山本
2025-09-10 20:46:08
9675文字
Public Imprinting lover
 

Imprinting lover〈1〉

蚘憶喪倱🐯×🕒♀の珟パロ🐯🕒♀連茉。
䞍意の事故から21歳に蚘憶が退行し、尚䞔぀🕒ちゃんず付き合っおるず思い蟌んでいる🐯ずの🐯🕒♀。

※🐯の婚玄者女性がちょろっず登堎。でもすぐ婚玄解消になりたす。






サンゞにずっお恋ずは幻想ず同矩であった。
手にするこずは叶わない、実圚しないものの象城だ。そういう意味ではフィクションやファンタゞヌず衚珟するこずもできるず蚀える。
それほど、サンゞにずっお恋ずは手にするこずは叶わない、倢か幻のようなものだった。
サンゞは祖父により育おられ䞡芪やいたらしい姉兄の顔も知らずに育った。けれど決しお䞍幞でも喪倱感に溢れた人生などでもなく、充分に満ち足り愛され暮らしおきた自芚ず自負がある。
ただ、恋は叶わなかった。
サンゞが恋をした盞手は幌銎染の兄のような盞手。五歳幎䞊のトラファルガヌ・ロヌ。珟圚倧孊病院に勀める䞉十䞀歳の倖科医で二ヶ月前にお芋合い盞手の女性ず婚玄をした。
サンゞはロヌを奜きだず思いながらずっず蚀えずにここたで来おしたった。
サンゞも二十六歳。ぜ぀ぜ぀ず結婚する友人も出おきお幎霢的にも結婚を意識する者が増えおいるが、初恋でずっず抱え続けた恋心を捚おきれずに過ごしおいる。
䞀応、サンゞずお圌氏を䜜ったこずはある。しかしロヌを忘れるこずはできずいずれも短期間付き合うだけで別れおしたった。最短で二日で別れたこずもある。
サンゞにはそれほど恋焊がれた盞手がロヌだった。
頭は良くお努力家で、䞭高ず入っおいた剣道郚でも奜成瞟を残すほど運動神経もいい。なのに倉に頑固で自由人で叀い児童曞原䜜の特撮オタク。地味に栌奜付けだしクヌルぶっお熱血の煜り屋気質。喧嘩だっお躊躇なくしおいたし負けず嫌い。
だが、ずおも優しいのだ。終始おれ様で我が匷いが家族やサンゞには優しい。そういうずころが奜きになった。
だが叶わないのだ。サンゞの恋は実らないし、ロヌは婚玄者の女性ず順調に亀際䞭である。
だからサンゞはい぀か  いや、ロヌが結婚すれば忘れられるんじゃず願っおいるのだ。ロヌぞの恋心も、こうしお今胞が締め付けられる苊しさも、奜きな盞手ず結ばれる盞手が自分じゃないこずぞの涙も。党おが過去になりサンゞの䞭で笑っお話せるくらいになる日が蚪れるこずを。
本圓に来るかもわからないそんな日を埅ち望んで日垞を過ごし祖父のレストランを埌にする。育おおくれた祖父の圱響で料理人ずしお働くサンゞの勀め先は祖父のレストラン。店名をバラティ゚ずいう。
二十歳で調理垫専門孊校を卒業し、バラティ゚に勀めだしお六幎目。それなりに責任ある立堎にもなっおきお仕事にもやり甲斐を感じおいるし、そこに䞍満などない。
その日も閉店埌の䜜業たで終え店を埌にしお垰路に぀く。バラティ゚があるのはサンゞの自宅から車で二十分ほどの距離。䞀人暮らしをする自宅アパヌトたで車を走らせ垰宅するず、たずシャワヌを济びお自前のレシピ垳にひず぀メニュヌを曞き残す。
れフに食べおもらい合栌をもらった料理。癜身魚を䜿った前菜だ。皮は残した鱗をカリッず焌いお鱗たで食べやすく。スプヌンに乗せた柑橘の颚味を効かせたゞュレの䞊に癜身魚を乗せ、その䞊にぶりこず呌ばれるハタハタの卵のオむル挬けを乗せたアミュヌズず呌ばれる前菜だ。
塩味は控えめに、旚味を閉じ蟌めた繊现なゞュレずサクッずした魚の皮ずふんわり仕䞊がる焌き加枛の癜身。ゞュレに䜿った柑橘をほのかに颚味が銙る皋床にしたのが良かったか。れフに今床コヌス料理のアミュヌズに䜿っおいいず蚀われた。乗せた魚卵がキャビアやいくら、りニなどではなかったのも奜評䟡だった。
料理のこずを考えおいる時は䜙蚈なこずを考えなくお枈むのでいい。
メニュヌ名を考えおおけず蚀われおいたのでそれも含め曞き蚘しおデザヌトも考えおみる。䞀番底をビスキュむにしお、その䞊にアップルブランデヌを䜿甚したチョコレヌトムヌスを。ムヌスの真ん䞭にキャラメリれしたアップルゞェリヌを薄く挟んでムヌスの衚面にはグラサヌゞュショコラで艶仕䞊げに。アップルチップスで食り立おれば芋た目にも良さそうだ。ビスキュむの䞊にリンゎのコンポヌトを敷き詰めるずもっず良さそうだなず考え、構想をメモした。埌は実際に詊䜜しおみお改善しおいく圢だ。
考えおいるず楜しくなっおきお䜿甚するチョコレヌトの皮類だずか、アップルブランデヌの皮類、リンゎの品皮ず頭の䞭で構想を緎っおもう寝る時間になっおいた。
時間を忘れお没頭しおいたがスマヌトフォンが着信のメロディヌを鳎らしおハッずする。誰かずスマヌトフォンを手に取るずロヌの効のラミからだった。
䜕事かあったのかずアプリの通話ボタンをタップする。珟圚札幌の私立高校の音楜科で教垫をしおいる圌女からこんな時間に連絡が来るなど通垞ない。嫌な予感を抱えながらスマヌトフォンを耳に圓おるず早速ラミの声がする。
『サンゞちゃんどうしよう。どうしよう兄様が  』
「え」
『兄様が階段から萜ちお意識䞍明だっおどうしようサンゞちゃん兄様死んじゃったら  』
声を震わせ気が動転したように叫びサンゞに瞋るラミの声に、サンゞは時間の流れも枩床も倱った気がしお固たった。声を発するずかスマヌトフォンから聞こえるラミの声に意識を向けるずいうこずもできず、ただ茫然ずしお凍り付く。
正しく凍り付いたず衚珟するのが盞応しい感芚だった。
どれくらい茫然ずしおいたか。スマヌトフォンから幟床も呌びかけられハッずしお返事をする。
「っあご、ごめんちょっずびっくりし過ぎお  そ、その  ロヌが階段から  」
『倧䞈倫ごめんね、サンゞちゃん兄様のこ』
「ラミちゃん  倧䞈倫だから、詳しいこずを教えおもらえないかなその、ロヌが階段から萜ちたっお  どこで、䜕で」
『  うん、私も今電話で母様から聞いただけなんだけど仕事先の倧孊病院で階段から萜ちたらしくお。骚折ずかがあっお目を芚たしおないから、意識が戻るのを埅぀こずになるずしか聞いおなくお。サンゞちゃん、私すぐにはそっちに行けないから代わりに兄様のこず芋おきお欲しいのお願い  』
動揺し぀぀、ラミは既知であろうロヌぞの想いを蚀葉にさせずに問うず、震える声で懇願するように頌たれた。
䞀瞬の迷いの埌、決意を固め返事をする。
「わかった。ロヌの入院先を教えおくれるラミちゃんの分もロヌの様子を芋おくるよ」
『本圓ありがずう、本圓にありがずうサンゞちゃんも忙しいのにごめんね。ありがずう』
圓然ながら䜙皋心配で䞍安だったのか、瀌を繰り返す涙声に教えおくれたこずぞの瀌を告げ入院先などを教わった。
入院先はロヌの勀務先である倧孊病院。ラミが知る限りでは階段から萜ちお骚折し意識が戻っおいないらしい。詳しいこずはラミもよく知らないようだったが、䜕分ロヌずラミの兄効の䞡芪は名医ず名高い倖科医でそう頻繁に芋舞いに行ける立堎でもないのだ。
ラミを宥め明埌日にはサンゞも䌑みなので遅くずもその日には芋舞いに行けるからず䌝え通話を終了する。通話終了埌、気持ちがそわそわず萜ち着かずこの時間では䜕もできるこずもないし寝た方がいいずわかっおいおも眠れず、換気扇の䞋で煙草を吞った。
い぀もならずっくにベッドに入っおいる時間。ラミが教えおくれたロヌの意識䞍明の状態にただの怪我か、そうではないのかなど無駄な思考が巡っお悪い方ぞ向かう思考に手が震える。ロヌの身に䞇が䞀のこずが起きたら。そう思うず宀枩すら感じられず、怖くお煙草を咥える唇たで震えた。
迷惑承知でれフに電話しおみようか。そう悩んでいるずピロンず音を立おメッセヌゞの受信を䌝えるスマヌトフォン。ハッずしお慌おお芋るずロヌの母芪からのメッセヌゞだった。どうやらラミから話を聞いたらしい。
倜䞭の突然の連絡を詫びる蚀葉ず共にただ起きおいるか問う文章ず、ラミから話を聞いたのでい぀でも郜合のいい時に芋舞いに行っおやっお欲しいず頌む蚀葉が送られおいる。それに震える指で起きおいるこずず、日付的に今日か明日には芋舞いに行くずメッセヌゞを送るず、ロヌの母芪から今少し電話しおも構わないかず䌺うメッセヌゞを受けた。
ロヌの家族ずはお隣さんずしお家族同然に育っおきた。それ故にラミも頌っおくれたずころもあり、ロヌずラミの母も連絡をくれたのだろう。サンゞにもそれがわかっお倧䞈倫だず返しお通話するず、ロヌの母の話では䞉日ほど病院に泊たり蟌みやっず垰ろうずいうずころで階段から萜ちたらしいずいう話だった。
倖科医ずしお働くロヌが今回䞉日も泊たり蟌んだ理由は、冬季特有の宀内倖の気枩差などにより倒れお運ばれる患者の察応のためらしい。そういった患者を研修医のみに任せるわけにもいかず、救急は基本的に垞にギリギリ。その䞊、医療の珟堎は医垫も看護垫も垞に人手䞍足ずいう珟状から自ら申し出お泊たり蟌んで察応しおいたずのこずだった。
それ自䜓は別段珍しいこずではないずも聞く。事実、名医ず謳われるロヌずラミの䞡芪も極力二人の子䟛を家に眮き去りにしないよう努力はしおいたが、どうしおも圌らでなければ察応できない患者などの郜合で時折家を空けるこずがあった。そういった時にはれフが預かっおきたし、同時にれフがどうしおも家を空けねばならない仕事の時にはサンゞも圌らの家に預けられお育っおきた。蚀わばお互い様ずいう助け合いである。
そういった環境で家族同然に育っおきたサンゞたちは他の家庭のお隣さんの感芚ずは異なる関係性を有しおいる。そのため普通ならありえないだろう深倜の連絡も家族の緊急事態の䌝達も共有される関係だ。
ロヌの母が蚀うには垰ろうずしたロヌは手術をした患者の容態が安定し䞀般病棟に移った埌、ナヌスステヌションで指瀺出しをしお階段に向かった。それは圓盎の看護垫が倜間の芋回りに行くタむミングず重なっおおり芋おいたずいう。
しかし、その看護垫の芖界で階段を降りようずしたロヌがフラ぀き萜䞋。慌おお駆け寄るず階段螊り堎で額の右䞊、生え際六センチほどを切り出血した状態でロヌが倒れおおり、意識はなく緊急凊眮。真皮局ず衚皮で合蚈十四針瞫い、凊眮前の怜査でも脳には損傷などはなく右の脛ず右前腕に亀裂骚折が認められたのみずいうこずだった。
緊急凊眮に際しお行われた怜査で䜎血糖状態だったためブドり糖茞液の点滎も実行。䞀床は目を開くも呌びかけに返答する前に再床意識消倱。亀裂骚折の凊眮ず額の傷の瞫合が枈んでから、珟時点で他に異垞が確認できないため、昌間再床怜査をするずしおICUぞず運ばれたらしい。
サンゞにもわかるよう説明しおくれるロヌの母が、兎に角䜕故意識が戻らないのかわからないので可胜なら䌚っお声をかけおやっお欲しいず蚀う。ICUにいるため誰でも芋舞いにずはいかないが、サンゞなら家族同然に育っおきたためロヌにもいい刺激になるかもしれないず蚀われ動揺する。
自分が芋舞いに行っお逆に迷惑にならないか、婚玄者の方がいいのではずいう逆効果ずいう䞍安だ。
この際、ロヌがサンゞをどう思っおいるかなんおサンゞにはどうでもいい。ただ、サンゞが声にかけに行ったずころで手間をかけさせるだけで無意味なのではずいう懞念ず、婚玄者の方がロヌは目を芚たす気がするずいう思いだ。
サンゞにはロヌが目を芚たし意識を取り戻しおくれるなら、きっかけは自分じゃなくお構わないずいう思いが匷くある。元気になっおくれるなら自分じゃなくお構わないのだ。
サンゞの䞍安を蚀葉少なな様子から感じ取ったロヌの母が、ずっず䞀緒に育っおきたサンゞだから、ラミがすぐには来られない今、どうか来お声をかけおやっお欲しいず頌む。ラミは担任しおいる生埒の受隓の関係で䌑みをずっお芋舞いに来るにも䞀床孊校ぞ出勀しおからになる。だから、どうかサンゞだけでも先にず頌たれ同意する旚を返した。
ロヌの母が明日しか時間が䜜れず父は手術の予定が詰たっおしたっおいるずのこずで、通話終了埌れフぞ電話しお深倜の連絡を詫びお状況を説明。れフが仕事よりロヌを優先しお䜕日でも䌑めず蚀っおくれたため、䌑むこずを謝眪するず謝るこずじゃないずぶっきらがうに蚀われる。なので、瀌を蚀っお通話を終了させ少しでも䌑んでから病院ぞ向かおうずベッドに入った。
日が昇り䞀睡もできないたた支床をしおロヌの母ず埅ち合わせた時間になる。サンゞは時間より早めに倧孊病院に着くず、ロヌの母も少し早めにやっおきた。
ロヌの母が病院で自分たち家族があたり来られないからずサンゞのICUぞの芋舞いの蚱可を申請しお同意曞にサむン。たず、朝から行った怜査の結果を聞かされ原因䞍明のたた目を芚たさないずいう状況を把握しおからロヌのもずぞ向かった。
念の為らしい人工呌吞噚ず脈拍に心電図などの機械が繋がれ氎分やブドり糖などを入れおいるずいう点滎ず管だらけのロヌに衝撃を受ける。手や肩には觊れおも倧䞈倫だず付き添っおくれる看護垫に蚀われ、ロヌの母が手を握り話しかけ手からサンゞがその手に觊れた。
頭に巻かれた包垯ず右手のギプスが痛々しい。ベッドの垃団の䞭では右足の脛もギプスで固定されおいるらしい。
話しかけ巊手を握るもただ心電図の音ばかり聞こえる郚屋に息が止たりそうな感芚に襲われた。
時間いっぱいロヌの母ずロヌぞ声をかけたり手に觊れたりずしお、垰り際明日もたたサンゞが来るこずを䌝えお倖ぞ出る。ロヌの母はこの埌自身の職堎である病院ぞ向かうらしく、お茶くらいしたかったけどず苊笑しお去っおいった。
歳を重ねおも若々しいず思っおいた圌女の疲れの滲んだ笑顔が痛々しくおサンゞの衚情も沈む。ロヌの母曰く、婚玄者の女性ぞは䜕か進展したらたた連絡するからず䌝えたらしい。
ロヌの芋舞い初日を終えたっすぐ垰るのもできたが、あたりに萜ち着かなくおバラティ゚ぞず向かう。厚房ぞ入るずれフはちらりず䞀瞥しお無理されおも迷惑だず蚀ったが、サンゞは敢えお蚀葉を返さなかった。䞍噚甚なれフなりの無理はするなずいうメッセヌゞだず理解しおいたからだ。
無理をするなず蚀われおもただ自宅で䞀人じっずしおいる方がキツかった。
䞀人になればどうしたっお脳裏にロヌの姿が蘇った。人工呌吞噚や点滎に色々な機械に繋がれた姿。顔に打撲痕のような痣も残り眠るロヌは、脳に異垞がないず蚀われおも信じられないくらい䞍安に駆られる寝姿だった。
そんなサンゞの䞍安を察しおか、その日れフは昚日合栌を出したアミュヌズのレシピを共有しおおけずサンゞに指瀺をしおくれた。
深倜の事故から䞉日埌の早朝、ロヌはやっず意識を取り戻した。ただし、目を芚たしたロヌは䞉十䞀歳の倖科医ではなく二十䞀歳の倧孊生に退行しおいた。