ヨジ🔞
2026-04-06 00:20:24
3246文字
Public logh
 

【ロイヨブ】擬似親子ネタ

新領土総督がちっちゃくなって高等参事官の家に預けられた話。
年齢操作ネタ。

注意事項
・R-15くらいの性描写
・事後に幼児化が発覚するというシチュエーション

短編集みたくしたい。思いついたらエピソード追加予定。

EP1 ピクニック


「オスカー」
 カーキ色のアウトドアチェアに背筋をのばして座る少年は、己の名を呼んだ男をおずおずとうかがった。
「今日のハイネセンポリスは、本当に良い天気ですね。寒ければブランケットもありますが、いかがですか?」
 オスカー少年は首をふった。いまは真昼時、一日のうちでもっとも気温が高い時刻である。初めて着た、動くたび紙をめくるような音のする上着は、どうやら風を通さない素材のようで、彼にはむしろ暑いほどだった。
 黄色っぽい芝生と、葉を落とした木々、水鳥がゆったりと浮かぶ大きな池。公園を取りかこむ高層ビルは銀色の陽光を受けて、どこまでもはるかに澄んで見える。
 けれども、開放的な吹きさらしの自然公園の真ん中で、少年は小さく縮こまっていた。まるで、晴天に頭を押さえつけられているかのように。
 彼が座っている、組み立て式の金属フレームにナイロン素材の布を張った不安定な座面は、やや高すぎた。この年の男子特有の、棒きれのような脚の先で、マジックテープのスニーカーが地にとどかず揺れている。
 男が持参した大きな直方体型のピクニックバッグには、保温ボトルと二人分のマグカップ、サンドイッチが入っていた。妻があなたのために用意して持たせてくれたんですよ、と言いながら、男はあたたかい紅茶を注いで、少年にさしだした。少年はかしこまって小声で礼を述べて、マグカップを受けとった。けれども彼はカップの中身をちびちび飲むだけで、なかなかサンドイッチに手をつけようとしない。男がすすめてようやく、ひとつだけ食べた。
 少年があたりを見回せば、たくさんの大人と子供が、自分たちと同じように、地面の上で昼食をとっている。なにせ格好のピクニック日和、素晴らしき休日だ。レジャーシートを広げたり、テントを張ったり、簡易テーブルやチェアを出したり……オスカー少年は銀河帝国の旧帝都オーディンに生まれ育った下級貴族であったため、旧自由惑星同盟のこうした娯楽・文化にはまったく馴染みがない。そのため、彼は目の前の光景をあらわす言葉を持ちあわせていない。だが、周囲の人間たちが家族連れで外出を楽しんでいることは、何となくわかった。
 オスカー少年には何もかもが遠かった。うつくしい公園も、あたたかい紅茶も、おいしいサンドイッチも、たのしいピクニックも。安心や幸福はかえって恐ろしかった。いつ目が覚めるだろうと、不安になってしまうのだ。
「さて、そろそろ行きましょうか」
 昼食がすむと男は立ちあがり、片付けはじめた。少年もあわてて自分の椅子を分解し(男が組み立てているのを見て、手順を覚えていた)、パーツを筒状のバッグにしまった。
「おや、ありがとうございます。あなたはこんなに小さなときから、しっかりした御方なのですね」
 男はしゃがんで、少年のダークブラウンの髪をなでた。彼はびっくりして、色の異なる両眼をみはり、かたまった。分厚く巨大な大人の手はすぐに離れてゆき、ただ人肌のぬくもりだけを少年にのこしていった。
 少年は、自分が何らかの毒物のせいで、体や記憶が七歳時点に退行していることを説明されていた。彼の認識だと今は帝国歴465年であるが、実際には491年——しかもこの暦は王朝交代によって廃止されており、正しくは新2年で——本来の彼の年齢は、三十三である。らしいが、銀河の彼方にあると聞いていた叛乱軍の領土、旧自由惑星同盟の首都星ハイネセンにいることも相まって、少年には目の前の現実が夢としか思えない。
 だが、夢なら覚めないでほしかった。少年はずっと、こんな日々を夢見てきた。己の黒い右目のせいで母が自殺し、酔った父から「お前など生まれてこなければよかった」と罵られつづけた少年は、どこかに本当の、自分を愛してくれる家族がいて、いつかきっと自分を迎えにきてくれると想像していた。それがとうとう叶ったのだと、彼は思っていた。
 身も心も子供サイズに縮んでしまった彼は、現在、父と同じくらいの年齢の、この男の家に預けられている。男は少年の「親しい部下」だったらしく、その私的なよしみで、面倒を見てくれているのだ。男とその配偶者は優しく、親切で、理想の両親だった。まさに、少年が頭のなかで、ひそかに思い描いていたような。
 子供には重い荷物を代わりに持った男が、空いている方の手を差しだす。少年もそっと、手をのばす。
 ヨブ・トリューニヒトは、人の良い完璧な笑みをうかべて、少年と手をつないだ。