真九龍
2025-10-09 19:50:46
5362文字
Public 小説
 

君ト秋月ヲ見ユ Three years later...

中秋の名月を初めて見た日から、三年後のお話。
【君ト秋月ヲ見ユ】の後日談です。
【大正】の鳴海×ライドウと【昭倭】のナルミ×雷堂、二つのお話が有ります。
物語の展開と内容は一緒ですが、ニュアンスが少し異なります。
注1:ライドウremaster版をプレイ済み及びクリア済み。
注2:捏造多発注意報が出ています、ご注意下さい。


【コソコソお蔵入り裏話】
本編に入れるとだらだらと長くなってしまう為、省略せざるを得なかったネタをお馴染みのプロット形式型小説で供養します



あれから三年後の中秋の名月、酒が進む最中、ライドウ(雷堂)は思い出したかのように立ち上がり、少しだけ席を外すと鳴海(ナルミ)に伝え、屋上を一旦降りる。鳴海(ナルミ)がライドウ(雷堂)の行動に首を傾げながら酒を飲んでいると、トレイを抱えたライドウ(雷堂)が戻って来た。
持って来たのは、どうやら飲みもののようだ。
鳴海(ナルミ)の隣に腰掛けて、彼にグラスを渡すと、氷がグラスにカランとぶつかる音と共に、芳醇な香りが鼻を掠める。「ひょっとしてこれ、梅酒?」と訊ねると、少々恥ずかし気味な様子とそわそわした態度で「僕が、作りました」(「俺が、一から作ったものだ」)と答える。ライドウ(雷堂)の手作り梅酒というまさかのサプライズに、鳴海(ナルミ)もびっくり。
六月の或る日、お節介お婆さんから旬の梅をドドンッと貰ったライドウ(雷堂)。貰ったのはいいものの、消費するにはどうしたらいいかと悩んでいたら、梅干しか梅酒を作ってみてはどうかと勧められる。何方も保存が利くものだが、ライドウ(雷堂)は鳴海(ナルミ)と一緒に酒を飲みたい想いから、梅酒を選択する。必要な材料と熟成期間をお婆さんから聞き、氷砂糖を問屋で、ホワイトリカー(※果実酒を漬けるのに必要な焼酎)を酒店で購入する。因みに二つの店舗の店主から、ライドウ(雷堂)が普段購入しないものを購入しようとしていた為、「梅酒を作るのかい?ひょっとすると、ライドウくん(雷堂くん)も二十歳を迎えたのか?」と問われ、頷くと、二十歳のお祝いとして無償で受け取ることになったという微笑ましい経緯有り。
鳴海が不在の時にこっそり仕込み、倉庫に仕舞って三ヶ月程熟成することになる。飲み頃は、中秋の名月が見られる秋口あたり。鳴海(ナルミ)と一緒に月見酒をする日を楽しみにしながら、倉庫を後にする(※梅酒の様子を時々見に来ています)。
ライドウ(雷堂)お手製の梅酒に、鳴海(ナルミ)は感激しながら梅酒を口に含む。ライドウ(雷堂)は鳴海(ナルミ)の反応にドキドキしつつ、自分も口に含む。

【鳴ライの場合】
ライドウの梅酒は甘めの風味で、水で割ると丁度良い味に仕上がっていた。飲みやすさ故、一気に飲み干したくなるところだが、鳴海はゆっくり味わいながら、愛しき人が作った梅酒を飲む。
「ライドウの梅酒は、甘味の無いソーダ水で割っても美味しいかもな」と鳴海が呟くと、「今度試してみましょうか」、と頬を紅潮させながら同意するライドウ。
梅酒ソーダ、誕生の瞬間である(※違います)。

【ナル雷の場合】
雷堂の梅酒は甘味がやや少なめで、あっさりした味付けに仕上がっていた。もう少し砂糖を入れるべきだったかと落ち込む雷堂に対し、ナルミは「甘味はソーダで補うと良い塩梅になるだろう」と柔らかくフォローする。
此方でも梅酒ソーダ、誕生の瞬間である(※違いま以下略)。
「雷堂の梅酒は、敢えて氷だけ入れてちびちび飲んでくと美味いかもしれない(所謂ロック割り)」とナルミが呟くと、「其れはどんな飲み方だ?」と首を傾げる雷堂が年相応で可愛く、つい口が綻んでしまうナルミ。勿論雷堂にばっちり目撃されるも、今日もまた特別な日という意味で流し、月を眺めながら自作の梅酒を少しずつ飲んでいく。