アサフタ
2024-07-08 10:44:39
6437文字
Public カプ混在
 

ドキドキ!夜のお誘い相談会

花スピのスピナーくんが、荼トゥワと死黒と近→義と外リデの受けに夜のお誘い方法を教えてもらおうとする話。えろくないけど下ネタ。
時系列からなにから無茶苦茶なので、頭からっぽにして読んでください。


(花畑視点)

 リ・デストロから集合をかけられたのだが、待てど暮らせど現れない。
 疑問に思ったのもつかの間、室内にいる顔ぶれを見れば理由を察した。おそらく各々のパートナー……と呼称してよいのか疑わしい者もいるが、彼らは彼らで別室に呼び出されているのだろう。会話が我々の耳に入らないように。
 つまり、ここでどんな話をしようが相手に届く心配もない。そう結論付け、わざとらしく沈黙を破る。

「最近、伊口くんが何か言いかけてはやめるんですよね」

 憂いを帯びた吐息は、机上を滑り霧散した。同席者たちが拾うとは期待していなかったが、意外なことにスケプティックが反応を示した。

「ようやく付き合ったと思ったら、さっそく破局の危機か」

 失礼な。眉をひそめ、相手を見やる。男はいつもどおり、重そうな前髪越しにパソコンを見つめていた。

「勝手な推測をしないでください」
「口ごもってはやめてしまうんだろう? 言いづらい事でもあるんじゃないのか」
「彼は自分の意見くらいはっきり主張します」

 私たちのやり取りに、死柄木が軽く頷いている。
 彼と同じく連合出身の荼毘は、煩わしそうに口を開いた。

「トカゲ野郎のことはどうでもいいが」
「その呼び方はやめてください」

 意識的に声を尖らせ、非難する。相手は慣れているのか、肩をすくめるだけに留まった。改善する気はないのだろう。そのままの語勢で続ける。

「あいつが傷つくとトゥワイスが気にするだろうな」

 対処を求める口調ではない。むしろどこか弾んでいる。どういう情緒なのか理解できない。
 一方、トゥワイスが気に病む姿は容易に想像がついた。連合出身者は基本的に仲がいいですからね……。遠い目をした私に、外典が優しい仮説を立てる。

「照れているだけじゃないのか? 恋人になったばかりなら、心境も変わっているだろうし」

 後半から徐々に音量が下がっていった。フードに覆われて良く見えないが、白い肌は朱に染まっているに違いない。何故なら、彼こそ関係性の変化によってぎこちない姿を見せてしまっている当人だからだ。
 リ・デストロの隣で、薄い桃色の気配を漂わせている外典の姿を思い出す。第三者の目には、伊口くんも同様に映っているのだろうか。
 とくん、とくん、と胸の奥で熱が生まれる。しかし、全身に広がるほどの勢いはない。
 浮つきかけた私の足を地面に引きずり降ろしたのは、死柄木の冷静な指摘だった。

「そんなの直接スピナーに聞けよ」

 呆れたように目を細める青年は、問えば回答を得られると確信しているようだ。その態度に心が陰る。私が問うたところで、素直に答えが返ってくるとは思えない。
 沈みそうな感情を押しとどめたのは、小さな音声だった。本来なら耳に届かないようなボリュームだが、静かな室内にはよく響く。それは、この場にはいない人物の声だった。

「消せ!」

 音の出どころであるパソコンへ、外典が異能を放つ。拳大ほどの氷が直撃するより早く、スケプティックが機器を抱えて逃げた。いつになく俊敏な動きだ。

「何をする!」

 スケプティックの叫びに、外典は「消せ」と繰り返した。おそらく、彼はリ・デストロから直接指示を受けているのだろう。向こうの会話がこちらに漏れないよう腐心している。
 外典の行動は功を奏した。パソコンが持ち上げた際にカメラが切り替わったのか、スピーカーから声が消える。

……む」

 外典の周囲から冷気が引いたのを確認し、スケプティックがパソコンの画面を覗いた。重い前髪の向こうで目が見開かれたかと思うと、キーボードを勢いよく叩く。

『どうせ聞いてるんだろ』

 流れてきたのは、ブローカーの声だった。性懲りもなく盗聴する気なのか。呆れつつスケプティックを眺めれば「違う。奴は廊下にいる」と説明しつつ画面を見せてくる。
 再び氷を生成し始めていた外典も、我関せずを貫いていた死柄木や荼毘も、モニターへと視線を向けた。
 そこに映る男は、カメラの位置を把握しているのか、こちらに人差し指を突きつける。

『トランペットにも伝えとけ。あとテメェは多少性欲を抑えろ』

 伝えるとは何をだろう。知りたいが、外典が凝視してくるため質問を口にすることができない。
 視線だけでスケプティックに問えば、相手は涼しい顔で答えた。

「スピナーはお前を誘いたいらしい」
……どこへ」

 すぐそばから、大体わかるだろという荼毘の指摘や黒霧を猥談に巻き込むなよという死柄木のぼやきが聞こえる。しかし、それどころではない。
 まさか。期待半分恐れ半分の心臓を抑えていると、スケプティックが片手でパソコンを支えながらもう一方の手で別画面を立ち上げる。

「本人の口から聞く方が早いだろう」

 再生するぞ、と宣言するスケプティックに向けて飛んだ氷は、今度こそ直撃した。


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