もち粉
2026-05-20 22:14:50
5280文字
Public
 

うわさの奥様


カブミス モブ視点
幼妻だと思われてるミスさん
※カブの結婚相手は公にはしていないため、外では「妻」と呼んでいます。(古株の人なら知っている)

「効果は抜群だ」の続き



「ただいまー」
カブルー様がひょっこり戻ってきたのは、奥様が引き上げたすぐ後だった。

……あれ、早かったんですね。惜しかったですね、さっきまで奥様が来ていらしたんですけど」
「えっ? 妻なら来週まで帰らないはずだけど? えっ?来たの?ここに? 何で!?」
「今朝ご帰宅されたと仰ってましたよ。カブルー様にお昼を持ってこられたんですが……すみません、夕方まで戻られないと思っていたので私たちで頂いてしまいました」
「なんで俺が会ってないのに、君たちが先に会うの!?」

……そんなこと言われてもな。

「私もお会いしたっすー! 奥様、めっちゃお綺麗っすね。年の差婚っすねー」
「ああうん、結構離れてる」
「ですよね、いくつ離れて……

「おいこら、口を慎め」
興奮していくらでも喋り続けそうな新人を止めて、おれは大切な報告を耳打ちした。
おれは優秀な部下なので、報連相は欠かさないのだ。

「奥様、貴方が浮気してないか心配で見に来ちゃったみたいですよ」

ハトが豆鉄砲食らったみたいな顔をした上司に、そっと新人を指差して教えてやる。無言で額を押さえて天井を向いたカブルー様は、目に見えてソワソワしていた。

「ええっと君たち、悪いんだけど……

おれは主任と新人と目を合わせて、にやりと笑った。

「あとはやっておきますよ」
「馬車の手配してくるっすー」

すっ飛んでいった新人を見送って主任が苦笑する。

「明日は、午後からの登城予定にしておきますね。おまえ、朝の打ち合わせカブルー様の代理で出てくれ」
「任せてくださいよ」

上司欠席の理由?
もちろん――我らの上司は愛妻家のため。だろ?




「ところで主任、奥様誰かに似てないですか?」
「ああ、あの人だろ。時々迷宮探索の報告に来ているエルフの……ミスルンさん」
「エルフ並みの美貌っすか、奥様。ますます推せるっす」