ここ
2025-12-30 14:14:02
17863文字
Public 小説
 

【リバリン】力を分け与える話🔞

<2025.7.16初出>
リバリン。マスソに力を吸われて弱ったリンクを助けるため抱いて力を分け与えるように言われ、戸惑いながらもなんやかんやしっぽり致してしまうリーバルの話。


「まったく、なんなんだよ一体……!」
 自室にはリトの村から持ち込んだ少しばかりの私物も並べてある。それらが醸し出す慣れ親しんだ空間で独りきりになって、リーバルは動揺と困惑といらだちがないまぜになった感情をぶつけるように調度品のクッションを数個蹴とばした。豪奢な絨毯が敷かれた部屋の隅に、丁寧な刺繍が施された上等なクッションがコロコロと転がっていく。
 リトの村では寝具はハンモックが一般的であるが、この部屋にあるのはハイリア人仕様のベッドだ。そのベッドにどさりと荒々しく横たわったリーバルは、荒ぶる感情を宥めようと目を閉じた。しかし視界を閉ざせば先ほど見たリンクの姿が瞼の裏にチラつき、ますますイライラが募る。
(なんなの、あの顔は! あれじゃまるで……
 研究所でのリンクの言動から自然と湧き上がるありえない想像を頭から振り払うように、リーバルはブンブンと首を振った。勘違いするな、リンクだって自身の置かれた状況を鑑みて、実質的にリーバル以外の選択肢がないからあんな態度をとったのだろう。
「相手が僕じゃなけりゃ大勢の有象無象を相手をしなくちゃいけない、なんて脅されてたわけだし……
 それと天秤にかければまだリーバルの方がマシだということなのだろう。だからリンクがリーバルに気があるんじゃないか、なんていうのは全くの見当違いに違いないのだ、きっと。しかし考えを整理しようとしてもそれを邪魔するように何度もあのリンクの顔が浮かんできて、どうにも思考がまとまりそうになかった。
 当然というべきか否か、リンクは城の食堂での夕食の席には姿を見せなかった。英傑達も常にともに食卓に着くことを求められているわけではないので、リンクの不在自体を不審に思う者は居ないだろう。リーバルとしてもこんな心境で皆の前でリンクと対面したらどんな反応をしてしまうか分からなかったので助かった。

 リンクがリーバルのもとを訪れたのは、夕食の後からそれなりに時間が経ちすっかり夜も更け、ベッドの上に腰掛けたリーバルが日中の出来事はもしかして夢だったのかもしれないななどと現実逃避をし始めた頃だった。リーバルしかいないシンと静かな室内に、部屋の戸を叩く控えめな音が響く。
……開いてるよ」
……うん」
 人ひとりがかろうじて通れるくらいに開かれた戸の隙間から、小柄な人影が滑るように部屋に入り込んできた。フードを目深に被ったリンクの顔はまたいつもの無表情を貼り付けているが、研究所での様子が印象に残っていたせいだろうか。部屋の明かりに照らされた白っぽい顔色にほんのり赤く染まった目元が妙に映えて見える。
……これ」
 フードをパサリと脱いだリンクは、前置きも何もなく手に握りしめていた小さなガラス瓶をリーバルの胸元へと押し付けてきた。
「なにこれ」
「プルアから、リーバルに。必要なら使って、って」
 リンクがプルアから託されたという小瓶は、『そういう気分になる』薬らしいとのことだった。プルアが手書きで書いたと思われるラベルには〈即効性!〉の文字が見える。
「ふぅん」
 リーバルはこちらの顔を見ずにグイグイと拳を押してけてくるリンクからとりあえず小瓶を受け取り、近くのテーブルに置いた。夜更けに人目を忍んでリーバルの部屋を訪ねて、その上こんな物まで持ってきたとあれば、リンクがどのような意図でリーバルの前にいるのかなど改めて確認するまでもない。
「騎士サマは覚悟してきたってわけね」
「うん。悪いけど、頼むよ」
「ハァ……
 リーバルは小瓶を翼の先で弄びながら、部屋の中で所在なさげに立つリンクの頭から足の先までを吟味するように横目でゆっくりと眺めた。
(コイツの見目がどう、とかはよくわからないけど……
 リト族であるリーバルにとって、曲線美を描く嘴も艶やかな羽毛も持たないハイリア人の美醜は正直なところピンとこない。しかし目の前の男の、無造作に結えられてはいるがツヤツヤと照明を反射して光る稲穂色の髪や、頬に影を落とすほどに長い睫毛、今はそっと伏せられてはいるが時々リーバルですらハッとするほど力強い意思を宿す空色の瞳は悪く無いと思う。性格が合うかどうかはともかく、少なくとも容姿だけ見ればおそらくかなり整っている方なのだろうと思うし、リーバルだってそりゃ醜い物よりは美しい物の方が好きだ。
 だから、こんな事態に巻き込まれるまで考えたこともなかったとはいえ、リンクとそういう行為をすることに関して生理的な嫌悪感があるわけではないのだ。本当に来るのか分からないリンクのことを部屋で待っている間に至った自分のそんな考えに、リーバルはひっそりと驚いていた。

「どうかな。リーバル」
 リーバルの沈黙をどのように受け取ったのか。リンクは判決を待つ罪人のようにリーバルに問うた。
(コイツにとっては、これもすべて厄災討伐のためってことだよね)
 厄災討伐のためなら、己に課せられた使命を果たすためならリンクはどんなことでもやる覚悟を決めているのだろう。それがたとえリーバルに抱かれるということであっても、ハイラルを救うためなら何とも思っていないのかもしれない。そんな覚悟を見せるリンクにこう頼まれて、ここでリーバルが尻込みをすれば「お前の覚悟はその程度なのか」とでも思われる気がして気に食わない。プルアのよこした薬もあるのだし、この男を抱くことくらい、する気になればできるだろう。そう考えると、こんな形であったとしてもリンクに恩を売るのは悪くないのかもしれないと思えてくる。
……わかったよ。相手をすればいいんでしょ、相手をすれば」
……!!」
 快諾とはいえないもののリンクを願いを聞き入れるというリーバルの答えに、きゅっと引き結ばれていたリンクの口元が安心したように弛んだ。そこからこぼれ落ちるように小さくつぶやかれたありがとうの言葉に、リーバルは尾羽のあたりがゾワゾワとするようなすわりの悪い思いをした。
「でも言っておくけどね、僕は即物的にはできないよ! ちゃんと手順を踏んでやりたいんだ、こういうことは」
「うん。リーバルに任せる」
 俺、こういう経験ないし……と恥じらうように言うリンクの様子に、リーバルは自分も初体験になることを棚に上げて少しいい気分になった。しおらしくリーバルの言うことを聞くリンクというのは新鮮で悪くない。
「それから、わかってるとは思うけど、乱暴にするつもりはないにしろ抵抗はしないでよね。キミみたいな馬鹿力に抵抗されたらたまったもんじゃないから」
「ぜ、善処する……
 頼りないリンクの返事にハァと本日何度目かのため息を吐いた後、リーバルはベッドの中央に腰掛けていた身体を横にずらし、リンクにベッドの上に乗るように促した。さぁ始めるぞ、と掛け声をかけるのも違うような気がして、ベッドに乗り上げたリンクの身体に半ば覆い被さるように、リーバルは無言のままリンクの顔に顔を寄せる。もうここまできたらなるようになるしかない。
「ん、……
 嘴で探るように触れた唇は温かく、少しカサついていた。反応を確かめるように数度擦り合わせる。大丈夫だ、嫌悪感はない。リンクの方も拒むような反応がないことを薄目で確認した後、嘴にそっと力を込めて唇を押しひらけばリンクは抵抗せずに素直に唇を開いた。忍び込ませた舌でリンクのそれを探り出し、ゆっくりと絡めとる。湿った肉同士を擦り合わせる行為は、ゾクゾクと何かが背骨を駆け上ってくるような初めての感覚を呼び起こした。恐る恐る触れていたのは最初の数度だけで、直接触れる肉の熱にすぐに夢中になる。
「ん、んんっ、……っ」
「っ、は、ぁ……、服、脱いでくれる?」
……わかった」
 ちゅ、ちゅる、といやらしいリップ音を最後に、夢中になって吸いあっていた口同士が離れた。気づけばカサついていたリンクの唇がしっとりと濡れて色づくほどに口付けを繰り返していたらしい。唇と同じように頬を上気させたリンクがリーバルの言葉に従って身につけていた生成りのシャツを脱ぐのを眺める。リンクの上半身を見るのは何もこれが初めてというわけではない。出陣の際や訓練の際に負った傷の治療や着替え、水浴びなどで何度も見たことのある身体だ。しかしそれに触れたことは今まで一度もなかった。それが今、リーバルに触れられるために目の前に晒されている。
……触るよ」
「うん」
 薄いシャツ一枚で隠されていたリンクの肌は、リーバルの記憶の通り無数の傷跡に覆われていた。小さいものから大きなものまでそれらの一つひとつをなぞるように、リンクの形を確かめるように翼を滑らせていく。わかっていたことではあるが、鼻も、耳も、胸も腹も指先までも、リンクの身体はリト族とは違った。サワサワと身体の隅々まで這わされる翼がくすぐったいのか、リンクは時折身体を震わせながらも受け身に徹しようとしているらしく、また初めのように口を引き結んで両手でシーツを握りしめている。抵抗するなとは言ったが、反応するなとまでは言っていないんだけどと思いながら、リーバルも無言で翼を滑らせる。
……あっ」
 リーバルの翼がリンクの両胸にある突起に触れた途端、それまでリーバルの好きにされるがままだったリンクの身体がピクンと跳ねた。
「痛い?」
「違う、その、普段人に触られる場所じゃないから……驚いただけ」
「ふぅん?」
 思わずこぼれてしまったと言わんばかりに口に両手を当ててモゴモゴと言い訳をするリンクの顔は赤い。小さいながらもツンと存在を主張している胸の突起は、ハイリア人の女が子供を育てる時に使う器官だと聞いたことがある。それが男にもあるのは何故だろうとぼんやりと考えながら、リーバルはさらに翼を滑らせた。翼がたどり着いたリンクの両脚の間、まだ布に覆われているそこに膨らんだものがある。
「そ、こは……いいよ、触らなくて」
「ハイリア人の身体に興味が湧いてきたんだ。これからする相手の身体を把握しておきたいって思うのは当然だろう?」
「うぅ……
 だいたい抵抗しないって約束だったよね? と念を押すリーバルに、リンクはうめき声とも何ともいえない声を漏らしながらモゾモゾと下衣を脱いだ。リーバルの目の前に、一糸纏わぬリンクの身体が晒される。どうせ後で見せることになるのだからと言って開かせた脚の間にはリンクの髪と同じ稲穂色をした体毛が控えめに生えており、その下からは半分ほど頭をもたげたリンク自身が覗いていた。
「へぇ。ハイリア人はこんなふうに剥き出しなわけか。何もかも丸見えだね」
 完全ではないにしろそこが反応しているということは、リンクもこの状況に興奮しているということなのだろう。それはやはり悪くない気分で、リンク自身を無遠慮に見下ろしながらリーバルがクスクスと笑うとリンクがたまらずと言った様子で膝を擦り合わせた。
「リ、リーバルにもあるんだろ?」
「もちろん。君たちみたいに剥き出しじゃないけどね」
 リト族のそれは必要な時にスリットの中から出てくるのであり、普段は体内に仕舞われている。とはいえ、リーバルのそれは正直すでにかなり興奮をきざしていて今にもスリットからまろび出そうだった。それを気取られるのがなんとなく気恥ずかしくて、素知らぬ顔で「リトの身体は機能的だろう?」とスリットのある下腹あたりに翼を当てる。すると、そんなリーバルをじっと見つめていたリンクが思い切ったように口を開いた。
「リーバル、そこ、舐めようか……?」
「は?」
「だってその、勃ってないとできないだろ? だから……
「い、いいよそんなのは!」
 上手くできるかわからないけど、などと言いながらリーバルの下腹部に顔を寄せようとする身体を突き飛ばし、リーバルはリンクをベッドの上に縫い付けた。両脚の間に身体を滑り込ませ、バランスよく筋肉がついた形の良い脚を片方担ぎ上げる。
「こっちのことは心配しないできみは自分の方に集中したらどうだい? ここだろう、挿れるのは」
「ぁ、……っ!」
 大きく開かされたせいで晒された身体の奥の窄まりに翼を這わされ、リンクが身体を強張らせた。緊張を思い出したのか、はたまたそこを暴かれる恐怖からなのか、触れた部分からリンクの身体が小刻みに震えていることがわかる。
「ハイリア人ってのは、普通はここを交尾には使わないんだってね。だとしたら、受け入れるにはそれなりに準備が必要なんじゃないの」
「う、うん……
 リト族は男も女も孔は一つだ。必要な時に出てくる生殖器然り、とても合理的で機能的だ。対して、ハイリア人の女の裸体を見たことはないが、用途によって孔が分かれているなんて無駄に複雑な作りだなぁとリーバルは思う。
 リンクはリーバルに抱え上げられていた片脚を下ろすとベッドの上で上半身を起こし、服を脱いだ際にまとめておいてあったポーチをゴソゴソと漁った。先にリーバルに手渡した物とよく似た形の小瓶が取り出される。これもプルアから託されたものだろうか。
「プルアにもそう説明されて、自分で準備しようと思ったんだけど……
 リンクがポーチから取り出した小瓶を傾けると、とろりと粘度を持った透明な液体が手のひらに溢れるのが見えた。どうやらそういう行為の際に用いるローションのようなものらしい。リーバルが見つめる前でリンクはその液体をぬるぬると指にまとわせると、濡れてテラテラと光る指をおもむろに自らの後孔に突き立てた。ぬぷ、と湿った音を立ててリンクの指が肉蕾の中にのみ込まれていく。
「ッなかなか、上手く、いかなくて……、んぅっ……!」
 それで遅くなったんだ、と言うリンクはなんとか自らの指を第二関節ほどまで身体の中に埋めながらも、それ以上は進めることができないようだった。淡々と自らの秘所を拓きながら、しかし羞恥を感じていないわけではないのだろう。浅い箇所でクチクチと指を抜き差ししながらふうふうと息を浅くリンクは顔を背け、眉根を悩ましげに寄せて下唇を噛んでいる。
……っ!」
 目の前で繰り広げられる痴態に、リーバルはごくりと息を呑んだ。リーバルに抱かれるために自ら後孔の準備をしているリンクの姿に、自身の雄が昂っていよいよ体内に収めておくのが難しいくらい大きく膨れる。リンク相手に興奮するなんて、という気持ちと、あのリンクがこんなことを、という相反する気持ちに感情が大きく揺さぶられる。開いてはいけない扉を開いているような背徳的な心持ちだ。
(こんな、ことしてさぁ……! 僕がリトの女の子に興奮できない身体になったらどう責任をとってくれるつもり!?)
 羽毛の生えていないスベスベとした肌はリーバルにとっては馴染みのないもののはずなのに、まるで発情期にでもなったのかと思うほどに劣情が湧き上がった。こんな、むき出しの性器も、丸見えの孔も全然リトとは違うのに。リーバルの前で無防備に艶かしい姿を晒すリンクにも、それにどうしようもなく興奮している自分にも無性にイライラする。
「あんまり、っ、上手くできないかもしれないけど……。リーバルさえ大丈夫なら、挿れて……?」
「な、何を言ってるんだ君はっ!」
 もうこれ以上は指を進められないと諦めたのだろうか。ぬち、と湿った音を立てながら後孔を開いて乞うリンクの言葉に、リーバルは我に返った。リンクの痴態にすっかり見入ってしまっていたことを誤魔化すように言葉が荒くなる。
「君の細っこい指の1本程度の隙間に収まってしまうほど僕のモノが粗末だとでも思っているのかい!?」
「そういうわけじゃないけど……。リーバルので押し広げていいから」
「そ、そんな強姦みたいなことをこの僕にさせようなんて、冗談じゃない! 言っただろう、ちゃんと手筈を整えて進めたいって。それを貸しなよ」
 リーバルは戸惑うリンクの手から小瓶を奪うと、中に残った液体を全て自分の手のひらにぶちまけた。指先の白い羽毛に、ねっとりとしたローションを念入りに纏わり付かせる。
「ほら、もっとこっちに寄って」
「う、うん……、っあ!」
 リーバルがリンクの後ろ孔に指を当てると、リンクは一瞬息を飲んで身を固くしたが、すぐにフッと力を抜くのがわかった。きゅっと眉根を寄せてはいるが、ふー、ーふー、と意識して息を吐いているのがわかるし、リーバルの指を拒む様子はない。従順なこと、と思いながらリーバルはリンクの呼吸に合わせて指先に力を入れた。ぬぷり、とリンクの肉壷がリーバルの指を飲み込み始める。
「狭いな……
「ふぅっ、うう……ッ」
 空を縦横無尽に飛び回るリーバルの指はリンクのそれよりもずっと太い。受け入れるリンクはそれなりに苦痛を伴うだろう。何も痛めつけたいわけではないのだ。リーバルは時間をかけ、根気強くリンクの中を慣らした。少し進めては引き、また少し押し進めていくと、そのうち控えめながらもリンクが甘い吐息を吐き始める。
「平気?」
……うん、大丈夫」
 リンクの様子を確認しながら指を進めていると、腹側の一箇所にわずかなしこりを見つけた。なんだろうと思いながらそこを弄ると、リンクが「ああっ!」と短く叫び、打ち上げられた魚のようにビクリと身体を跳ねさせる。
「なに。いいの、ここ?」
「わ、かんない、けどッ、そこ、んぁあ……っ!」
「いいみたいね?」
 リンクは慣れない感覚に訳がわからなくなっているようだが、そり返って腹に当たるほどに勃起したリンク自身を見ればリンクがそこで快楽を得ていることは明らかだった。リーバルが見つけたしこりをクリクリと嬲るたびにリンクは背を仰け反らせ、揺れる陰茎から先走りを溢れさせている。
「これならもう、入りそうだね」
「ぁ、はぁああ……っ」
 いつの間にか根元までズッポリと埋めていた指をゆっくり引き抜くと、たまらないとばかりにリンクは熱い息を吐いた。いつもより少し音の高い、掠れた喘ぎ声は聞いていて不快ではない。
……挿れるよ」
 目を覗き込んで確認するように言えば、リンクは快楽に顔を歪ませながらもしっかりとリーバルの目を見つめ返して頷いた。改めて「あぁ、これから抱くのはリンクなんだな」と自覚するが、リーバルのイチモツが萎える気配はない。リーバルは興奮に震える手でリンクの肉付きの良い太ももを押し上げた。リンクの肉壁をかき分けるように、痛いくらいに硬くそり返った陰茎を潜り込ませていく。
「あ、あ、あぁっ」
「く、……っ」
 リンクの中は熱く滑っていた。肉の弾力がきゅうきゅうとリーバル自身を包み込み、腰に痺れるような快感が走る。リーバルが腰を進めるたびに押し出されるように吐かれるリンクの嬌声も、潤んで震える瞳も悪くない。普段はリーバルの挑発もどこ吹く風とばかりに澄ましているリンクがリーバルの手によって乱れる様は興奮を加速させた。
「脚、自分で抱えてて」
「んひっ、……っ、ぁあ!」
 リト族が交尾をする際は後ろからのしかかるようにするのが普通だと思うが、ハイリア人はどうなのだろう。リンクが何も言わないのを良いことに、向かい合ったまま事を進める。リーバルはリンクの腰を両手で掴むと、ゆっくりと抽送を開始した。念入りに慣らしたおかげか、リンクの中は思ったより柔軟にリーバル自身を飲み込み、抽送はすぐに速さを増した。ふ、ふっ、と興奮に弾んだ息と濡れたリンクの声、ぱちゅ、ぱちゅ、と湿った肉のぶつかり合うリズミカルな音が室内に響く。
「あ、ああっ、リーバルっ、ああっ」
「さっき悦がってたの、ここ、だよねッ」
 リーバルが自身の切先でしこりを狙って打つと、リンクが目を見開いた。あっ、という短い悲鳴と共に空色の瞳から涙がこぼれ落ちる。
「リバ、っそこだめ、おかしくなる……!」
 気持ち良すぎてだめだと泣くリンクに、リーバルは腹の底がぐつぐつと湧き立つような感覚を覚えた。おかしくなる? 上等じゃないか。こっちはもうとっくにおかしくなっている。
「はは、今更だろう! いいよ、おかしくなりなよっ!」
「ひっ、ぁああ゛〜〜〜っ!」
 掴んだリンクの腰を自身の腹に打ちつけるようにしてしこりを穿つと、リンクは髪を振り乱しながら絶叫した。たまらない。嘴の端がクッと歪むのを自覚する。リーバルはすかさずビクビクと痙攣するリンクの身体を押さえ込むようにのしかかり、戦慄く肉壁を擦り上げながら最奥を暴いた。そこから先はもう夢中だった。蠢く肉が生み出す快感、リンクが快楽に啜り泣く声、興奮しきった自分の呼吸音でいっぱいで、何の目的でこの行為をしているのかなんて頭の隅にも無くなっていた。リーバルはただ興奮に導かれるまま、本能が求めるままに、リンクの身体を貪った。






 翌朝。
 何故かいつもより気だるい身体少し不快に思いながら目覚めたリーバルは、同じベッドに眠るリンクの姿を認めて危うく叫び声をあげそうになった。
(なんでコイツが僕の部屋に!? って、そうか、夕べ……
 寝起きでぼんやりしていた頭に昨夜の出来事が蘇り、リーバルは声にならない呻き声をあげた。抱えた頭でちらりとベッドサイドに視線を走らせると、プルアから渡された『そういう気分になる』薬の存在が目に入る。必要なタイミングで飲もうと思っていたのに、結局そんなものの手助けなど必要ないまま最初から最後まで事を済ませられてしまった。
…………
 その意味を深く考えるのは止そう。瞬時にそう判断したリーバルはするりと音もなくベッドを抜け出すと、部屋に備え付けられているシャワー室で昨夜の痕跡を綺麗さっぱり洗い流した。そしてすっかりいつも通りに身支度を整えると、まだベッドですやすやと穏やかな寝息を立てているリンクを叩き起こした。
「おいキミ、いつまで僕のベッドで眠りこけているつもりだい!?」
「んあ、……リーバル?」
 何でリーバルがいるの、と寝ぼけるリンクを力づくでシャワー室に放り込む。正直昨夜の後半の記憶は曖昧だが、リーバルがつけたとしか思えない情交の痕跡を色濃く残すリンクの姿を正視するのは目に毒だ。リンクはぼんやりとリーバルになされるがままシャワー室に放り込まれたが、しばらくすると水音が聞こえ始めたことからちゃんと身体を洗い流しているのだろう。リーバルがやれやれと思いながら淹れた茶を飲んで一息ついていると、シャワーを終えたらしいリンクがシャツに腕を通しながらシャワー室から顔を覗かせた。
「その、リーバル。夕べはありがとう」
「ふ、ふん。キミにしては殊勝な態度じゃないか。体調はどうなんだい?」
「うん。悪くないよ」
 そういうリンクの顔色は確かに昨日よりは良いように見えた。目的は達成できたようだ。何はともあれリーバルは頼まれた役目を無事に果たしたのだからもうリンクがここにいる必要はないだろう。身体に不調がないのであればさっさと自室なりどこへなりと帰ってくれないかと促すリーバルに、リンクはダメだよと首を振った。
「プルアに言われてるんだ。研究所に報告に行かないと」
「あっそう、ならさっさと行けば」
「リーバルも一緒にだよ」
「はぁ!? 何で僕まで……っ」
 キミが1人で行けばいいだろう!? と喚くリーバルを、リンクが「プルアがリーバルからも報告を聞きたいし、バイタルチェックも必要だって言ってたよ」と言いながら強引に引きずっていく。何が悲しくて性交の報告なんかをしなくてはいけないのだ。そう嘆くものの、すっかり身体の調子を取り戻したらしいリンクにリーバルは単純な腕力では敵わない。
(まったく、すっかりいつもの無表情じゃないか……
 しかし有無を言わさぬ力でリーバルを引っ張って進むリンクの後ろ姿をよく見ると、下された稲穂色の髪から覗く尖った耳の先端が桃色に色付いていていることに気づき、リーバルはハァとため息をついてリンクに抗う力を抜いた。いつにない強引さはもしかするとリンクなりの照れ隠しなのかもしれない。コイツにも、色々と思うところがあるのだろう。リーバルだって、リンクが研究所で見せた反応の真意が気にならないと言えば嘘になる。しかしそれを掘り返したところで、きっと何も良いことは起きないだろうから、リンクが何も言わないのであればリーバルも嘴を開かない。
 リンクとリーバルの身体の相性は悪くなかったと言えるだろうし、正直なところリンクの身体はかなり具合が良かった。今でも「あのリンクと……」という気持ちがないわけではないし、しばらくは顔を見るたびにむず痒い気持ちになるかもしれないが、きっとそれも厄災に立ち向かう忙しい日々の中で薄れていくはず。貰い事故のようなものだと思って忘れてしまうのが互いのためだ。そんな事を考えながらリンクに引きずられるがままに研究所へと辿り着く。
 数分後、リーバルは興味津々と言った様子のプルアに根掘り葉掘りと昨夜のことを問い詰められ、身体中の隅から隅までバイタルチェックという名目で研究員たちに調べられ、おとなしく研究所に運ばれてきたことを大いに後悔した。そしてリンクとの身体の相性が悪くないと知るや否や、これからも定期的にリンクへと精力供給することをプルアから命じられ、リーバルのひっくり返った悲鳴がハイラルの晴れ渡った空に響き渡るのはそれからさらに数十分後のことだった。

終わり