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サブ者さん
2026-02-16 12:34:20
2058文字
Public
一次創作
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落葉
邸宅の主人と気取り屋な小鳥の、すれ違いの話。
※タイトルは「らくよう」と読みます。
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ある日、私は窓の外に、緑の小鳥を見つけた。
小鳥はしばらく庭の木の枝に留まり空を見上げていたが、私の視線に気付いたようにこちらを向いた。
それからぱっと羽を広げ、飛び立とうとする。私の視線は遠く遠くへ向かおうとした。
しかし、小鳥はこちらへ向かってくる。
怯えた様子ひとつ見せず、小さな風と連れ立って、開いた窓を抜けてくる。
髪が少しつぶれて、重くなった。
私は鳥の巣になってしまったようだ。
しばらく本を読み、花に水をやる時間になっても、小鳥はお構い無しに居を構えている。
どかしても、どかしても、小鳥は頭に戻ってくる。
仕方がないので、私は巣になったまま部屋を出た。
ジョウロに水を入れて撒き、新しい花の種を手に取る。
土を掘り始めたところで、頭の小鳥のことを思い出した。そういえば、今の私は巣なのだ。
頭の上に種を掲げてみると、手が突かれた。巣が鳥に餌をやるなんて滑稽だ。
「こりゃおいしい。ぼくの為にありがとう」
不意に、奇妙な声が頭上から聞こえた。
私は夢でも見ているのだろうか?
「君が言ったのか?」
「そう、ぼくさ。きみの頭の上にいる。」
「じゃあ、これは夢なのか?」
「そんなわけ。突いてやったらわかるだろ。」
小鳥は頭からひょいと降りて、顔の横で忙しなく羽ばたく。耳に風の音がいくつも通った。
小さくて鋭いくちばしが、私の頬を突いた。
「ほら、わかったろ。夢じゃない。」
小鳥は私のことをからかって、何度も突いてきた。
「わかった、わかった。痛いからやめてくれ。」
「やめてやる。食べ損ねた種、全部くれたら。」
生意気な小鳥に、仕方なく種を渡した。
結局、食べている間は頬の代わりに手が突かれたが、突くのはそれきりにしたようだった。
一瞬、巣から人間に戻った私は、小鳥に問いかけてみた。
「君はなんで私を巣にしたんだ?」
「きみの頭が、休むのにちょうどよかった。それだけさ。」
「それに、さっきまで喋らなかったのに、急に饒舌になったじゃないか。」
「種が絶品で、つい。ばれたら仕方ないだろ。それに、幸運なことに、ぼくもきみもお喋りが好きだ。」
私を巣に逆戻りさせて、小鳥は羽をしきりに動かして雄弁する。
誰が見るわけでもないが、髪がぐしゃぐしゃだ。
「まだまだ喋ろう。話題はあるだろ?」
「私を巣にするのをやめてくれたら、付き合ってやる。」
「ちぇっ。そんなら、きみの家を巣にするよ。」
小鳥はしぶしぶといったように、開いた窓から、私の部屋にずかずか上がり込んでいった。
結局、夜になっても出ていくつもりはないようで、今度は私の家が鳥の巣になってしまった。
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