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記憶なし墨燃が雄っパブで働いてる話
⚠️3ページ目イラスト1枚あります
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「は、破廉恥な
…
」
「まぁ
……
ここはそういう場所なので
…
」
雄っパブに来ておいて何を言い出すのだろう。
墨燃は内心面倒な客に当たったなと溜め息をつ
いた。
主に女性相手の商売ではあるが、時たま男性の来客もある。墨燃は特に偏見は無かったし、世の男性が自身の胸筋に癒されている姿も悪くはないと思っていた。
そして本日初来店したこの男は、驚くほど容姿が整った美男子だった。
明らかにこういう場に慣れていないのか鉄面皮
から僅かに狼狽した気配を感じ取り、先ずは安堵させる為に軽いアルコールを手配した。
初来店だというのに迷う事なく墨燃を指名した男は、ボックス席にやって来た墨燃を見て開口一番「破廉恥」だと罵ったのだ。
何が破廉恥だ。
ここは雄っぱいを揉む場所である。
なので性感を煽るようなタイトな衣装を身に纏い、胸元は揉み易い様に大きく開いている。その男ーー楚晩寧は罵りながらもその鍛え上げられた若い肉体に釘付けになり、視線を外す事が出来なかった。
「ほらドリンク飲んで」
「
………
」
ソファーへ落ち着かせカルーアミルクを渡すと、楚晩寧は訝しみながらも恐る恐る口にした。
まるで野良猫へ与える初めての餌付けの様で、はらはらと墨燃が見守っていると甘さが気に入ったのか釣り上がった眉が心なしか下がり表情が和らいだ。どうやら口にあったらしい。
「来店は初めてですよね?何で俺を?」
「
……
覚えてないのか?」
ちらりと視線を寄越され墨燃は首を傾げた。
どこかで会ったことがあっただろうか。長い黒
髪を高い位置で括った男は眉目秀麗な相貌をしており、一目見たら忘れる事はないだろう。
楚晩寧は一瞬落胆した表情を見せたがすぐさま
取り繕うと、隣に座る墨燃へ真っ直ぐに視線を向けた。
「何故こんな所で働いている?」
「え?まぁ時給がいいので」
何故そんな事が気になるのかと内心首を傾げたが、楚晩寧は眉を寄せると押し黙ってしまった。
「
……
」
「
…………
」
沈黙が痛い。
時給がいいのは事実であるし、チャホヤされるのも嫌いではない。このボックス席は人目にはつきにくく、少しならいかがわしい事も出来るからだ。
正直つまみ食いした客は数多にのぼる。
そんな事を初見の客に言える筈もなく、墨然は
押し黙った楚晩寧へと視線を向けた。
一体何を考えているのかはわからないが、盗み見た彼の横顔は美しく長い睫毛が影を作っていた。
お触りも会話もなく2人の時間が過ぎていく。
墨燃はちらりと時計を確認した後、カルーアミ
ルクを両手に持ったまま微動だにしない楚晩寧へと声をかけた。
「あの
…
もうすぐ時間終わるんですけど
…
雄っぱい揉んでいきます?」
「
……………
」
墨燃は親切心で言ったのだ。
ここは雄っパブ。雄っぱいを採む場所である。
先程から反応を伺っていると、ちらちらと胸筋へ熱い視線が注がれていた。
男が好きなのかな。墨燃は不意に目の前の美しい人が乱れる光景を想像し、思わず生唾を飲み込んだ。
墨燃の言葉で眉を吊り上げた楚晩寧はわなわな
と唇を引き結び、怒りと羞恥混じりに声をわせ「帰る!」と大声で宣った。
「ありがとうございました〜またのご来店お待ちしております」
よく分からない人だなと眉を下げて苦笑しながら見送っていると、ツカツカと大股で引き返して来た楚晩寧は万札を墨燃のホットパンツのウエストに捩じ込むと逃げる様に帰って行った。
「え、えぇ
………
?」
チップを頂けるのは有り難い事この上ないが、墨
燃の接客経験上、群を抜いて変な客にランクインしたのだった。
◆
「あ、また来てくださったんですか?」
「来たらいけないか」
「そんな喧嘩ごしにならないで、ほら前回何か怒らせたみたいですし?」
「怒っていない」
そう言いながら熱晩寧は眉間に皺を寄せた。それが怒ってない様には見えないんだよなと思いながら隣に腰掛ける。
「俺の事気に入って下さったんですか?」
「
…………
」
ふい、と視線を外され形のいい耳が顕になる。
それがほんのり赤く色付いており、墨燃は思わず胸がくすぐられた。この耳に舌を這わして舐めしゃぶったら一体どんな反応をしてくれるのだろうか。
「えーと、前回名前を聞き忘れたんですけど」
「楚晩寧だ」
「晩寧
……
」
反芻する様に名前を呼んだ瞬間、ビクリと目の前の男が揺れ墨燃は目を見開いた。本人は隠しているつもりなのかもしれないが、先程より頬が紅く染まっていた。
俺に名前を呼ばれただけでこの反応?
可愛すぎる
…
2回目は無いと思っていただけに前回は適当に接客していたが、過ごせば過ごすほど歳上であろうこの男が可愛く、いじらしいとさえ思えてくる。
何をしに来たのか分からないが、どうにか話題を広げ会話を続ける事にした。
自ら注文をしない為、先日の様に甘い酒を勝手にオーダーする。アマレットをベースにしたカクテルを満足そうに飲む姿を眺めながら、やはり甘い物が好きなようだと見当をつける。
酔わせてみようかと先日より度数は高くしたものの、アルコールは微塵も効いている様子は無かった。
「今日も揉んでいかないんですか?」
「
…………
」
絶対に興味はあるんだよなぁ。
「ほら、どうぞ?揉んでいかないと損ですよ?」
「いい。寄るな」
隣へ座ると晩寧へ身体を寄せ、男の細腰を引き寄せる。身体が密着した瞬間ピクリと跳ね、晩寧は狼狽えるように視線を泳がせた。
「は、放せ
……
」
「ほらちゃんと揉んで」
迫る墨燃を突き放す為に胸へついた手を掴み、胸筋へ誘導する様に引き寄せる。楚晩寧の冷えた手のひらが墨燃の胸筋へと触れ、男の肌の熱さが手のひらへと伝わった瞬間、楚晩寧は全身の血液が沸き立つように感じられた。
「っ
……
もういい
…
!」
「
……
ほら、もっとしっかり触らないと」
腕の中で暴れる楚晩寧を抑えながら、彼の手首を掴み自身の胸筋をまさぐらせる。顔を真っ赤にしながら墨燃に抱き込まれている楚晩寧の指先は可哀想なくらい震えていた。
男を煽るのが上手すぎる。
墨燃は興奮により渇いた唇を舐めると瞳をすがめ、赤く色付いた耳へねっとりと舌を這わせた。
「ッ!!!」
「っうわっ?」
声にならない音をあげた楚晩寧が暴れ出し、テーブルのドリンクが音を立てて落下する。
バシャリと墨燃の股間へかかったドリンクに楚晩寧は顔色を真っ青にすると慌ててハンカチを取り出し拭き取った。
「えっ」
墨燃は焦った。
何故なら息子が半勃ちだからである。エナメル質の黒いホットパンツを窮屈そうに押し上げているそれは解放を待ち望み、健気に己の存在を主張していた。
それに気付かない楚晩寧は混乱のあまり無心でハンカチで墨燃へかかったドリンクを拭いている。
気付かれるのは恥ずかしいが、気付いた反応も見てみたい。されるがまま座っていると楚晩寧のハンカチが陽物へと触れ、墨燃は切なげに熱い吐息を漏らした。
「
…………
」
その瞬間、楚晩寧の動きがぎくりと止まり、陶磁器の様な白く美しい肌が更に赤く染まっていく。
あ、気が付いたんだ。墨燃は舐めるように楚晩寧の姿を見据えた。
「いいですよ?そこも触っても
…
キツくて痛いんです
…
出して貰えますか?」
「
……
ッ」
キャパオーバーのあまり激昂する余裕もなく突
然立ち上がった楚晩寧は墨燃を残したまま席を立ち、金を黒服へ叩きつけると逃げる様に帰って行った。
ボックス席に残されたのは完全に勃起してしまった逸物と、その上に被せられた刺繍入りのハンカチだけだった。
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