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豆炭々炬燵
5570文字
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【新ペニビル】デリーの町に冬がやってきた【旧ペニビル】
新作版、旧作版それぞれのデリーの町に冬がやってきた
ついでに道化師が兄弟のところにやってきた
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まだまだ遊び足りないジョージが戻ってくる気配など毛頭ない。
ヒリヒリ痛む箇所から齎される熱が寒い場所に居続けて麻痺してきた感覚と混じり合いビルの体はポカポカしていた。
「(全然寒くない)」
ふと、腕を通した覚えが全くないのにペニーワイズのベストをちゃんと着ている事実にビルがぎょっと目を瞠った。
「い、いつの間に!?」
「中々似合ってるぞビル、俺の次にな」
「な、なら返してや、やるよ!」
「折角だ。今日はこのまま着てるといい。なに遠慮なんかしなくていい」
押しつけがましい態度のペニーワイズそっちのけでビルの手がベストに伸びる。瞬間、皮膚が爛れる痛みを思い出し一瞬躊躇うも覚悟を決めベストを掴んだ。たしかにがっちり掴んだが、痛みも熱も感じない。
「それは特別製なんだビル」
「特別製
……
」
単純に直接肌に触れていないから爛れない。
ビルの頭にポンっと浮かんだ方程式。触るのも短時間なら大丈夫というおまけ付き。手編みのマフラーやミトン、ニット帽とは違うなめらかで触り心地の良い布地は火傷すると分かっていても触りたくなる。
恐る恐るベストの表面を撫でていたビルの指先は時間経過と共に感嘆の声に合わせ表面を滑っていく。
「その辺の上着より断然温かいだろ」
満更でもないビルがペニーワイズを見遣ったあと静かに頷いた。そこはかとなく恥じらう気配が金色の瞳を眇め真紅の口紅を差した口角があがる。
「(さてはて。君の平穏は何時まで続くのかな)」
抱き締めるとは程遠い。蠢き蠕動する肉壁に包まれているの方が近い。ただそこに消化の過程が含まれていないだけ。ベストであってベストに非ず。鮮烈で濃厚、恍惚塗れトリックのタネをペニーワイズはビルに教えない。無知な指先がベストを撫でる度、湧き立つ嘲笑を卑しい道化師は楽しげに噛み砕いた。
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