万年青
2025-12-21 10:12:37
1309文字
Public ポケ擬
 

なつラク(出会い)

うちよそ


その後、2人で商店街を歩いている。
「お金があるなら何故
 最初から買わないんですか?」
「何で?そりゃあ、面白いから。」
「っ?!面白いという理由で盗むんですか?!」
「昔の癖みたいなもんだね。」
「昔の?」
「元々盗賊で
ラックの過去を聞いた棗さんは、
さらに警戒心を強める。
元盗賊――つまり、ただの万引き犯ではなく、
過去に組織的な犯罪に関わっていた
可能性がある。
「ところで、坊やはいつまで
 付いてくるつもりだい?」
「ずっとです。」
「はぁ?!」
「それと、僕は坊やではありません。
 棗という名前があります。」
「棗ね。あたしはラック。
 で、ずっとっていうのは?」
「貴女を放っておけば、
 また盗みを働くに決まっています。
 だから、取りあえずは貴女が真っ直ぐに
 家に帰るまで付いて行きます。」
「で、その後は?」
「貴女が外出する際は、
 ずっと見張ります!」
棗さんの瞳は真っ直ぐだった。
ラックはその視線に一瞬だけ気圧されるが、
すぐに挑発的な笑みを浮かべる。
……好きにしな。どうせ退屈してたし、
 監視されるのも悪くないかもね。」
そう言って肩をすくめるラック。
「貴女が悪いことをしなければ、
 僕から見張られなくてすみますよ。」

こうして、ラックと棗さんの
奇妙な関係は始まった。