無窓居室
2023-11-09 20:43:57
6317文字
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タイッツーSS集

タイッツーに流したSSのまとめです。
内容は雑多で全年齢。時間があれば増やしていきたいです。



挿話

(ブラック単体・未完)

 ブラックとてこれまでに心を寄せた相手が一人もいなかったわけではない。元が天使の性質を待つ彼は、堕天した後もしばらく契約の外にある真摯な想いには相応に応えようとした。
 しかし結果はいつも荒涼たるものだった。ブラックに執着して破滅した男もあった。恋着して癲狂に至った女もあった。ブラックが相手を狂わせるのではない。悪魔に一線を越えて惹かれる者はみな最初からどこか狂っているのだ。歪みを抱えた者達だけがブラックを特定の意味で愛した。
 自分を愛した者達の末路からブラックは地上の愛を学習した。天上の愛はまやかしだと遠い昔に知っていた。ブラックにとって愛とはもはや、いかにも甘い匂いを放ちながら既に腐り落ちている果実のようなもので、〝利益〟が〝快楽〟という名の虫をおびき寄せるための餌くらいにしか使い道のないものだった。それは一周回って、有象無象の低級悪魔達とよく似たものの見方だったかもしれない。


 2023/12/15