ミリメートル
2026-05-27 23:25:12
1987文字
Public スケ荼
 

スケ荼SS🌡️

スケプティックさん視点のスケ荼の読み物です。「お、お大事に⋯⋯」みたいな話。


 超常解放戦線が発足して、まだ日が経っていない頃の話だ。荼毘と連れ立って、反乱因子の処分に当たったことがある。新しい最高指導者を快く思わない連中は当時ごまんと居て、時には「既存の幹部も信用ならない」とかなんとか――とにかく。鬱陶しい害虫が巣を張る前に駆除しておく必要があったのだ。
 虫も巣も丸ごと焼き払うのが荼毘のお仕事だった。おれは虫どもの情報を探ったり、荼毘の移動をサポートしたり⋯⋯小間使いのような立ち位置だったことを、なんだか未だに不服に感じている。
 おれが運転してやっているのに、助手席の荼毘は助手の務めを果たそうとしない。おれに構わず寝るくらいならまだ可愛げがあった筈だが、やれ「もっと真っ直ぐな道を選べ」だ「車酔いする」だ。文句ばかりの男に腹が立ったおれは、悪趣味な冗談なんかでこいつを困らせてやりたくなった。
「休憩していくか」
「いいんじゃねぇの、あんたも疲れただろ」
「個性を奮った貴様ほどではないが」
 そんな応酬をしながら、塀に囲まれたお城に車を滑らせたのだった。おれのいたずらに気付いた荼毘は、きっと罵声を上げると思っていのに。困ったような顔で、シートベルトを外すかどうか手を迷わせる仕草が、痛快で胸が空いたならよかった。「可愛いところもある」なんてらしくなく、胸がきゅうと音を立ててしまったのだった。気が付いたら荼毘のシートベルトは外されていて、おれたちは三時間の休憩を過ごしていた。
 要約すると。おれは荼毘に手を出していたし、その後も何かと「懇ろな関係」と呼んで差し支えないことをしていた。

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