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山城まつり
2025-12-14 15:54:11
8483文字
Public
クリムゾン・ジェネシス
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シャルラッハロートの診療録─クリムゾン・ジェネシス─Ep.009【完結】②
前回:Ep.008
https://privatter.me/page/69341936badd5
シリーズ:
https://privatter.me/user/YamashiroMatsuri?category=91299
シャルラッハロートの診療録─クリムゾン・ジェネシス─、堂々完結~~~~!!
長い間お付き合いくださり、ありがとうございました! 実はエピローグ、ふたつ生えてしまったのですが、よければ読み比べていい方を教えてください……。こっちは余韻を残したエピローグ、もうひとつは希望を与えたエピローグになってます。
もうひとつ:
https://privatter.me/page/693d55d1610f5
それではどうぞ、お楽しみください。
※本シリーズは医療従事者でない人間の書いた医療の描写を含みます。症例論文、手術動画、医学書などを参考に執筆していますが、現実の医療と異なる場合があります。特に本シリーズは「魔法医療」を描いておりますので、現実の医療と大きく異なる部分があります。
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あとがき
このたびは本作『シャルラッハロートの診療録─クリムゾン・ジェネシス─』を手に取ってくださり、ありがとうございます。
前作『ヒイロノカイ』から来てくださった方、今回がはじめましての方、どちらの方にも、心からの感謝を。
本シリーズ『シャルラッハロートの診療録』は一貫して「医療に馴染みのない若者に贈る医療もの」をテーマに書いているのですが、いかがだったでしょうか。医療って、難しいですよね。ふわ~~っと医療ドラマを雰囲気で楽しむ事が出来ても、手術シーンで何をやっているのか分からないという方も多いと思います。
そんな中で本作・本シリーズは、出来るだけ詩的な表現を用いて手術描写を描き、医療ものに触れない方にも分かりやすく書けないか頑張ってみているのですが
……
いかがでしたでしょうか。少しでも「面白かったよ!」「なんとなく分かったよ!」と思っていただけたら幸いです。そして本作・本シリーズを門として、医療ものにも触れていただけたら
……
本当に嬉しいです。
さて、シャルラッハロートの診療録─クリムゾン・ジェネシス─』を書き終えた今、私はようやく、この物語が何を問い続けていたのかを言葉に出来る気がしています。それについて語ってみようと思いますので、お時間がある方はもうしばしお付き合いください。
この物語で私が書こうとしたのは、「普通とは何か。普通でない人は、人間ではないのか」という問いでした。
私は、障がい者福祉の現場で働いています。
そこに居る利用者さん達の奥は、「多数派か少数派か」と言えば、間違いなく少数派に属する人達です。
そして私自身もなた、障がいを持ち、少数派であると言える立場に居ます。
普通じゃないから苦しい。
普通に出来る筈の事が、出来ないから苦しい。
かつての私は、ずっとそう思っていました。
けれど、今の仕事場で教えてもらったことがあります。
それは、「普通ではない」という事実を否定しないこと。その劣等性を、劣等感に感じなくてもいいということ。普通であろうとしなくていい、普通でなくてもいい、ということでした。
そう分かっていても、それでも──世界は決して甘くありません。
多数派のために作られた社会の中で、少数派はどうしても生きづらい。その現実は、簡単には変わりません。
だからこの物語は、「障がいがなくなった」「普通になれた」という完全なハッピーエンドを選びませんでした。
ハンデを抱えたまま、それでも生きていく。
助けを得ながら、協力しながら、自分なりの選択を重ねていく。
事実として神になりつつありながらも人として生きようとする翠の生きざまを通して、そんな姿を描きたかったのだと思います。
この世界は、人々に「できること」と「それでもできないこと」を同時に与えてきます。私達は、その両方を抱えながら、この世界から逃げずに生きていかなくてはなりません。
特別な力を持つ人間は、幸せなのか。
普通と違う人間は、人間ではないのか。
この問いに、作中で明確な答えは出していません。
現実でもまた、答えはひとつではないからです。
けれど、前を向いて歩き続ける限り、責任と向き合い、生き続ける限り、私達は普通ではなくても、この世界で生きていける。
もし読み終えた後に、胸の奥に小さな引っかかりや、言葉にできない感情が残ったのなら──それこそが、この物語が残したかったものです。
結びに、この物語を此処まで導いてくれた全ての読者様に、初稿から応援してくださっているDiscordの皆様に、そして、この世界で生き続けてくれた登場人物達に心からの感謝を込めて。
また、次の診療録でお会いできる日を願っています。
この本の向こうより、愛を込めて。
山城まつり
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