akinoshiroihana
2026-03-28 21:32:41
1557文字
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ラ―ヒュンワンドロ2026原文02





旅の途中、引き受けた多少の面倒ごとに金以外で礼をもらい
煮ればいいのか焼けばいいのかさっぱりわからないそれを道具屋に持ち込めば、珍しい薬草だが天日で干す手間が要るから、宿代代わりと食事を少々豪勢にすると言われ

「豚が二足歩行になり道具の使い方を知っているだけで、どうして退治にあんなに真っ青になるかな」
花はあそこに牙が生えて物を言うのを見た後も平気で毟って数珠つなぎにして遊ぶくせに、乾杯。
「雑に乾杯するな」
自分達に似ていて別なるものは我慢がならんのさ、人間は。
そういう嫌悪と怯えは散々見て来て哀れさえ覚えると半魔は言う。それが地上の、人間のテリトリーに生い育った彼の言葉でありつつ、どうして、道中の彼は人間達に積極的な睥睨や軽蔑の姿勢は見せようとしない。大きな戦いが終わったからか、次に狩られる対象となる時に備えて無駄な火花は散らしたくないのか、旅の友が彼の独白じみた言葉に耳を傾けるからか、その友が彼以上に「人々によく似た別なるもの」であり、この地上をどこまで行けども安らうべき場所をいまだ見付けていないからか

「ふむ、ではなんに乾杯しようか」
「お前の瞳に」
「あれは名訳だが意訳で」
「知ってる」
「紫だったり黒かったり緑になったり塗りが安定しないが」
「しってる」
「昔はもっと魅力的だったと大魔王に惜しまれもしたんだが」
「誰にでも欠点はある」

まさかそんなまた名台詞で潰しに来るかと、kwskとはいわないのかと青年が笑えば、グラスの中、甘ったるい微発泡ワインが半魔の代わりに小さな溜息を吐いた。


●乾杯