保科
2025-09-18 17:35:00
1714文字
Public スタレ
 

八月の全てをくれないか!

はーい! 謎時空黄金裔(セリフのみ)

「サフェルさん、海に行かないかい?黄金裔のみんなでさ!」
「えー……海ぃ〜?別に行かないけど……
「そんな……!キャストリスさんもモーディスも行ってくれるんだよ!」
「は、はい。初めての海ですが頑張ります!」
「俺は行かないが」
「一人行かないって言ってるけど」
「何を言ってるんだモーディス!一緒に行ってくれるだろう!?なあ!僕にじゃんけんで負けたメデイモス!」
「このHKS……ッ!」
「いや、あんたらはどうとでも好きにすればいいけど……
あたしは絶ェッ対行かないよ、あんな暑くてベタついてしょっぱくてめんどいところなんて。そもそも水も嫌いだし?オクヘイマの淡水で十分十分。
ほら、他を当たりな坊や」
……キャストリスさん」
「え!?あ、あの。
私も、非常に楽しみにしていまして……どうしても、ダメでしょうか……?」
「なっ……いや、姫の泣き落としも効かないから!やめてよ情に訴えんの!」
「そこそこ効いてないか」
「うっさい王子!」
「フン」
……そうか。じゃあ、仕方ない。
早速ですまないけれど、奥の手と行こうか」
「は?」
「サフェルさん。このあと僕は、アグライアに声をかけに行く――この意味がわかるかい」
……なぁっ――!あ、あんた……それ、本気で分かって言ってんの……!?」
「ああ、勿論だとも。
……きっとアグライアは僕の誘いを快諾するだろうね。彼女は黄金裔の交流を一番喜んでくれる人だ。誰よりも参加したがるだろう」
「けど……そんなことしたら!水辺に群がる俗物平民の吹き溜まりにアイツの神々しい肢体が晒されることになること分かってんの!?鼻の下伸ばしてる男共が1回見る度にもれなく10000テミスは取るべきだよ!?」
「おい、とんでもないこと言い出したがこの女」
「ふきだまり……?」
「うん、まあ、……そうとも言える……かもしれない。
とはいえ、無闇にお金を徴収するわけにもいかないからね。僕らも極力彼女が危険な目に遭わないように配慮するつもりだけど――ううん、まあ、夏の海は何が起こるかわからない。それが定石ってものさ。
さて、どうしたものかな。例えば一人、頼れる俊足の護衛がいてくれたのなら、憂い事はないかもしれない――ねえ、サフェルさん?」
「だっ……このバカ……ぐぅっ………!」
「さ、サフェル様が悩まれています……!」
「茶番だな……
「ああ、もう!もう……
――いい、救世の坊や。
まだ、あたしは行くって決めたわけじゃないからね!」
「勿論!明後日の朝、このあたりに集合でよろしくね!」
「ライオンちゃんそいつあたしの代わりに一発ぶん殴っておいて」
「了解した」
「何故だい?」
「あ、サフェル様――……あっという間に行ってしまいました」
……あれは、来るだろうな……
「来ますね……
「よしよし。じゃあ、次に声かけに行こうか」
「ハァ……アグライアの所か?」
「ん?いや、アナイクス先生とヒアンシーさんのところだよ」
「?え、でも、今、これからアグライア様に、と……
「ああ、そっか……ごめん、二人には伝えそびれていたね。
いや、実はアグライアには、すでにカイザーと一緒のタイミングで先に確認してるんだ。
やはり、黄金裔に声をかけるのに、指導者の立場の人を蔑ろにするわけにはいかないから」
……?え、でも、それではおかしいです。なぜサフェル様には未確定であるかのような伝え方を……?」
「いや、実際にアグライアはまだ未定だったんだよ。
極力仕事を調整するが厳しいかもしれない――『もしくは、セファリア――サフェルが参加するなどの非常事態ならば、何を差し置いても向かいますが』とは、言われていてね」
「お前、まさか……釣ったのか?」
「『かもしれない』アグライアによって、サフェルさんが参加して、それによってアグライアも来てくれる。
うん……これで一件落着だ!良かった良かった!」
………
………
「ええと……二人ともどうしたのかな?そのじっとりとした目は」
「モーディス様、あの。
……もう二発くらい、追加しても……
「了解した」
「何故だい?」