呪里
2026-05-19 18:46:00
3851文字
Public Code_Abyss 本編
 

episode:4 第二幕 〈亜人〉



 しんと静まりかえったAbyss本部

 ゼロは一人、自室で書類を何度も何度も読み返していた。

 「………ん」

 さすがに目が疲れてきたのか、書類から目を離し、思いっきり背伸びをしていると

 コンコン

 誰かがドアをノックする音がした。

 「……誰」

 「おぼろです。ボス、飛華あすか様と吠舞羅ほむら様がいらっしゃいました」

 朧が客人が来たと伝えにきた。

 「ん、わかった。中に入ってもらって?」

 「はい。……二方ふたかた、こちらへ」

 朧から手招きされて、飛華と吠舞羅が部屋に入ってきた。

 「ゼロ、今日は時間空けてくれてありがとう」

 「ん」

 飛華と一瞬目を合わせると、ゼロは立ち上がり二人の近くにあるソファーに向かった。

 「では、俺は失礼します。何かあればすぐにお呼びください」

 「分かった。ありがとね」

 朧が部屋から出ると、吠舞羅はソファーに勢いよく座り込んだ。

 「居ても良かったんじゃねぇの?あのタコ坊主」

 「そうねぇ。話す内容からしてみても、意見が多い方が良いと思うけど」

 二人から提案されたが、ゼロは首を横に振った。

 「……今回の件は朧がいない方が話しやすいよ」

 そう小さく呟くゼロ。

 「あと、タコ坊主じゃなくて朧。いい加減その呼び方やめて」

 「お、おぉ……。悪い悪い」

 ゼロからするどい目つきでキッとにらまれ、吠舞羅は一瞬ひるんだ。

 飛華は少し考え込むと、フッと苦笑いをした。

 「確かに、朧くんだとちょっとアレねぇ

 そう話す飛華の隣で、吠舞羅はゼロに視線を向け笑った。

 「あいつ、超がつくほど過保護だもんな」

 「でしょ?」

 ゼロはまとめた書類を二人に手渡しながら返事をする。

 「話したらきっと、『ボスが動くべきではありません!!』って言って全力で止められる

 眉を少し下げてゼロは少し笑う。

 「この件は私だけじゃなくて、吠舞羅やれん達も危ない橋を渡ってる事になるからね」

 「そうね。だってこの件は人間や異種族の枠を超えて………

































 「貴方達〈亜人あじん〉にも関係しているのだから」