ミリメートル
2026-04-03 21:51:24
1239文字
Public スケ荼
 

スケ荼SS📻️

自分語りに構ってもらえてキュンとする荼毘くんの話です。あんまり関係ないけどきみも悪い人でよかったとか傲慢とか聴きながら書きました。


 安全性を欠いた環境の中でも、身体はどうしたって休息を求める。冷たい床に腰を下ろす。膝を三角に曲げて目を閉じれば眠れる筈だった。
 隙間風が吹く。雨がトタン屋根を叩く音がする。それなのに、一番煩わしいのが自分自身の鼓動なのだから困った。焼け爛れた身体を延命させるため、健気に脈動する心臓の音。それが、俺にはいつからか「怨嗟の声」に聴こえるようになってしまっていたんだ。
 どくん。ざあ。ごうごう。身体の内側から、有象無象の非難の声が聴こえる。嘘吐きが何か喚き散らす声が聴こえる。弱虫野郎の情けない泣き声が聴こえる。
 なんでもいいから掻き消してほしかった。そうじゃないなら、頭をぶん殴って気絶させてほしい。声が聴こえ始めてからの夜は長い。言い返せば黙ってくれないものか考えたことが何度もある。
 やがて涙が出なくなったことに気付いて、身体が先にイカれるのかよと思った。イカれてしまった。身体も心も。
 なにも考えられなくなるほど、雨音がうるさかったらよかったのに。

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