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くりやの卓報告置き場
2026-01-28 14:30:04
3403文字
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その他
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【SS】♦️
戈努飛彩のSS。レプ葬のネタバレあり。
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今日は俺が戻ってきてから初めて再会する知人も来てくれて、嬉しかった。世間話に花を咲かせつつ、仕事も仕事でそこそこな量があり、充実した1日を過ごした。
閉店後の掃き掃除を手伝い終えると、レジの確認をしていた伊知華さんが労ってくれた。
「はい、今日もお疲れ様!晩ご飯食べてく?」
「あー
…
ごめん。帰んないと」
彼女のご厚意に甘えたい気持ちはあるのだが、今の俺には一人にできない同居人がいる。伊知華さんも案の定と言った様子で、変わりない明るい態度で了承する。
「わかったわ。揺綺くんは元気?」
「元気にしてる。まぁ
……
ご飯食べるの忘れてないか心配ではあるかも」
のびのびと絵を描いてくれるのは嬉しいけどな
……
と彼のことを考えていると、伊知華さんが腕を組み手を頬に当てる。
「あら
………
じゃあ、おかずお裾分けしなくちゃね」
そう言って奥の居住スペースの方へ行き、タッパーにポテトサラダを詰めて渡してくれた。
「あっ
…
、ありがとう
……
!」
「いいのよ!こっちのお節介なんだから!」
「本当に助かる。ありがとう
…
」
夕飯が一品増えるなど、ありがたいことこの上ない。
……
ここの夫妻には、都会へ出た一人息子がいる。だからか(外見の)年齢が近い俺にもよく世話を焼いてくれる。自分が言うには烏滸がましいが、今ならなんとなく子を想うその気持ちがわかる。だからこそ、受け取れる愛は素直に貰っておこうと胸に決めていた。
「容器は次来たときに返してくれればいいから!」
「わかった。じゃあ、また!」
見送る彼女に手を振り返しながら、本日は帰路に着く。
しばらく歩いて、自転車が置いてある駐輪所まで向かう。俺の今の愛車はこれだ。正直バイクとかもカッコいいので乗ってみたいと思うが、免許とかお金とかがややこしそうなので、しばらくはこいつと生きていくことになるだろう。
スタンドを上げてカゴに荷物を入れ、郊外にある廃アパートの方へと向かう。
ここまで来ると本当に誰もいない。一帯がゴーストタウンに近く、辺りは完全に静まり返っている。
不気味なところにも思えるが、住めば都とでも言うべきか、俺はあのアジトにも一種の愛着が湧いている。
勿論引っ越しを検討しなかったわけではないが、絵を描く環境が整っている点と、もし住まいを変えたら黄杜が帰ってきたとき迷うかもしれないという点が俺達を引き止めた。例え死した町だとして、今では立派な第二、あるいは第三の故郷だ。
それに、俺は知っている。
この死んだ町にひとり、生きている人間がいるということを。
互いの生を祝福する人間がいるということを。
彼のことを考えると、自然とペダルを漕ぐ脚が軽くなった。
さて、早く帰ろう。愛しの家族が待っている。
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