訪ねたドアの向こうから現れたのは、シンプルなTシャツにホットパンツを着た女性だった。サイズがあっていないのか、それともデザインでなのか、上下共に体のラインがはっきりと出ている。
そして、俺と同じ目線、いやそれよりも高い位置に顔がある。玄関に段差があるからとか、そういう理由じゃなく、本当に自分より背が高い女性だった。
彼女は不信感を隠さずに、少し棘のある調子で言う。
「あの、何か?」
「こんにちは。お時間よろしいですか」
俺は驚きを隠して、いつも通り勧誘を始めた。……が、反応が芳しくないのはすぐに分かった。
「はあ……」
俺が何を言っても気のない声で相槌が打たれる。
つまらなさそうにする顔にはそばかすがあって、気怠そうな態度とは裏腹に活発そうな雰囲気があった。
緩くウェーブがかかった髪は赤みが強く、その長さが肩につくかつかないかくらいなのも、その印象を強めていた。
暖簾に腕押しといった感じだろうか。こちらが何を言っても、適当な返事未満の声がなんとなくでされているだけ。
しかし、それもいつものことだと、俺は内心で気を取り直しながら話していた。その最中で不意に、彼女から話題が差し込まれる。
「おにいさん、スポーツとかやってる?」
「え? まあ、はい」
「だよね」
彼女は溜息をつくと、呆れた様子で話す。
「こんな陰湿なことやってないで、ビーチで女の子ナンパしたら。そっちのが幸福度高まるよ」
「は……?」
「じゃ」
彼女に短くそう言われてから、俺の目の前で容赦なくドアが閉められた。
俺は唐突な出来事にぽかんとしたまま、しばらく佇んでしまう。
陰湿、ビーチ、ナンパ、幸福度。言われた単語が宙に浮き、思考が止まっていた。
……ここで考えていても埒が明かないので、「また明日、来ますね」とドアの前で呟いて、持ち帰ることにしたのだった。
主人公
スキーとかダイビングとかやってる系。髪色とそばかすはそのせいと生まれつきで半々。
どちらも金や迷惑がかかる趣味だから、家族を亡くしてから我慢してる。
おにいさん
アクティブな趣味持ち(バスケとか)だけど、この主人公はそれを超えるから頑張ってね。
この主人公とくっついたら雪山登山に付き合わされるかもしれない。
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