能「角田川」
武蔵の国の角田川の渡し守は都から来た女物狂を舟に乗せます。女は都で人買いに拐われた我が子を探して一人東国まで旅をしていました。 対岸の柳の木の下に集まる人々について他の旅人が尋ねると、昨年この川岸で人買いに捨てられて亡くなった子供を弔う大念仏だと渡し守が教えます。それが我が子と気づいて嘆き悲しむ女に、渡し守は子供の墓に案内して一緒に弔うよう勧めます。女が悲しみを堪えて念仏を唱えていると、塚から我が子の声が聞こえ幻となって現れますが、その姿に触れることはできません。やがて夜が明け、子の幻も消えてしまうのでした。(公演HPより)
角田川(隅田川)は、他流含めると今回で三度目。
実は初めて観た能の演目が「隅田川」でしたので、とても思い入れがある演目です。とはいえ、その時は睡魔に抗うのに必死で内容どころではありませんでしたが(苦笑)。
いやぁ~能は眠くなると噂には聞いてたけどビックリしたよね。普段の生活で真っ昼間に睡魔に襲われるなんてことなかったからさ😂
でも、その睡魔を(多分)克服して挑んだ2度目は、初めて能を観て涙しました🥲(ちなみに今回と同じ金春流でした)
そして、今回は高橋先生の「角田川」。高橋先生の舞台は過去にも拝見しており、実力は知っているので期待していたのですが、実際に拝見したら期待以上で
…😭😭😭👏✨
人買いに捨てられて亡くなった子供の話を聴いて、それはもしや我が子では
…と、母親の心中が不安や悲しみで支配される様子が、今にも泣き出しそうな顔(能面)から伝わって来るようで
…🥲
ホントにずっと観ていたらこちらまで貰い泣きしてしまいそうで、ところどころシテを直視出来なくなるくらい、涙を堪えるのが大変でした🥲
てか、今回の能面の表情の豊かさにはビックリ。狂女が黒笠を被って登場した時は心此処にあらずな表情で、でも黒笠を取ると美人が現れ、舞ってる時の所作は美しく、でも船上では悲しみに沈み、我が子の墓の前では幻(亡霊)を見つけて、ハッ!とする。
ほんのちょっとの首の角度で表情が変わる。宝生能楽堂は、他の能楽堂よりも照明が暗めなので、より陰影が活きやすいのかもしれませんが、本当に能面が生きているようで、所作の美しさも含めて、そこまで能面に血を通わせた高橋先生は、本当にお見事でございました🥹✨👏👏👏
また、今回は子方の表記が無かったので、子方無しかと思いきや、野口能弘さんのお子さんが務めると直前にアナウンスがありました。
この子がお父様似の凄く可愛らしい子で、無邪気にニコッと笑いながらお母さん(シテ)の方を向くんです。これで母親が近づくと消えてしまうのですから、その儚さが良い意味で反則だ😭と思いました🥹✨(GJ!👍)
そして、今回ワキを務めた野口琢弘師。まず第一声が、めっちゃ良いお声で痺れました🫨し、ここはもう能楽堂ではなく、隅田川ですよ、という説得力のある語りでございました。なので、ここから一気に物語の世界に入って行けたような気がします。
あと、母親に供養のための鐘を渡す時に、何となく優しさを感じたんですよね。そこは悲劇の中の唯一の救いのようにも思えました。
■ワキの視点から見た「角田川」の見どころ(1)
https://note.com/kaoru_kunisaki/n/n0d58c8a4fe6b
今回は事前に出演者のインタビューも掲載されて、興味深く読ませて頂きましたが、なるほど、そういう解釈もあるかァと勉強になりました。
あえて幽霊を描くのが得意な能で、それは母親の願望が見せた幻だという解釈もアリだし面白い。何より余白が多いからこそ、あれこれ考察出来るんだなと、能の面白さを改めて感じました。
でも、母親があの地に辿り着いたのが、子供が亡くなった日の丁度1年後の命日。これは偶然か、それとも
…。
あの場に現れたのが幽霊か幻かはさておき、今回は観ていて、子供が自分の存在を知らせるために、母親を引き寄せたような気がしましてね。
「僕はここに居るよ」って
…🥲
と思うと同時に、こんなに素晴らしい名作なのに、私は初見時に睡魔に負けたのか😞と思ったら、当時の自分をぶん殴ってやりたくなりました😂😂😂
前回の「角田川」の感想⬇️
https://privatter.me/page/65f4902f14028
一昨年の「華宝会」の感想⬇️
https://chaosnokanoke.xxxx.jp/archives/27099
その他、過去の観劇日記はコチラから⬇️
https://privatter.me/user/mijuppa
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