ろく
2026-07-24 11:45:21
1880文字
Public 極光の流星・外伝
 

おしのびデート


おしのびデート


※リクエストより


「アムロ君、予定がなければ明日はおしのびデートをしよう。」

 シャアにとって貴重な休日の前日。突然言われてアムロは目を瞬かせた。
 デートってなんだよ、ナナイ大尉と行けばいいだろ、と以前のアムロなら言っていた。だがどうもそういうことではないらしい、とやっと自覚した。

「わかった。お出かけに付き合えばいいんだな?」

 うむ。と蕩けるように喜ぶシャアを見て、要は護衛すればいいんだな、とアムロは考えているあたり、まだ微妙なすれ違いはある。

 さて当日、同席の朝食が終わってみれば、シャアはアムロの部屋に荷物を持ち込んできた。「これに着替えたまえ」と。
 私服をあまり持ちたがらないアムロのために、見栄えを気にしたんだろうな、ぐらいにしか思わず、素直に袖を通していくのを、シャアは微笑んでいる。何がそんなに嬉しいのか。

「こんなカジュアルでいいのか?」
「デートだからね、とても似合っている。正装ではないから洒落たレストランは無理だが、それなりにエスコートしよう。」

 言いながらシャアはアムロの癖毛に指を入れ、サイドを抑えめにワックスを入れた。仕上げに、首の後ろにシャアと同じ香水を控えめにスプレーする。おそらく本人は気が付いていない。シャアの独占欲だ。

「どうかな?」

 満足そうに鏡を見せてくるシャアに、自分の姿を見たアムロは、いつもは野放図な癖毛が垢ぬけたのを「へえ?別人に見える」と驚いた。童顔が少しは年相応に見えるかもしれない。

「護衛だとこれぐらいのほうが目立たないかもな。」
「護衛ではない。デートだ、アムロ君。」
「ああそう、デート……
「さあ、行こうか。」

 すい、と手を取られ、その甲に接吻されて。おや?と思う。これって、本当にデートのつもりなのか、と。
 公邸前につけられた車は公用車のリムジンではなく、二人乗りのエレカ。そのハンドルを握ったシャアは機嫌よくエレカをは発進させる。

「まずはドライブだ。我らがスイートウォーターを案内しよう。」
「よろしい、案内頼むよ。あとは旨いものを食わせてくれれば、無料の護衛してやるよ。」


※アリト様、お誕生日おめでとうございました。肝心のデート部分に至らず、申し訳ございません