はしびろこう
2026-04-17 12:28:21
3991文字
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俺が、プ○キュアに‥?!

アシュヨダ前提のプ○キュアパロです
全てが出オチ。続かない。

プリキュア


 男はピンクのフリルが盛り盛りの服で、普段から2LDKある背中はもはや一軒家くらいデカく見えるし、同じくパニエの間から鍛え抜かれた太ももがスカートから伸びて、中身が見えないように足を揃えてヨギボーに沈んでいる。
 
 ことの起こりは30分前。
 怪獣が出た、片付いたが迎えにきてくれって旦那から酔っ払ってんのかわかんねー連絡が来て、指定のトイレに迎えにいったら見知らぬコスプレイヤーの男と二人で個室に詰まっていたのだ。
 このどピンクフリフリの服を着てである。
 怪獣が出たと言うのは周りの話を書いてもマジらしいのだが、男が出かけた時は間違いなく上質なスーツを着ていたと言うのに、半日もしない間によくわからん服で迎えに来いとかなんなんだよ。この男とのプレイ中に怪獣が出てトイレに二人で引きこもってたってか?
 奔放なのは知っているがもう少し手心ある奔放でいて欲しい。浮気現場に呼ぶな。
 当の相手の男(なんのコスプレだかわからんが胸元が空いた全身黒タイツ?によくわからんところに装飾がたくさんある。引っかかるだろありとあらゆるところに。あとその背中のふわふわはなんだ)も出された麦茶飲んでるし。
「ーー全部話してもらうからな」
 納得のいく説明くらい欲しいと思ってもいいだろう。
「全部話していいか」
「構わん」
 男と短い会話を済ませて、フリフリの服を着たままドゥリーヨダナがこちらに向き直る。ヨギボーに乗ったままではある。
「ぬいぐるみを拾ったのだ」
「要点だけでいいぜ」
 浮気現場に呼び出された説明をしてくれ、が本音である。男との馴れ初めなどどうでもよかった。
「わし様、プリキュアになったのだ」
 座り直す。無論、俺がである。
 麦茶を一口。
 
「すまねえ、ゆっくりでいいから最初からいいか?」

 端的にありがとな。だがちょっと一行で理解はできなかった。
「ぬいぐるみを拾ったところからでいいか?」
「おう」
「そのぬいぐるみがこの男だ」
「ぬいぐるみではねえだろ」
「そうだ、オレはクル国の誇り高きマスコット戦士。ぬいぐるみではない」
「どう見ても細身の成人男性だろ」
「これはこの世界を忍ぶ仮の姿」
……おん」
 全く忍べてない。と言うのは意地悪だろうか。
「成人男性の骨格を模している。――疑うならば本来の姿に戻ろう」
 ボフッ。
 ーーなるほど、ぬいぐるみだ。手のひらサイズの。
 全裸がデフォルトなのだろう。骨格はこの形、と言う理解まではよかったが、布でこの辺りを隠すのが正装らしいくらいの認識です選んでしまったらしい。
 浮気とか言って悪かった。ぬいぐるみである。
 ぬいぐるみが話を進める。
「この世界は危機に瀕している。オレの世界――クルから悪の組織が地球にも進出してきてしまった。この世界の平和のために――オレはこの男と契約し、プリキュアとした」
「プリ、……おう」
「拾ったぬいぐるみが世界を救えと言うのだ。そしてその時怪獣が現れてな……
 判断する時間もなかった、と。
「でもこう、なんつーかよ。そう言うのに選ばれるっつーなら女児じゃねーの?」
「女児を……化け物と戦う戦場に……?」
 修羅の国か?みたいな顔された。ど正論である。
 悪い、それは完全にこっちの世界が悪かったわ。
「精神と肉体のバランスを考え、鍛え抜かれた体を持つ30代前後の成人男性が推奨される」
――ん、そうな。あとは、その服もよ」
「服?わが国の伝統的な戦装束だ。ピンクの膨張色で体を大きく見せ敵を威嚇。肩幅もフリルでさらにデカく、むき出しの鍛え上げられた立派な太ももで相手を恐れさせる素晴らしい、素晴らしい衣装だ」
……
 相手の国の伝統にケチはつけられない。
「わが国屈指のプリキュア、プリビーマを見るか?そしてわが国トップのマスコット戦士、ジュナピだ」
 紙媒体の写真を見せられる。立派な城を背景に、立派な式典の写真である。ああ、屈強な男たちがフリフリ衣装で並ぶ。
 壮観である。絶対敵対したくない。
「そこでだが」
「あん?」
「貴様もオレと契約して、プリキュアにならないか」

 男の目は、オレの体をしっかり見据えていた。

 体目当てはあってたかも。
 旦那を見たら、わし様とお揃いだなぁ!!一緒にしんでくれの顔である。一人より二人並んで、プリキュア……ってことか……!?

 20260417.