
 本機体(以下:ラーレン)は、レース終了後、ガレージへ戻る際メイレルーク陣営へ戻らずセイボリー陣営へ直行し、そこにいたロカを捕まえると音響設備のマイク回線をジャックし大音量でプロポーズを行なった。
 メイレルーク陣営のスタッフは総じてこれを予見できておらず、また事前に知っていた者もいなかった(これは当時の映像からも確認することが可能で、彼らは揃って慌てた様子でガレージを飛び出して来ている)。
 
【対応】
 ロカがラーレンへ働きかけたことで沈黙する。
 なお同時刻、ちょうどコル(Ceyvolly)のインタビュー中であり、これを中断されたことでセイボリー陣営から抗議が行われた。レーシング規定に則り、ラーレンには罰則が与えられることで収束。
 またこの事案の後、サーキット場の音響回線は改修を行い、無許可回線アクセスの禁止が新たな規定として付け加えられた。
 他、件の機体両名は晴れてカップルとなっている。

【備考】
 後の調べでは、ラーレンは人間で言う所の「一世一代」の覚悟でプロポーズへ望んでいたと供述している。
 即ち彼は極度の緊張状態へあり、このために平素では先ず生じさせないような失敗を発生させたものだと思われる(例えば人間の場合、言葉に詰まったり声が裏返ったりしてしまうといった事態が生じることがあるが、これらと同じ現象が起こったと推定される)。