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普賢のまわりの人たち
台風一過
嵐の夜に迷子になった天化くんと、心配するコーチ。一緒に探す太乙さんと普賢さんの話。
「天化、来ていないか」
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「だって雷が鳴ったから」
報せを聞いて駆けつけた道徳に、天化はきょとんと澄んだ目を向けてそう言った。
「低い木を探して隠れたんだ。雷のときは高い木のそばには行っちゃだめって聞いてたから」
「うん。それで?」
普賢が笑顔で先を促すと、
「でも、コーチが先に行っちゃって、追いかけたけど追いつけなくて、雨も降ってきたから雨宿りしようと思って、んで、それに」
と楕円形の宝貝を指さす。
「入った」
中から開けられなかったから焦ったけれど、外はものすごく雨が強くなっているみたいだったし、宝貝の中はなんだかとても快適だった。なんといっても冷暖房完備、ふかふかのソファ付きだ。
「なるほど。それで待ってる間に眠っちゃったんだね」
笑いをこらえながら普賢が頭を撫でると、天化は満足そうに頷いて道徳を見上げた。
「勝手にどこか行っちゃだめだってコーチが言ったから、言いつけを守ったさ!」
道徳はしばらく黙り込んでいた。何を、どこから、どのように言えばいいか、逡巡しているらしい。
「あの嵐を乗りきれたのは、絶対私のおかげだよね!」
「
……
うーん、ステルス性能が高すぎるのも困ったものだよ。あれがなければもっと早く僕が見つけていたはず」
「それを言うなら、きみがこういう時は上に行くはず、なんていうのもてんで的はずれだったよね。結局あそこからほとんど動いてなかったじゃないか」
「だって望ちゃんといるときはいつも上に行って助かったから」
「ああ、ほら!そうやって都合が悪いときは太公望のせいにする!この子がきみたちより機転が利く子だったから、」
「もういい、二人ともうるさい」
ぼそりと言って、道徳は天化の目の位置までしゃがみ込む。叱ればいいのか喜べばいいのか、悩んだあげく、
「
……
まあ、無事でよかった」
結局それだけ言って深く息を吐いた。ため息と一緒に肩の荷を一気に下ろしたのが伝わった。要するにそれがすべてなのだ。
あまり事情が読み込めていないらしい天化の、髪をくしゃりと撫でて、
「いいかい、天化。これからは知らない宝貝には入ってはいけない、も約束だ」
「うん!」
澄んだ青空に元気のいい返事が響いて、晴れの日の風が運んでいった。
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