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豆炭々炬燵
8588文字
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アンデッドアンラック
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【フィル風】カルガモ
【アンデッドアンラック】でフィル=ホーキンス×出雲風子
ループ後の世界で組織内の名物化する風子さんとフィルくんなお話。
※これ書いている人1~18巻読破並びにwj44以降読み始めた為19巻~wj43の間がすっぽり抜けているので設定とか諸々何か違くね?という点からそっと目を逸らして頂けると大変ありがたいです。
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お母さんが待っている部屋までの帰り道。この道順ならあと十分くらいで辿り着く距離。
宇宙空間とは違う重力がある地球での生活は未だに目新しい事が多くて、その分学ぶ事も比例して多い。お姉ちゃんが歩く度に微かに上下して揺れる体。不安定ではない態勢から来る安心感を手放したくないけれど、試してみたい思考がボクの手を動かす。
「どうしたの?」
お姉ちゃんの肩を軽く二度叩いてから廊下を指差した。すると、察してくれたお姉ちゃんがゆっくり下ろしてくれたので、ボクはお姉ちゃんに向かって両腕を伸ばした。
此方の意図が分からず首を傾げるお姉ちゃんにボクは素早くお姉ちゃんの足元を払う。短い疑問の声を零しつつ態勢を崩すお姉ちゃんの背中と膝裏に手を差し込み抱き留めた。数回瞬きしてボクを見詰めるお姉ちゃんを無言で見つめ返す。布越しだが手のひらから腕から伝わる感触と体温が数値となって脳内に記録される。一度お姉ちゃんの体を少しだけ持ち上げ、重さによる動作確認をした。特に問題ない。ボクでも難なくお姉ちゃんを抱き抱えられたのを再度確認して持ち直し歩き出す。これで、もしもお姉ちゃんが負傷した場合、ボクが抱き抱え撤退出来る裏付けが取れた。
「フィル、くん
…
?」
お姉ちゃんの体温が緩やかに上昇し、首元から顔全体の血行が促進されていくのを目視で数値化する。胸に置かれた両手をもじもじさせて困ったような笑みを浮かべたお姉ちゃんが小さな声でボクに言う。
「私、自分の足で歩けるから、大丈夫だから」
下ろして。最後は笑いながら語り掛けるお姉ちゃんにボクは首を横に振った。
あからさまに慌て始めるお姉ちゃんから視線を前に戻して歩くのを再開する。心配しないで帰るルートはお姉ちゃんが進もうとしたものから外れないから。ボクが一向に下ろさないのを半ば諦めたらしいお姉ちゃんが向けてくれる眼差しに優しさの色が濃くなる。
「重くない?平気?」
その問いかけにボクは頷いて返した。
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