バラ肉
2026-02-07 15:43:02
4690文字
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パネトラ⑧ タツネメR15

パネトラ⑧攻めのオナニーショー


ネメシスに劣情を催してもらいたいタツノリが頑張る話。
前提の話を読んだ上で、本編を読んでもらえれば二人の関係がわかるかと…。

ネメがどうやって拘束されたかは各自脳内補完をお願い致します🙏(私は想像できなかった)

【前提の話】

タツノリは幸福だった。
“ネメシス”こと、愛弟のサダハルとの邂逅を果たすだけでなく、よもやそこでお互いの秘めた想いを告げ合うことが叶うなんて……これほどの奇跡を現世にいた際、想像出来ただろうか。
全てのしがらみを捨て去り、誰にも気負うことなく、共に静かな時間を過ごせる。更に言えば、かつては禁じられた行為──全身で抱き締め合うことも、唇を重ねることも、ましてや共に同じ布団で眠ることも誰も咎めはしないのだ。
きっと彼に「幸せか?」と問えば、迷うことなく『是』と答えるだろう。
まさに、タツノリは第二の生を喜びという名で彩られている筈だった。

しかし、彼はその幸せに……やや物足りなさを感じつつあった。

そもそもキン肉タツノリという男は、一人の清廉な超人である前に【キン肉族王家第56代 大王】でもあるのだ。
一族の正式な後継者として、次代へと子孫を繋ぐ者として、自分たちの繁栄の為に生きることは、もはや本能に等しい。自分たちが生きた礎を後世に残す。その宿命は魂に刻まれた使命であり、つまり──
簡単に言えば、彼は相当に性欲が強かった。

勿論誰それ構わずと言うわけではない。愛した者限定なのは大前提だ。
心が繋がったなら次は体も、と願うのは必然の流れで、それが世間の……否、男としての常識。
そう信じていたタツノリは、勿論ネメシスにも早い内から欲望を抱くようになっていた。

だからこそ、同衾して何度目かの夜。

「サダハル……いいか?」
背を向けて眠るネメシスの腰を撫でたタツノリは、次の反応を想像して口元を緩めていた。
この聡い弟のことだ。
きっと恥じらいながらも『に、兄さん……』と自分の意図を汲んで、素直に体を開いてくれるに違いない。
真っ赤な顔で、しかし愛しそうに己を見つめ、コクンっと愛らしく頷く。伸ばした手に手を重ね、まるで二人だけの秘め事を喜ぶように微笑んで──そう、頭の中で勝手にストーリーを作っていた。

だが、現実は無常で。

「何をするんだ、タツノリ!」

ゴッ!!

「んぐっ!?」

まさか、振り返る反動を利用して、顔面に裏拳がめりこむなんて想像だにしていなかった。

「お、俺はタツノリとは魂の清らかなところで繋がっていれば良いと思っている。だから、こんな……は、はしたない真似は……いくら、タツノリでもッ」

辿々しくも自論を述べる弟は、兄の顔が悲惨なことになっていたのにも気付かず、処女顔負けに吠えるばかり。
完璧超人として、高みで孤高に生きてきた彼はキン肉星にいた時よりも随分と拗れてしまっていたらしい。
特に性的なことは完全NGらしく。

「不純同性交友は許さん!」

声高らかに宣言する弟に、この時のタツノリは「ぐぬぅ」と唸ることしか出来なかった。



結果。
この件以来、性的な行為に誘おうとすれば、途端に目くじらを立てて説教するネメシスにタツノリはほとほと困り果てた。

愛しい人と交じり合いたい。
この魂の息吹である熱い精を受け止めてほしい。
それは最早、雄の本能なのだ。
だが、相手のガードは一族譲りだけあって鉄壁に等しく。

悶々と過ごす日々は、大王時代に部下たちから浴びた殺気よりもキツかった。



とはいえ、そんな潔癖なネメシスに対してタツノリは一切の勝算が無いわけでもなかった。

何とか必死に頼み込み、キスまでは許してくれるようになった弟が、時折見せる切ない表情。それは紛れもなく劣情の証で。
試しに耳元で甘ったるく名前を呼べば、ブルッと震えるや否や体を突き放す様は、明らかにそういうことを意識しているのが丸わかりだった。

性欲はきちんとある。

その事実はタツノリにとっては僥倖だった。
ならば、あとは相手が拒否できない状況と、素直になれる場面作りだ。

「あの子が手出し出来ない状況……か」

顎を撫でて策を巡らす顔は、人の良い兄から、歴戦を潜り抜けた猛者の顔つきへと変わっていた。
長年腹の黒い狡猾な臣下達とやり合ってきた男にとって、一筋の光明さえあれば、あとは勝機へと繋げられる。

「私をここまで悩ませるなんて、さすがは我が弟だ」

感心した物言いは、堕とすことを算段する男の最大限の褒め言葉だったのかもしれない。