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みそ
2026-01-10 18:03:03
4687文字
Public
本編ロナドラ
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日々ノカケラ 202601(ロナドラ)
2026.01.11 SCC関西31の無料配布でした。
『したごしらえは丁寧に』
…付き合って結構経ってるロナドラ。全年齢ですが、行為について触れています。双方がすけべに前向き。
『ある年の大晦日、退治人たちの仕事』
…付き合ってるロナドラ、ロくんの大晦日
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ある年の大晦日、退治人たちの仕事
本日、一二月三一日。一年の締めくくり、晦日の大ボス。今夜はあたたかな鍋でもこしらえて、さて夜は紅白を見るかそれ以外か、というようなことが大勢の関心事になる一日だ。
一方で、『時間に暦だなんだと区切りを見出しているのは人間や高等吸血鬼くらいのもので、他の大多数の生物からすれば無関係の話』という事実を改めて思い知らされる日でもある。新横浜の吸血鬼退治人にとって大晦日とは、九割がたこちらを言う。
今年最後は、吸血カメムシの大量発生であった。市民から吸血カメムシが街路樹の幹を覆い隠していると通報があったのだ。利用者の多い駅前通りでも見つかっているということで、退治人ギルドはにわかに騒々しくなった。
ただ駆除して回るだけならまだよかった。しかしそう簡単にはいかないのがこの魔都である。今の季節は一般のカメムシと同じく冬越しで大人しくしているそれらが突然活性化したわけで、VRCから退治人組合に対し注文が付いた。肥大化したものは原則殺鬼剤で処理するが、攻撃性があるなど特に活発な個体は調査のために捕獲せよ、というものだ。そこに、通常個体は発見個所に残すが吸血カメムシが居るという注意喚起の張り紙を木に括り付けて欲しい、という自治体環境課からのオーダーも加わった。こうなってしまうと都度判断が挟まる分だけ、ストレートな駆除作業よりもうんとくたびれる。今日これまでに何匹仕分けたのやらロナルドにも最早怪しい。
いや、ロナルドだけでない。大晦日でもシンヨコに居残っており、都合のついてしまったがために現場に出ている仲間たちは皆同じ思いだろう。
「なんでったってこんな日にぃ
……
」
ロナルドの隣でぼやくのはメドキだ。手伝っている店の締めの作業を終え、あとは実家でのんびりするつもりだったという。
「仕方ないけどね、俺たちこれが仕事だし
……
」
苦笑いで応じるサテツは、声音こそいつも通りではあるものの、張り付いた笑みには凄味がある。今夜は家族ですき焼きを楽しむ予定だったのだそうだ。
ロナルドとて二人と似たようなものだ。あのワーカホリックが、と方々から驚かれたものだけれど、数年前からは大晦日は早じまいで三日まで原則休み、というので通すようになっている。ドラルクから折に触れて口やかましく言われ、ジョンからもお正月くらい一緒にのんびりしようと誘われ、実際その通りにしてみたらメビヤツも嬉しそうにするものだから、ギルドから緊急連絡でもない限りは連休ということにしているのだ。
よって事務所を一五時きっかりで閉め、廊下の清掃と自分のデスクの簡単な掃除を終え、ドラルクの起床後に発生する『大事な仕事』にジョンと共に挑まんとする、まさにそんなタイミングだったのだ。今夜の呼び出しは。
大事な仕事とはずばり、ドラルク作のおせちの中身検めである。
今年、ドラルクが冷蔵庫に張り付けたおせちのリクエスト用紙にロナルドは、『からあげ』の文字を二〇は書いた。去年の倍である。傾向と対策により、数で勝負することにしたのだ。
それを見たドラルクは当然、数多の小言と嘲りをロナルドに浴びせてきたが、リクエストを募りながら素直に聞かないあの男が悪いと思うロナルドである。彼がリクエストを聞いてくれる頻度はこの頃少しは増えたものの、だからこそあのように書いておけば唐揚げは一種類確実に採用されるだろうし、他の、名前はわからなくとも美味い肉系の総菜が多数織り交ぜられるであろう、という目論見なのだ。ドラルクの天邪鬼を逆手に取ったクレバーな作戦である。
実際、直近何度かの荷物持ちの結果からは思惑通りに事が運んでいる気配があり、ドラルクの起床を待ちわびてさえいた。
「ロナルド? 次に行こう」
「
……
あっ、わり」
サテツの呼びかけに、すっかり作業の手が止まっていたことに気づく。生け捕りにした吸血カメムシは袋の中で元気に暴れているし、ロナルドたちの担当エリアの街路樹はまだまだ残っている。
とにかく、こんな仕事はとっとと終わらせて、帰ったら速攻で風呂に入って
――
殺鬼剤の残り香でも死ねる男がいる
――
、重箱三段分のおせちを検めるのだ。当然、今日のうちに少しずつ味見もする。ジョンが隣にいてくれさえすれば、その要求はたやすく通る。
「
……
うっし、やるか」
ロナルドはそう呟くと、決意を新たに捕獲用の網を握る。年越しそばには厚切りのかまぼこを三切れは乗せてもらわねばならないし、こたつとみかんと梨鉄バトルも待っている。
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