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吾妻
2024-01-23 15:28:53
14522文字
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GOD EATER
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Two of a Kind
■弊アナグラのGE無印~GERまでの間にあった出来事のまとめです。
第一部隊配属後、リンドウやサクヤとの研修期間中の幻覚。
いつもの弊第一部隊、弊リーダー♀ですが、ほぼ絡みはありません。
本編で書かれていないことを都合よく補完しているのでご注意ください。
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4
2.
「いくら小型だからって、バクッとされちゃったら一瞬で終わりなんだからね?」
わかった? と先輩に念を押され、新入りは素直に「ごめんなさい」と詫びた。
だが、しょんぼり肩を落としている割には、さほど意気消沈しているようにも見えない。つい数分前に、生命の危機に瀕したにも関わらず、だ。
その落ち着きを見て、リンドウは内心で首を捻った。
違和感がある。
彼女と初めて実戦を共にしたときから、ずっと。
ささやかな、それでいて拭い切れない違和感がついて回っている。
月城ルイは、期待以上の新人だった。
待望の“新型”としてだけでなく、そもそも神機使いとして高い
素養
ポテンシャル
を有していた。
極東支部で長らくトップを張ってきたリンドウすら上回る偏食因子への適合率を叩き出し、戦闘技術の飲み込みも早い。
更に、一癖も二癖もある神機使いたちの中では比較的人当たりも良いと来ている。
明るく、素直で、聞き分けもよく、何よりタフ。
万年人材不足であり、適性のある者を半ば強制的に登用せざるを得ないフェンリルにとっては、この上ないアタリを引いたと言えるだろう。
(それにしたって、ちっとばかし
出来過ぎ
・・・・
じゃないか?)
ルイが優良株なのは認める。
適合率に裏打ちされた身体能力の高さも、戦闘のセンスもずば抜けている。
だからこそ、おかしいのだ。
いくらなんでも
安定感がありすぎる
・・・・・・・・・
。
彼女はまだ、『研修期間中』だ。
伝え聞いた経歴によれば、腕輪を嵌める以前に戦闘訓練を受けた経験はゼロ。
神機を用いた基礎訓練を支部内の訓練所で受けた程度。
それで、これだけ立ち回れるのは異常だ。
第一部隊の隊長として、数多の新人の実地訓練を請け負ってきたからこそ、その異質さが際立って見える。
神機使いは死と隣り合わせの仕事だ。
フェンリルの庇護下に生きる限り、適性を見出されれば適合試験を拒否できない。一度腕輪を嵌めてしまえば、死地に赴くより他に道はない。
そして、たくさんの死に直面する。
大人の、子供の、さっきまで笑い合っていたはずの仲間の。
神機を握ったばかりの新人は、自分が放り込まれた戦場の過酷さにぶち当たると、混乱する。
訓練時にどれだけ優秀だったとしても、同じような動きはまずできない。
自分を“餌”として認識し、容赦なく襲いかかってくる異形のバケモノを前にすれば、望まずに武器を握らされた者も、アラガミへの憎悪に燃えている者も、等しく恐怖し、動揺するのだ。その様を、リンドウは数え切れないほど見てきた。
戦い続ければ、いずれは慣れる。食い千切るうちに、麻痺していく。
やがて、戦いに自分なりの大義名分が用意できれば御の字だ。
だが、こいつには
――
初めから、新人らしい怯えがない。
品行方正な立ち居振る舞いも、ときに芝居がかって見えもする。
繊細なガラス細工が、危うい土台の上に乗っているかのような、うすら寒い違和感。
(思い過ごしで済めばいいんだが
……
)
生憎と、勘は良いほうなのだ。そして嫌な予感ほど、よく当たる。
「でも、ザイゴートがいるってことは、近くに中型以上のアラガミがいる可能性が高そうね」
自身のほうへ向き直ったサクヤの言葉に、リンドウは現実に引き戻された。
「あ?
……
ああ、そうだな」
ザイゴートの厄介さは、索敵能力に長け、群れで行動する習性に加え、他の中型もしくは大型のアラガミに随伴することが多い点にある。
いわゆる斥候のような動きをし、獲物を見つければ周囲のアラガミを呼び寄せる。
だからこそ、適切に処理しなければならないのだ。おそらく近くに、ザイゴートが付き従ってきた親玉がいるに違いない。
「
……
」
一瞬、サクヤの瞳がすうと細められた。
作戦中だというのに、上の空で思案に耽っていたのを見抜かれている。気まずさを覚えて視線を逃がすと、サクヤはそれ以上追及してこなかった。
わざわざ言葉にして確認したことはないが、おそらくサクヤも同じ違和感を抱いているはずだ。これまで数多の神機使いを見てきたのだ。何かがおかしいのはすぐわかる。
憎悪に我を忘れているわけでも、絶望で感情が麻痺しているわけでもなく、まるで普通の人間のように振る舞う。
それが今、どれほど難しいことなのか。改めて口にするまでもないだろう。
「とりあえず、慎重に索敵だ。お仲間を呼ばれないように、ザイゴートを見つけたら素早く各個撃破するように。このあたりに大型の反応はなかったはずだから、乱入してくるにしても中型程度だとは思うんだが
……
」
余計なことを考えるのはやめて、任務に集中することにした。
どれほど有能だろうが、相手はまだ新人で、今の自分はその命を預かっている身だ。
僅かな油断が死につながる。
部隊員を無事にアナグラへ帰すことこそが、隊長に課せられた使命なのだから。
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