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不破
2023-11-12 00:44:59
5624文字
Public
空戦
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#15
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『メッカはサイードに返還するわ。こちらに助力するように条件をつけてね』
表示された映像の中でハーティアが告げた。
「まったく、政治は嫌になるな」
言いながら、ラザフォードは金色の髪をぐしゃぐしゃとやる。
サイードにとってメッカは聖地と呼ばれる都市だ。他の都市とは意味合いが異なる。大都市であるということを除いても、重要とされる意味合いが異なる。メルゼブルクに対する駐屯都市の1つとして活用することも視野に入れていたのだが、取り返したというだけでは不服らしい。
『戦争に政治はつきものよ。仕方ないわ』
「ああ、理解はしているさ。それより、メルゼブルクの動きはどうなってる?」
うんざりしたように肩を落としながらもハーティアの言葉に返し、続けて問う。
『メッカから撤退した隊はケーニヒスベルクに帰投したようね。メルゼブルク内部は未だ軍の再編を継続中ね。国際データベースに登録されてる軍編成図が数日置きに更新されてるわ』
「
……
明確に攻勢に出てこないのは再編が終わっていないからか」
となればこれは好機と言えるだろう。メルゼブルク軍の再編が終わり、指揮系統が整う前に帝都に雪崩込むことができれば、勢いのまま壊滅に追い込めるかも知れない。
『ケーニヒスベルクへの攻撃の準備は進めていてよ。貴方はメッカへ戻るサイード軍と合流して行軍を開始して、まずはブカレストを押さえて頂戴』
ブカレスト。メルゼブルクの都市で、中東のサイードから攻め込めば必然的にぶつかる防衛の要所だ。メルゼブルクの中東に対する最前線防衛都市であるが、先のサイードとの開戦時には宣戦布告前の侵入であったためにサイードの第3強襲連隊に対しては要所としての役割を果たすことが出来なかったようだが、戦時下となってしまった今では守りを固めてくるだろう。それなりの戦力で当たらなければ。
「わかった。相手がまごついている間に攻め込んでやる」
『短期決戦になるわ、お願いね』
ハーティアの言葉に「ああ」と返し、ラザフォードは通信を切った。
ハーティア達ウィンズレットの本隊がケーニヒスベルクに攻め込むタイミングで、自分達もケーニヒスベルクに到着し、一気に攻め落とす。このシナリオを実現するには、出来る限り被害を少なくブカレストを攻略する必要がある。サイードの兵士達と協力して当たらなければならないが、彼等の宗教観は自分達とは大きく異なっている。おそらく真っ当な協力関係を築くことは出来ない。物量で押し潰す戦闘。芸が無いが、これに持ち込むのがもっとも戦力を活かせるだろう。
「まったく
……
」
本当に、嫌になる。
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