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保科
2025-10-20 23:07:23
1540文字
Public
スタレ
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vsデートプラン
アグサフェ むちもま……おれだよ…… 人のアイデアを盗用し謎のアレンジを加え原型をなくす、愚行(陳謝)
「
――
という行程は、如何でしょうか」
アグライアが流暢なプレゼンをもって告げたのは、休日にサフェルと巡る予定の観光ルートについての詳細だ。
名所を散策しながら軽い食事をし、買い物をして帰る
――
おおよそオーソドックスといえる過ごし方。事前にいくつかの書物に目を通したうえで検討を重ねた案には、これといった問題はない筈。
何故か『事前に教えて欲しい』と伝えられていたための説明を終えつつ、相手の反応を覗えば。
――
ぺしり。不機嫌そうなサフェルの尻尾が、床を打つ。
「
……
ライアさあ、あたしのリクエスト、ちゃんと聞いてた?」
「ええ、勿論です。
――
『私の行きたいところ』、でしょう」
――
次、アグライアの行きたいところね。
条件として課されたそのリクエストの真意こそわからないものの、こちらに選択が委ねられている以上、行先は限りなく自由なはずだ。このプランとて、けしてその意図から外れることはないはず、そう思っての提案だった。
けれど、予想に反してサフェルは大きく頭を振る。
「なら、絶ッ対違うじゃん!」
「そんな、違うとは」
「あんたがこんなお手本みたいなつっまんないルート選択する筈ない、どこの受け売りの何?てかバニオもないし、冗談だって笑えないね!」
「言ってくれますね
――
貴女とともに過ごす時間をより良いものにするという意図は、当然含まれます」
「だからそれを含むなっつってんの!」
「
―――
」
何故。想像よりも強い声で叱られた、アグライアの率直な感想だった。
元より、アグライアは『何処かへ行きたい』という欲があまり強くはない。出かけるならば家で新しい生地の選別を行っている方が有意義と考えてしまいがちで、だからこそ、サフェルに連れ出されることは彼女にとって大きな気分転換だった。
そんな、アグライアに未知をもたらす彼女を喜ばせない理由が一体どこにあろうか。というか
――
『セファリアを喜ばせない理由が見つからない』。
彼女が好まない地域や客層の店を選ぶ理由も、彼女が嫌がるバニオに態々行く理由とて当然なく。そうやって絞り込まれたルートは自然、オクヘイマ市民の人気スポットに絞り込まれてしまうわけで、
――
そこに、ブルジョアかつ優雅さを好むアグライアの思考は欠片も残らず。
「その、ですが」
「ですがもイカルンもなし!もっかい言うよ、あんたのやりたいこと、言って!」
「
―――
」
――
バニオに入った後サフェルの為の服を作り、メーレを飲んで眠る。指をさされた瞬間脳裏をよぎる、その考えうる限りアグライアにとって最も自堕落な過ごし方は
――
流石に、彼女と共有するのはあまりにも憚られ、目を背ける。
「
……
ですが、私は
……
そもそもが、貴女がと過ごす時間であればどれも代えがたい貴重なものでして
……
」
「今の間絶対なんかあるでしょ!いーえーっての!」
「セファリア。何故、それほどまでに強要するのですか?貴女とて、これまでの私が立てたプランについては、どれも満足していたでしょう」
つかまれた両手首を振られるがままのアグライアがこぼせば、だって、とサフェルの耳が悄気たように伏せられる。
「
……
あたしばっかり楽しいじゃん、あんなの」
「
……
?」
それの何が一体問題か。アグライアが首を傾げるのに、サフェルはだからあ!と、最早駄々をこねるように口にする。
「あたしは、あんたが楽しいって思うことも知りたいの!一方的じゃなくて!分かる!?
――
折角のデートじゃん!」
「
……
それは、勿論、貴女が私の隣で、楽しんでいることですが
――
」
困惑を顔に滲ませるアグライアに。
サフェルは、大きく、大きく息を吸うと、
「
――
そうじゃないってのバカライア!」
「馬鹿!?」
すれ違いは終わらない。
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