万年青
2025-12-21 10:11:07
1370文字
Public ポケ擬
 

ラルトラ(出会い)

うちよそ


やがて2人はラルグの家に辿り着いた。
トラルさんはラルグをベッドに座らせ、
台所から水を持ってきた。
「ほら、飲んでください。」
……うぅ……ありが…………
水を飲んだラルグは、
倒れるようにしてベッドに横になる。
「風邪引きますよ。って、ちょっと?!」
タオルを掛けようとしたトラルさんに
腕を回したラルグ。
トラルさんを抱き枕のようにして
眠り始めてしまった。
「あのちょっと
トラルさんが必死に抵抗するが、
ラルグはびくともしない。
……(どうしましょう)」
自分1人ではどうすることもできない
トラルさん。
渋々、ラルグの腕の中で眠ることに。

朝の光が窓から差し込む。
目を覚ましたラルグは、
見知らぬ少年を抱きしめていたことに
気付く。
……うおっ!お、お前は?」
「おはようございます。」
ラルグはトラルさんから一部始終を聞くと、
勢いよくベッドから飛び降りた。
「す、すまん!本当にすまん!」
床に膝をつき、深々と頭を下げるラルグ。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
トラルさんは目を丸くし、
すぐに手を振った。
「世話をしてもらったのに、
 抱き枕のようにして眠ってしまうなんて
「いいんですよ。
 困っている人を助けるのは
 当然ですから。」
本当に助かった。俺はラルグ。
 この度は、本当に申し訳ない。」
「僕はトラルです。
 こういうことは慣れてますから。」

街角での偶然が、友情の始まりとなることを
今は誰も知らない。