ミリメートル
2026-05-27 23:25:12
1987文字
Public スケ荼
 

スケ荼SS🌡️

スケプティックさん視点のスケ荼の読み物です。「お、お大事に⋯⋯」みたいな話。


 目が覚めたとき、汗ばんだ身体から熱が引いていくのを「寒い」と感じた。布団の中に居る。喉が乾いているので、手が届く位置にあるペットボトルを開けた。スポーツドリンクが喉を痛めつけながら流れ込む。
 こっ酷い風邪を引いて、悪夢を見た。枕元に立たれたと言うべきか。会いに来るなんて殊勝な男だったとは思えないし、それならおれが健気な男だったのかもしれない。ロマンチストなところがあるヤツだったから、一緒に過ごした僅かな歳月の中で、あてられてしまったんだ。このおれが、夢にまで見るなんて。
 濡れタオルを作るついでに歯を磨きたくて、洗面台の前に立つ。鏡に写ったおれの顔は確かに草臥れているし、ペットなんて聞いたばかりだからか、老犬みたいだと思った。次に夢で会ったとき「彼氏」として紹介してもらえるよう無精髭を剃る。やはり健気で、好きで、一人で笑った。



当方の制作物が当方の手を離れて出回ることがないよう複製や模倣は禁止とさせていただきます。