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【SS集】creek
以前に書いたcreekのSS集です。
テキストで再投稿しようと思ったら、データが見つからない物があるので、とりあえず画像で載せておきます。ゆっくりテキストへ変えていきます。
あと、もしお話が増えたらここへ足していきます。
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『君はスーパーダーリン』
「座ってて」
トゥイーク・コーヒーが1番混むこの時間、この店で1番の役立たずはクレイグだった。トゥイークが彼の横を通る度彼が立ちあがろうとするので、トゥイークもまた彼の横を通る度にそう言っては彼を押し戻す。クレイグが恋人の親が営むコーヒーショップを手伝うのは初めてではないが、彼とトゥイークのおかげで増えた客を捌き切れるほどの技量は無かった。
クレイグとトゥイークが付き合うことになってから、ここに来れば2人を拝むことができると客が爆増した。これにより、トゥイークが、来ても結局ほとんど置き物のクレイグの手も借りたいほど忙しくなった。店の店主でありトゥイークの父がこの客を離すまいと、一気にメニューを増やしたのである。結果、最近の2人のデートはほとんどが店の手伝いになったのだ。
暇つぶしにと渡されたボードを睨みつけながら、クレイグはままならねぇなと呟いた。サイズの合っていないエプロンを適当に着け、店内の一席を占拠する。彼がいるだけで集客効果があるので、レジや注文取りはハナから求められていないもだが、ガアアッと唸り声をあげながら物凄い勢いで客を捌いている恋人を見ていると、自分も何かしないとという気持ちになるらしい。普段スパダリの名を欲しいままにしているのに、ここに来ると全然着いて行けずに、自分が役立たずに感じるのだ。せめてメニューを覚えようとメニュー表と睨めっこしてみるものの、結局並んでいる客にメモを渡してにこっとすれば良いので、ほぼ観葉植物と同じである。
「トゥイーク何か」
「いい。座ってて」
再びトゥイークが横を通ったので、何か手伝おうか、と言いかけたのを制されるクレイグ。トゥイークは、親がビデオカメラでこちらを撮るのに夢中で全く手伝ってくれないので余計に苛ついているらしい。クレイグは昼飯は外へ食いに行こうと思いながら、コーヒーを作るトゥイークを眺めた。彼が手伝いに来たときは、手伝うよりもトゥイークに感心していることの方が多い。こんなにメニュー増やされても覚えられないよ、と喚きながら手は淡々ろ注文通りの物を生み出しているのだから笑いそうになるし、本当に一見の価値があると思うのだ。
「クレイグこれとこれ!」
トゥイークがコーヒー豆の空袋をクレイグに向かって投げた。持ってこいと言うことだろう。クレイグは喜んで倉庫へ入ったが、パッケージが似た物ばかりで全くどれかわからないので1分も立たずに店内へ戻ってきた。ハニー
……
、とか細い声で発しながらトゥイークの袖を引っ張る。
「なに。わかんないの?」
「
……
ごめん」
「ん〜〜」
「ここ変わる?」
「だめ。絶対だめ」
「はい」
トゥイークに話しかけるために2回、3回と並ぶ客がいるので全然列が途切れない。トゥイークは真面目なので、仕事中はその全てに対応しようとする。クレイグはトゥイークのそんなところが好きなのだが、このままではまたこれで1日が終わると思うとうんざりしてしまった。クレイグはどうせ役立たずなら、もう呼ばれないようにしてしまおうという気になって、
「豆が無くなったので終わりまーす」
と叫ぶ。
「ァア!?」
彼は何を言っているのだという顔の恋人の手を引いて走った。
「な、何やってるんだよクレイグ!」
「店主がいるのに仕事取ったら悪いだろ」
「はぁ? でも、どこ、どこ行くの」
「コーヒーが無くて、俺が役立たずじゃないとこ!」
トゥイークが急に立ち止まって、クレイグは転びそうになる。
「何、役立たずって。そう思ってたの?」
「だって、俺は何もしてない」
「何もしてなくないじゃない。掃除してくれるし、注文も取ってくれるし」
「今日もずっと座っててって言った」
「あ〜
……
それは」
だってクレイグやり方覚えられないんだもん、とトゥイークが言葉を濁した。
「あ、でも、それは、お互い様だよ! 僕だって、店以外じゃ君に頼りっぱなしだし!」
「それは確かに」
「確かに!?」
「あは、冗談。ハニーはいつでも頼りになるよ」
「ふざけないでよ」
落ち込んでると思ったのに、と刺々し言いつつ手を繋いだままでいてくれるので、クレイグは、だから甘えちゃうんだよなと考えた。2人は手を繋いだまま歩き出す。トゥイークはお互い様だと言ったけど、コーヒーショップでの仕事姿は自分には到底真似できない。それに、トゥイークは自分が何かするとあれこれ喚くけど、今の様に、最後にはクレイグには何か考えがあるのだから、と着いてくる。クレイグからしたら、トゥイークの方がよっぽどスーパーダーリンなのである。
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