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豆炭々炬燵
6003文字
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ちいかわ
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【ハチちい・あのちい・セイちい】はやくこっち側にきなよ
心も身体もでかつよトリオに愛されるお話。でかつよハチワレ・あの子・セイレーン×ちいかわ。ねつ造ご都合主義満載。ケモ×ケモ。何でも読める方向け。何でも美味しく食べれる方向け。
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4
対岸まで泳ぎ渡るには広すぎる大きな川。くるりと反転して背中に川を背負い大きな澱んだ目が大きなグルグルとした目と合う。如何にか左右から逃げようにも大きなちぐはぐの子の方が上手で、小さな頃の面影を残す大きな子は逃げれずにいた。
「なにか、なにか別の
……
ッ」
むふーっと嬉しそうに頬をピンク色に染めた大きなちぐはぐの子が一歩また一歩と近付いていると、突如小さな頃の面影を残す大きな子の背中から豪快な水が弾ける音が響き渡る。
向かい合っていた二匹の視線が忽ち川の方へ注がれる。
「やっと見つけた」
眩い太陽光を全身に受け煌めく赤い鱗を纏う大きな子がキラキラ光る水飛沫を引き連れ現れた。
器用に着地する赤い鱗を纏う大きな子が小さな頃の面影を残す大きな子の逃げ道をひとつ塞いだ。咄嗟に手の中にいる小さな白い子を庇うように身を捩った。
「あれ? においを辿って来たけどちょっと変わった?」
困り眉をそのままに赤い鱗を纏う大きな子がジロジロと小さな頃の面影を残す大きな子の姿を頭の天辺から尻尾の先まで観察する。輝きを失った大きな澱んだ目、小さな物音も拾いそうな大きな耳、容易く切り刻めそうな鋭い爪、ふさふさの長い尻尾。
「ふーん?」
俄かに赤い鱗を纏う大きな子の大きな目が赤く光る。
大事そうに抱えている腕の中。前とは変わらない姿を持つ小さな白い子の存在に気付くなり、空気を震わせる不思議な歌声が周囲に響き渡った。
ビリビリする気配に大きなちぐはぐの子が身を低く屈めるも、不思議な歌声で歌う赤い鱗を纏う大きな子に敵意が無いと知るや警戒心を解いた。
ただし、それが分かったのは大きなちぐはぐの子だけで小さな頃の面影を残す大きな子には分からなかった。
しゅるり。周囲の木々から伸びてくる蔓たちが動けない程度の力で小さな頃の面影を残す大きな子に巻き付き、その大事そうに抱えていた両腕を無慈悲に開かせていった。ぐったりとしている小さな白い子は重力に従い落ちるのを小さな頃の面影を残す大きな子が叫ぶ。
「やめてッ、やめてッ」
「もー。壊したくないなら力加減考えないとダメだよ」
小さな白い子が地面に衝突する前に赤い鱗を纏う大きな子のなめらかで大きな前鰭が受け止める。
どのように力を込めれば呆気なく壊れてしまうのを理解している動きに大きなちぐはぐの子がうんうんと頷いた。
「ね?」
目に弧を描き殊更優しく赤い鱗を纏う大きな子が赤い鱗がびっしりと生えている下半身で小さな白い子を巻くように抱き寄せた。
いつ時かの間違えて襲い身体を温めた時と同じような仕草に小さな頃の面影を残す大きな子が息を飲む。
「
……
ン
………
」
息苦しさが無くなったからか、小さな白い子の閉じていた瞼が開き身じろいだ。
焦点が定まらない視界の中で「気が付いた?」の言葉に意識と視線を向けた瞬間、また以前と同じように小さな白い子は驚きと恐怖心から声を上げた。
「久しぶりー。姿が変わってなかったからすぐ分かったよ」
我武者羅に身体を動かして逃げようとする小さな白い子をとかく気にせず逃がさない赤い鱗を纏う大きな子の顔は朗らかなまま。
怯え震える小さな身体にクスクス笑っていれば、大きなちぐはぐの子が仲間に入れてと近付いてきた。
「はい、どーぞ。あ、力の使い方じょうずじょうず」
まるでお気に入りの玩具を渡すが如く赤い鱗を纏う大きな子が大きなちぐはぐの子に小さな白い子を渡す。逃げる事も儘ならない小さな白い子は大きなちぐはぐの子の大きな手の中に収まるなりその身を強張らせた。
どっかりと腰を下ろし両手で包み込んだ小さな白い子。決して潰さぬようそっと包んだ手の中にいる小さな命を大きなちぐはぐの子の大きなグルグルとした目が幸せそうに見下ろし、大きさが違い過ぎる頬と頬を擦り合わせ、目から零れ落ちてしまっている涙をぺろぺろと舐めあげる。
「ヤ、ヤーッ」
大きなちぐはぐの子にとっては痛くも痒くもない愛らしい小さな白い子の抵抗。一生懸命に小さな手で顔を押し退けようとする仕草でさえ大きなちぐはぐの子の顔を笑顔にさせる。
ついでに小さすぎる口をちゅっちゅとキスをする度、上機嫌に鱗の生えた尻尾が地面の上を掃いていった。
「いいなぁ。それやりたいやりたい」
隣でその光景を物欲しそうに見ていた赤い鱗を纏う大きな子が大きなちぐはぐの子にねだり小さな白い子を受け取る。物の貸し借りに物が抱く感情なぞ含まれない。嫌がる小さな白い子を余所に赤い鱗を纏う大きな子の特徴的な口が叫び続けている小さな口を塞ぐ。
押し付けては離れ、離れては押し付けるをくり返している内に小さな白い子の抵抗が弱まっていった。
「もうおしまい? でも、こっちの方がしやすいからいいや」
すっかり抵抗しなくなった小さな白い子を覆い隠すかたちで赤い鱗を纏う大きな子と大きなちぐはぐの子が覗き込み一方的な好意を押し付ける。圧倒的力の差を持って愛でていれば、赤い鱗を纏う大きな子の瞳がまた赤く光る。
「まざりたい?」
ずっと蔓に身体の自由を奪われ、小さな白い子が弄ばれている様を眺める事しか出来なかった小さな頃の面影を残す大きな子の大きな澱んだ目が揺れ動いていた。
鋭い爪を持つ手は終始何かを掴みたいのかやわく丸まり、長い尻尾は怪しく揺らめいて、大きくなってしまった口からは熱が籠った吐息が漏れ続けている。
「力加減を覚えるいいチャンス。だめだったら止めてあげる」
赤い鱗を纏う大きな子の不思議な歌声が響き渡り、小さな頃の面影を残す大きな子の身体を拘束していた蔓が緩んだ。力なくだらりと垂れた手を引き摺り、小さな頃の面影を残す大きな子が小さな白い子のもとへ歩み寄る。
慣れた手付きで大きなちぐはぐの子がそっと小さな白い子の身体を手の中に収め、緩々と両掌を揃え差し出す小さな頃の面影を残す大きな子に手渡した。
潰さないよう細心の注意を払い、掌の上でぐったりしている小さな白い子を顔に近付け、スリッと頬ずりをした。短い白い体毛の感触を味わいつつ、加減して何度もスリ、スリと頬を擦り付け──、鋭い牙が生え揃っている大きな口を小さく開けた。控えめに出した舌先で小さな白い子の顔を飽きることなく舐め、微かに息をしている小さな口を一瞬躊躇うも塞いだ。
「あっ、どうしよう
……
止まんない
……
」
小さな頃の面影を残す大きな子がやおら腰を下ろし、自分以外の弱者を容易くねじ伏せる力を持つ者達の輪の中に入った。
「胸の奥、ずっとドキドキする
…
なにコレ
……
?」
「ふふっ、いい感じ」
困惑する小さな頃の面影を残す大きな子に赤い鱗を纏う大きな子が楽し気に微笑み、大きなちぐはぐの子もまたにっこり頬をピンク色に染め──、大きなグルグルとした目を眇める。
「お楽しみはこれから」
そして、同調するかのように赤い鱗を纏う大きな子の目もまた赤く光り、小さな頃の面影を残す大きな子の澱んだ目には熱が孕み始めたのだった。
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