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かべこ
2026-04-29 00:12:57
11920文字
Public
春が降りそそぐ
※いこさんお誕生日記念にかいたはなし
※付き合って10年以上経ってるいこみず
※いこみずワンライに投稿したお題「アクセサリー」が元の話になってますので、1Pめはその話です。本編は2Pから。
※ボーダー就職ifです。全体的に設定がしっかりしてません。大丈夫な方向けです。
※年齢も30代中盤ぐらいを想定してます
※捏造トリオン攻撃あります
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3
「ナスカレー!楽しみやんなぁ」
「ほんま好きですね。あのカレー屋」
「まだあって安心したわ。できれば俺が爺さんなっても営業しててほしい」
「その頃までやってたら結構な老舗の部類に入りますねぇ。店主の長寿か2代目に期待しましょか」
水上の元に帰ってきた時はちょうど俺の誕生日の1週間前だった。水上から、イコさん、来週誕生日ですけど覚えてます?と聞かれてそういえばと思い出したのだ。時間の感覚が全くなく、年単位で時差ボケをしている心持ちだった。
「遠征行ってる間に3回も誕生日スキップしてもうたわ」
「ですね。せっかくこっち帰ってきたんですから、行きたいところあります?」
「そうやなぁ
………
やっぱ、ナスカレー、やな」
「(
……
さっきカレー食うてたのになぁ)わかりました。じゃあ誕生日には休みとりますんで、行きましょうか」
「仕事は大丈夫か?」
「散々休め休め言われてるんで、問題ないでしょ。遠慮なく休ませてもらいますわ」
そうして、俺の誕生日にお気に入りのカレー屋へ出向くことになったのだった。
───
「天気いいから、公園とかも散歩したいなぁ。なんかめっちゃ太陽の光浴びたいわ。天日干し的な感じで
………
敏志?」
玄関で靴を履きながら背後にいるだろう水上に話しかけたのだが、いつの間にか姿がなかった。不思議に思ってもう一度呼んでみると洗面所の方から、はいはーいと間延びした返事が返ってきて水上がのっそりと姿を現した。
「ひとりで喋っててちょお恥ずかったわ」
「ちゃんと聞いてましたから大丈夫ですよ」
「なんや?忘れもんか?」
「そうですねぇ
……
」
靴を履き終え立ち上がると、スイっと俺の首の後ろに水上の手が回った。そして首に微かな重みがかかる。
「あ」
「忘れんといてくださいよ」
昨日の夜、外して洗面台に置きっぱなしだったのを忘れていた。水上の左手の薬指で光っている指輪と同じ指輪を通したネックレスだ。
「本体が傍におったからすっかり忘れとったわ」
「本体って俺のことですか?」
「おまえ以外に誰がおるんや」
「なんかもっといい言い方はないんですか。 ハイ、つけれましたよ」
水上の両手がそっと離れていく。その手を自らの両手で掴み、じっと水上の顔を見つめた。
「?」
「そういえばな、遠征中に忘れもんしてたな〜って何回も思ってたんや」
「あぁ、行ってから気付くやつですか。何忘れたんですか?」
「参謀。昔っからずっと俺のこと助けてくれるかしこな男や。
………
何度もおまえがいてくれたらって思うたわ」
「
………
」
「忘れたら一番あかんかったやつだったな」
そう告げると、いつもの表情で俺を見ていた水上の頬がみるみる内に赤く染まっていった。掴んでいた片方の手を強引に離され、そのまま水上はその手で顔を覆った。
「ど、どうした」
「どうしたもこうしたも、急にびっくりするわ。ほんままじで」
「照れとるんか?」
「
……
そうですよ。口元にやけてやばいっすわ」
「なんや、かわええな。まぁそんなわけで、おまえのことどこにだって連れ回すからよろしくな」
「まぁ
……
あの、その、あ〜
……
はい。よろしくお願いします」
照れたように笑うその顔を見て、ほんまに可愛いヤツやなと思う。しかし、それを素直に伝えたらまた恥ずかしがってしまいそうなので今は心にしまっておくことにした。
「変なの寄ってきたら、俺が秒で切り捨てたるからな」
「? なんすか変なのって」
「准くんが言うてたんや、俺がおらん間おまえに変なの寄ってきてたって」
「あ〜
……
あの人何言うてんねんな。俺がそんなん相手にするわけないやないですか」
「そやな。水上は一途だからとも言うてたわ」
「あ〜
……
余計なことを
……
」
「まぁ、せやな。そんなん言われんでも俺が一番ようわかっとるしな」
「そうですよ。それが何よりです」
そんなことを言いながら2人で玄関から外へ出るとふわりと心地よい風が吹いた。春の終わりの、初夏を思わせるような爽やかな空気が通り過ぎる。
3年ぶりのデートは良い日になりそうやと心を弾ませながら、俺は水上の手をしっかりと握った。
★
イコさんお誕生日おめでとうの気持ち。
でも変なトリオン攻撃捏造&喰らわせてすんません。いこみずと遠征については何パターンも妄想が広がって永遠に味がするのですごい。
ワンライ書いた時に、イコさん一番忘れちゃいけない忘れものしてるとご感想をいただいて、確かに
……
!と思ったので続きになりました。いつもありがとうございます。
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