sevendays23
2025-08-15 08:41:26
2290文字
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四皇の両翼

昨日と一昨日のツイをまとめたもの。
昨日のツイがどうあっても表示されないので、こっちにまとめてみます。


【四皇の料理人】
「いーやーだ!!」

きっぱりとした声が、サニー号の甲板で響く。船長が腕を組み、膨れた顔で断る声。

「私をあなたの部下に」

「してください!!」

そんな、四皇という肩書だか他のものに魅了された海賊たち。この島には多くいるらしい。

「しねぇって言ってんだろォ!帰れ!」

もちろん、すげなく断られた後もめげず、また来ますと叫んで帰っていったが。

「今日も誰か来てたのか?」

鼻息荒く船長がキッチン&ダイニングに入ると、料理人が声をかけた。お昼の準備中なのだろう。厨房に立っている。

「来てる!!でも今日も帰らせた!」

「そりゃご苦労なこって」

「ご苦労だったぞ!!」

船長はムスッとしてカウンターにどすんと腰掛けた。

「変な言葉使うな……ほら」

「!」

「これ食って、機嫌直せ」

見計らったみたいに同時。冷たい水のグラスとスプーン、そして香ばしい匂いのする卵とネギと焼豚、そして調味料のシンプルな炒飯がことりと置かれる。

「ありがとう!これつなぎかサンジ!」

「当たり前だ。昼メシには炊きたてメシにたらふくポークソテー用意してんだよ。ニンニク醤油のな」

「うっひょー!最高だ!いただきます!」

先程の機嫌はどこへやら、船長は心から嬉しそうにがつがつとスプーンで炒飯をむさぼった。シンプルな炒飯なのに、うまみも甘みもあったかさもあって、奥深い味。スプーンの動きが速く、動く。動く。頬がぷっくりと膨らんでいく。

「うめぇぞ!」

「当たり前だ。腹減ってりゃ機嫌も悪くなるだろ」  

「腹減ってるからだけじゃねぇけど、今は機嫌いいぞ!サンジのうまい飯食ったからな!」

……それも当たり前だ、ったく」

料理人はふわりと口元を緩めた。船長はガツガツと頬張りながら、その顔を見る。

「ぜーんぶ聞いてたか?」

「クソでけぇ声だから聞こえてたよ。全員ヤローじゃねぇか。美しいレディならお茶でもてなしたのに」

「昨日は女来てたぞ?」

「おい聞いてねぇしレディを女呼ばわりすんなおしぼりにすんぞ!」

「ぎゃー!!」

料理人にぴしっと額に蹴りを噛まされながらも、船長もすっかりご機嫌でスプーンを運んでいる。

「でも、ま、おれが言ってきてやろうか?メシの前にアホなこと言って船長の機嫌悪くすんなって」

「いーよ!おれがする!機嫌悪くなってもサンジのうめぇメシ食ったら元気になるし、ちゃんと話聞いてくれるしな!しし!」

すっかり元気になったのか、はたまた気持ちを汲んでくれてうれしいのか船長は笑顔をも浮かべていた。料理人もあきれた顔になりつつ、口元を緩めている。

「おれはいつも通りメシ作って食ってるとこ見てただ適当に話してるだけだ。野郎の話なんざまともに聞いちゃねぇよ」

「でもそれって聞いてるってことだろ!」

……意味不明なこと言うなバカ。つなぎのおかわりもう少しあるがいらねぇん……

「いるーっ!!」

スプーンと皿を空に掲げた船長はすっかり元通り。へいへいと言いつつ、料理人は皿を手にとり、口元を緩めながらおかわりを盛り付けてやるのだった。