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いまち
2021-10-25 01:15:45
19760文字
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きっとあなたににあうから/だけどあなたはいないから/こいにこがれたことりののろい
前後編二話+蛇足。己の解釈違いとの殴り合い。♣🐣なれそめって初めて食べたのがリリア飯で異世界ご飯に絶望した🐣にお菓子をあげてどうのこうのだったっけかなー。
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彼女への未練を眠らせる前、以前にもらったプレゼントボックスが目について、つい取り出してしまった。出し惜しんで結局使うことのなかったネクタイピン。こんな時くらい取り出して感傷に浸ってもいいかもしれない。
取り出した箱の中にはもらった時のまま、金色のピンと、かわいらしい折り花が収まっている。リリアの話ではこれをもらった頃には帰る方法を見つけていたことになる。一体彼女はどんな思いでこれを用意したんだろう。本当に、帰るなんて話を聞くこともなければ、それらしい様子も見せていなかった。
もし気付けていたら今のこの状態も違っていたんだろうか
――
今更意味のないたらればを考えながらピンに据えられた魔法石を撫でていると、折り花に小さな沁みが付いていることに気が付いた。こんな沁み、あっただろうか? 不審に思って折り花を取り出すとまた一つ、沁みが浮き出てきた。ぽつりぽつりと浮き出してくるそれは何なのだろう? よく見ると文字のようだ。
(まさか)
一瞬ためらい、その折り花を開く。丁寧に折られたその形を崩すのは忍びないけれど、それ以上にその中が気になる。きっと元には戻せないだろうに、なんてことをするんだと頭の隅で思いながら開ききる。それは彼女からの手紙だった。
恐る恐る深緑色のインクで書かれたかわいらしい文字を辿る。インクに色変え魔法をかけて彼女が元の世界に帰ったら解けるように仕掛けをしていたらしい。どうりで気付かなかったわけだ。そこに綴られていたのは俺への感謝と、元の世界へ帰る決意と、彼女の胸の中に抱いていた思いだった。
『トレイさんのことはずっと好きでした』
他と比べて少し小さく書かれたその一言をなぞる。済んだこと、過ぎたこと、取り返しのつかないこと、そんなことを目の当たりにして内から湧いて出るのはただの後悔。いくらたらればを考えたところで彼女はもう手の届かない異世界だ。
このやるせなさから逃げるのは簡単だ、一言、詠唱すればいい。手紙を置いて、ピンを取り上げる。クローバーを象った魔法石はスタンドの照明に照らされて、宝石のように輝いている。手のひらに収まる小さなそれを軽く握り、呟いた。
「
好きだったよ
」
こいにこがれたことりののろい
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