榎本奏江
2026-03-28 09:05:51
8189文字
Public ふたさに
 

【ふたさに】実家

小説未満の小話。今後、漫画or小説になる予定のモノです。
Twitterに上がっていたものを最低限の加筆修正のみです。
突然始まって、途中ではしょったり、突然終わります。

二筋樋:会議、予想以上に長引いたな
桔梗:まあ、想定の範囲内だよ。でも、5時に終わるんだから妥当でしょ
二筋樋:この後はどうするんだ?直帰して大丈夫だったはなしだが、このまま本丸に戻るか?
桔梗:そのつもりだったんだけど、ちょっと寄り道していい?実家に顔出したいんだけど
二筋樋:あんたの実家?近いのか?
桔梗:隣町。そんな遠くないよ。バスで20分ぐらいかな?
二筋樋:俺は構わないが、疲れているんだろ?早く帰って休んだほうがいいんじゃないのか?
桔梗:せっかくここまで来たから、顔出しておきたくて。実は、年末年始イベントの準備や、特別任務で実家に帰れてないんだよね
二筋樋:そういうことなら構わないぞ。あんたの親御さんは俺たちのこと認識してるのか?
桔梗:まぁ、もう8年も審神者してるからね。大体の男士は把握してるし、何振りかは実際に会ったことあるよ。それに、せっかく新しくきた男士がいるなら紹介したいし
二筋樋:そうか
桔梗:このバスに乗るよ。親には連絡してあるから大丈夫。行こう
二筋樋:あ、ああ
桔梗:どうせ、ご飯食べて帰ることになると思うから、ちょっと遅くなるかもね
二筋樋:そうか。……あんたの両親は何してるんだ?
桔梗:ふふっ。普通の定年退職して余暇をアルバイトと趣味に充実している父と、介護職の母親だよ。祖父は数年前に他界したけど、祖母は今でも健在で今年で97歳。
二筋樋:あんたのばあさん、人間の割には長生きだな
桔梗:すごいでしょ?特に病気もなく、杖ついて歩けるんだから元気そのものだよ
二筋樋:大したもんだな
桔梗:他の審神者と違って私は歴史に深く神職でも歴史的にも深く関わらない一般家庭だよ。代々審神者でもなんでもない。私が偶然、審神者になっただけ
二筋樋:そう言えば、きっかけは何だったんだ。あんたの日ごろの行動見ていたら審神者になる選択肢なかっただろう?
桔梗:運命のいたずらと言うか、偶然と言うか、分かんないけど、イレギュラーな特殊任務があった。本来ならこちらに回ってこないような内容の任務が。坂本龍馬展の夜間警備。本部に不審な予告状が着て、私たち臨時特殊部隊が対応することになった。本来は警備部の仕事なのに。そして、私も狙撃手で後方支援に回るはずなのに、現場の警備を回された。そこで、時間遡行軍が現れた。陸奥守吉行を狙いに。
二筋樋:そんなことがあるのか?不自然だな
桔梗:そう、明らかに不自然だった。でも、展示会場を荒らされるわけにもいかないし、襲ってくるし、当時は必至で刀を護って逃げ回ってた。そんな中、偶然顕現した。抱きかかえていた刀のはずが、気が付けば目の前に変わった男と人が立っていた。それが、陸奥守吉行。私の初期刀だよ。その後、私は警察官の仕事を外すわけにもいかなかったから、審神者になることを断った。でも、本霊を顕現させてしまった以上、審神者として管理することが避けられなかった。そこで、私は警察の籍を残し、仕事もそっちを優先する条件で審神者になったと言うこと。その代わり、時の政府からは現世に出現する時間遡軍の殲滅を特殊犯罪と並行して対応してほしい、と私の県警本部全体に依頼が来た。そして、今みたいに事件があった場合、私は狙撃班として出動して、その裏で暗躍する時間遡行を私の刀が対応する、そういうこと。今は警察でも自隊でも審神者が増えて対応できるものが多くなったけど、私がまだ審神者になった頃は現世の時間遡行軍を対応するまで審神者や私みたいな警察や自隊出身者の審神者が居なかったから、当時は毎週のように事件対応していたよ
二筋樋:そうだったんだな
桔梗:でも、やることも対応することも多くなったけど、後悔はしていないよ。護れるものが増えることは良いことだから。それによって救われる命、救われる未来があるなら私はいくらでも戦う
二筋樋:――、あんたは強いな
桔梗:なんでそんな顔しているの?私が選んだ道だよ。それでいいと思っている。後悔はしていない。周りが私のことを「必要ない」と思われるまで、私自身が「私が居なくても大丈夫」と思うまで、どんな状態になってもどんな状況になっても走り続けるから、あなたは私を信じてついてきてほしい。それだけでも、私は救われるの。だからお願い。そんな顔しないで。私を守ってくれるんでしょ?
二筋樋:ああ、悪かった。あんたがそんな強い意志あるのに悪かった
桔梗:次で降りるから、準備して。そこから少し歩くから
二筋樋:ああ